定義山へ行く(秋)

定義山へ行ってきた。
正確に書くと「定義如来西方寺」へ行った、ということになるのだけど、地元の人間はみな「定義山」と呼ぶし「定義山へ行ってきた」という。特にここで強調するようなことでもないのかもしれないが、私たち地元の人間にしてみると「定義如来西方寺=定義山」なので、旅の途中で道を尋ねる際には気をつけて、いただきたい。


それはともかく、この西方寺が設立されたのは「宝永3年(1706年)」だという。単純に計算してみると300年以上も前に設立されたことになる。
西方寺は、仙台市青葉区大倉という場所にあるのだけど、仙台市内から車で約1時間、静かな山間の自然に囲まれた場所にある。
今でこそ車で「今日は天気もいいから、定義山へ行ってみようか」と、気軽に出かけられる距離だけど、300年も前だとかなりの山岳地帯だったのではないか、と想像する。当時の人たちが、ここに詣でる際には、かなりの準備をして出かけてきたのだろう。山を越えて、川を渡り、気持ちを込めて手を合わせたことだろう。そんな風に考えると、色々と考え深いものがある。



こちらには、見事な五重塔がある。塔の前に設置されている椅子に座って眺めていると、本堂の方から鐘の音が静かに聞こえてきた。
当日は小雨がふる、少し肌寒い気候だったのだけど、その風情が心地よくて、しばらく椅子に座って塔を眺めていた。


20代前半の頃に、ここにやってきた時には、ちらっとだけ塔を眺めて、あとは名物の油揚げを食べた記憶しかないのだけど、最近はこうやって静かに建築物を眺める時間を楽しめるようになってきた。これは、そこそこ色々な場所を旅してきて、いろいろなものを見てきたから、それぞれの違いを自分なりに比較して、楽しめるようになってきたからではないか、と思う。そのように考えると、色々な場所を旅することの大切さや、年齢を重ねるのも悪くないな、と思ったりするわけです。


と、そんなことを考えながら、参道の方へと回り、仁王像を見上げ、家に油揚げのお土産を買ってから、定義山を後にした。


今回は秋(10月上旬)の暑くも寒くもない、ちょうどいい一日だったけど、今度は冬のビシッと寒い日や、逆に真夏の立っているだけでも汗が流れてくるような日に、こちらに詣でてみようかなと思いました。




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