太宰治 「富嶽百景」を読む。
昨晩、体調が悪くて眠れなかったので布団の中で太宰を読んだ。やはり病床には太宰である。作者本人は不本意かもしれないが漱石より太宰のような気がする。今回は「富嶽百景」を読んでいたのだが、この作品の中に「諸君が、もし恋人と逢つて、逢つたとたんに、恋人がげらげら笑ひ出したら、慶祝である。」とあった。 これはつまり「人は完全に頼もしいと感じる相手に接すると笑ってしまう」ものだからだそうだ。なるほど。つまり「やあ」と挨拶した瞬間「やだー(笑)」などと笑われても「失礼だな!」と怒ってはいけない。彼女はバカにしているのではなく、君が頼もしくて笑っているからだ。うむ。さすが太宰氏。 さらにお見合いの相手に「どうです。もう少し交際してみますか?」と、言う場面がある。これは、自分も一度言ってみたい台詞かもしれない(笑)ちなみに、この後に続く娘の返事が奮っているので、気になる方は読んでみていただきたい。 青空文庫で読めます→ http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card270.html