青森土産に「太宰弁当」を、いただいた話。
おみやげに「太宰弁当」を 先日、連れが仕事で青森に出張へ行ってきた。帰り際に「おみやげに 太宰弁当 があるよ!」とメッセージが届いた。「太宰弁当?」そのメッセージを見て、私の頭に浮かんだのは「 桜桃 」だった。しかし桜桃と弁当の組み合わせはメインになりにくいだろう。 他には・・・そういえば、以前 斜陽館へ向かう 途中に 「太宰は根曲り竹が好きだった」 という文章を、どこかで見た記憶がある。根曲り竹なら弁当の具材に最適な気がする。などと、弁当の名前から想像を膨らませつつ連れの帰りを待った。そして、渡されたのが、こちら。 ネーミングは「 太宰弁当 」キャッチコピーは 「 太宰治の好物がたくさん詰まっている 」。パッケージは、コートを着用し、物憂げな表情を浮かべて木の前に立つ太宰の写真。なるほど、と、何がなるほどなのかわからないのだが、蓋を開けて中を見てみる。 「 太宰治の好物がたくさん詰まっている 」 若おいおにぎり、貝焼きみそ、けの汁、馬肉のみそ煮、紫蘇巻き梅干し、紅鮭他と、太宰の好物がしっかりと詰め込まれている。美味しそうである。もちろん「 根曲り竹」も入っていた。 「けの汁」も入っていたのだが、汁がないので煮物になってしまっていた。「やはり『けの汁』は外せませんよね?」「そうだね。でも汁ものだから、どうしようかねえ」「汁を抜いて中身だけにするのはどうでしょう?」「それだと『けの汁』じゃなくて『け』になるねえ」などと、失笑しながら企画会議を進めている様子を想像してみる。 「では、 ひきわり納豆はどうします?」「うーん。『ひきわり納豆』は津軽発祥だから、そういう意味でも入れたいけどね」「でも、弁当に納豆が入ると気になる人は気になるでしょうし」「よし、今回は『けの汁』採用『ひきわり納豆』は却下でいくか」などと、 議論が交わされたりしたのだろうか? そんな舞台裏を勝手に想像しながら食べた。 「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」 ちなみに、数年前に弘前へ旅に行った時、個人的に気に入ったのが「けの汁」だった。帰宅後、青森出身の知人に話したところ「今度作ってみますよ。ちょっと待っていてください!」と言われたまま、数年が過ぎてしまった。 「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」 とりあえず気長に待っているの