戸隠神社へ参拝に 長野への旅(3)

戸隠神社へ参拝する

長野の旅2日目。野沢温泉のおかげで、心なしか肌がつるつるしたような気配がある。多少肌の色つやが良くなったところで、誰に自慢するわけでもないのだが、やはりざらざらよりはつやつやの方がいいので、気分よく出発することにする。

今日は朝一番で戸隠神社へ行く。午前中に神社を参拝して、午後からは時間を見ながら周辺を観光しようという計画だ。戸隠神社は、

その起こりは遠い神世の昔、「天の岩戸」が飛来し、現在の姿になったといわれる戸隠山を中心に発達し、祭神は、「天の岩戸開きの神事」に功績のあった神々をお祀りしています。(戸隠神社ホームページより)

という歴史のある神社。以前、参道に続く見事な杉並木の写真を見た時から、一度ここを歩いてみたいと思っていた。参道入口から並木道を通って奥社までは徒歩で片道40分。そこそこ歩かなければいけない。これはなかなか手応えのありそうな参拝になりそうだと思い、朝早くに出発したのだった。


到着は午前9時 駐車場はすでに満車

宿を出たのが7時過ぎ。宿の方の話によると移動時間は「1時間30分くらい」ということだったので、このくらいに出れば駐車場も空いているだろうし余裕をもって参拝できると考えた。朝早い道路は車も少なく、すいすいと気持ちよく走行することができた。周囲に見える山々も風景も美しく、すでに農作業を始めている方達の姿も見える。カーナビが指示した道は、わりと幅が狭く走行しにくいところもあったのだが(最短距離を提示してくれているため、時々とんでもなく細い道を指示されたりする)対向車もないので、さほど気を使わずに目的地周辺にまで近づく事ができた。

さて、今僕が「近づいた」という表現をしたことにお気づきだろうか。この時点で時計の針は午前9時を回ろうかというところだった。しかし到着した神社前の駐車所はすでに満車。すでに渋滞が始まっていた。参道の前には大勢の人たち。そう、シルバーウィークの混雑は始まりを告げていたのだった。9時では遅かったのである。

急いで駐車所を探すも、周辺にはないと判断。偶然目にした「シャトルバス」の文字を頼りに、シャトルバス乗り場へと向かう。駐車場へ車を止めて、ほっと一息。9時30分からシャトルバスが運行するということだったので、それに乗って移動する事にした。

バスは10分ほどで参道入口に到着。ここから往復で80分ほど歩くことになるので、トイレに立ち寄ったりしながら準備をする。焦らずに歩いて1時間30分。ゆったり歩いても2時間はかからないだろう。そう予想をつけて歩き始める。

戸隠神社
戸隠神社の参道は見事な杉の並木道が続いていた。まっすぐな道が、奥社にむかって伸びていき、そこをたくさんの人たちが同じ方向を見て同じ目的で歩いていく。古より、多くの人たちも、ここをこのようにして歩いて参拝したのだろう。そう考えると感慨深いものがある。

当時の人達は、今の私達のように車で気軽に移動できるわけではないから、この参道に到着した時点で、さぞ胸にくるものがあっただろう。身震いするほど感動したことだろう。そのようなことを考えながら歩く。ゆるやかな傾斜なので、さほど息が切れることもない。さわやかな空気を吸って吐いて順調に奥社へ近づいていく。


神殿直前の階段で、行列に並ぶ

予定だった。しかし予定は未定である。勾配がきつくなり、いよいよ目的地に近づいたかと思ったあたりで、参拝者による列ができているのが見えた。先は曲がりくねった細い道になっているので様子を伺うことができない。とにかくたくさんの人たちが列をなしていることだけはわかる。この列はどこまで続いて、どのくらい待つのだろう。しかしここまできたのだから並ぶしかない。不安を抱えながら、じりじりとしか進まない列に並ぶ。後ろを振り返ると、次々と列はその長さを伸ばして行く。しかし前には進まない。

そうやって1時間も並んだだろうか。前に並んでいたツアー参加者と思われる方達が「これでは集合時間に間に合わない」と、途中で列を離れていく。自分たちの後ろに並んでいた家族連れの父親が「様子を見てくる」と先の方へ行き「これはちょっと無理だ」と家族を連れて下山していく。少し前を歩いていた子供が「もう無理」と言う。母親が「もう一生こられないかもしれないのだから」と励ます。なんだろう、この感覚は。まるで修行をしているかのようだ。いや修験道の道を志し修行に励んでいた修験者からすれば苦行でもなんでもないのだろうが、便利な生活に慣れてしまった自分たちにはなかなかの修行だった。

待つことが、さほど苦にならない時間

戸隠神社
しかし、なぜか妙に「帰る気持ち」にはならなかったのは、ここが霊場であり、これもまた貴重な体験とばかりに割り切って考えられたからなのかもしれない。もちろん、そんな風にじっ、と並んでいることでご利益をいただけるのではないかと、調子の良いことを考えていたということもある。

先ほどの母親のように「もうここには、参拝できないかもしれない」という気持ちが強かったということもある。

とにもかくにも2時間以上もかけて列に並び、無事に参拝を済ませることができた。ここ数年の間で、ここまで列に並んだことはあっただろうか? いやたぶんなかったと思う。もはや祈りを込めるということよりも、参拝できてよかった! という気持ちで一杯だった。

さて参拝のあとに御朱印をいただこうと考えた。しかしここもやはり長蛇の列。しかも「1時間待ち」とのこと。最初はさすがにこれ以上は・・・と思ったものの、同時に「ここまで粘ったのだから」という気持ちが勝り、待つことにした。幸いにして40分ほどで御朱印をいただくことができたので、それを手にしながら下山。合計約3時間あまり。無事に奥社の参拝を達成することができたのだった。

シャトルバスで中社へ移動

シャトルバスに乗り、中社へ移動。こちらは空いていたので、スムーズに参拝を終えてから御朱印をいただくことができた。そして気がつくと時計の針は午後2時を回っていた。やはり予定は未定である。結局、半日かけた参拝となってしまった。

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