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はじめての奈良旅(最終回 さらば奈良)

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電車での移動は順調だった。特に混雑も遅延もなく、予定通りの所有時間で目的地に着いた。車内の人たちも平常のようにみえた。向かいの席に座っていた高校生が、スマートフォンを見ながら電車の乗り換えについて相談していた。こちらの方が早い、いやこの方が乗り換えが少ない、奈良で鹿が見たかったなあ、意外と奈良って遠いよな、などと話しているのが聞こえてきた。

ところが宿に到着したあたりから、外の気配が怪しくなってきた。テレビで天気予報を確認すると、夜から朝にかけて台風がこの地域を通過する予想とのこと。その予想を裏付けるかのように、窓を叩く強い雨の音が聞こえてくる。ガタガタカタカタと、窓が鳴る。どんどん風と雨が強くなってきているのが感じられる。交通機関にも影響が出ていて、遅延や運休に関する情報が更新される。各地で台風による被害が出ているというニュースを見るにつけ、どうやら状況は芳しくない方向へ進んでいくように思われた。
スマートフォンで空港までのルートを確認する。飛行場へ向かう電車が運休中と表示された。飛行機の日程を確認すると、すでに運休が決まった路線もある。僕たちが利用する、大阪ー仙台線は今のところフライトの予定になっているけれど、朝になってみないと確定はできないだろう。テレビの画面に映し出される台風の渦は、予想のルートを北上していく。急に方向を変更して太平洋側へ逸れないかとの願いもむなしく、まるで日本列島をトレースするかのように進んでいく。
連れが明日の午後から仙台で予定が入っているため、朝一番の飛行機に乗らないと間に合わない。飛行機が運休になった時のことを考えて、新幹線で移動になった時のプランをシュミレーションしておく。朝一番で新幹線に切り替えたならば、ぎりぎりで予定の時間に間に合いそうだ。こんな時は、最悪の状況を想定して準備をしておけばなんとかなる。前に旅をした時に「お客様の予約はキャンセルになっています」と受付で言われた時に比べたら、全然余裕がある(先方の確認ミスだったので、泊まることができた)。深夜に車で峠道を走行していた際に、マフラーが折れて立ち往生した時の悲壮感に比べたら…いや、あの時は悲壮感というよりは笑うしかなかったが……まだまだリカバリーが効く。

どちらにせよ明日の朝になってみないことには、どうにもならない。まずは風呂に入り、コーヒーを飲み、テレビで天気予報などを眺めな…

ならまち散策 はじめての奈良観光(8)

ならまちへ、移動する志賀直哉旧居をあとにして、次は「ならまち」へと向かう。当初の予定ではバスを利用しようと考えていたのだが、今ひとつ適切なバスルートがよくわからなかった。きちんと調べれば見つかったのだろうけれど、マップを見ると15分も歩けば目的地に到着できそうなので徒歩で向かってみることにした。
ならまちへと続く道は、車の数も人通りもまばらなので観光しているというよりも近所を散歩しているという気分になる。しかし駐車している車には奈良のナンバープレート。ここは仙台から数百キロも離れた旅の地なのである。おそらくこの道を歩くのは、これが最初で最後になることだろう。そんなことを考えながら、やや下り気味の道を歩いていると「讃岐うどん」の店から出てきた老夫婦が「おいしかった。ここ正解!」と話しながら僕達の前を横切った。「正解!」という言葉が気になったことと、そろそろ休憩が欲しかったので、その店で少し遅い昼飯にすることにした。さて、その結果は・・・。うまい。うどんはもちろん天ぷらもうまい。たしかに、ここは正解ですね奥さん!と、先ほどの夫婦に心の中でお礼をいいながら食べた。


旅の主食はカロリーメイトと缶コーヒー 学生のころは、旅の時でもファストフードやコンビニのおにぎりで済ませることが多かったし、それで特に疑問も不満も感じなかった。食費よりもガソリン代が優先で、少しでも遠くへ行ってみたいと思っていたからだ。食事はエネルギー補給のために行う行為だから、カロリーメイトと缶コーヒーで必要十分などと嘯いてみたりもしていた。実際に「朝はカロリーメイトのチーズだったから、昼はコーヒーにしよう。しかしコーヒー味のカロリーメイトに缶コーヒーの組み合わせは、さすがにちょっと栄養が偏っているかな」などと、根本的な部分から勘違いをしていたものだった。

しかし最近では「ちょっと、ここへ寄ってみよう」と、カフェでコーヒーを飲むためにバスに乗って出かけたり、行列に並んで順番を待ったりもする。一時間は待てないが四十分くらいならば、普通に並んで順番を待つ。人間は年齢とともに優先順位が変化していくものなのだ、ということを「旅先の食事の変化」から考察してみた。

「正解の食事」を済ませ移動を再開する。途中で「空気ケーキ」という店でケーキを買い、これをどこで食べようか、と話しているうちに「ならまち」へ到着した。ゆるい下り坂になっ…