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宮城県美術館「新しい美術の系譜」

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宮城県美術館の「新しい美術の系譜」へ行ってきた。 今回の目的は、ロレッタ・ラックスの作品を観ること。ある雑誌で、彼女の作品を目にしてから、ぜひ一度本物を観てみたいと思っていたので、今回は、とても楽しみにしていた。 展示されていたのは「ドロテア」と「アイルランドの少女たち」の2作品。ちらっと観ると、絵画のように見えるけれど、良く観ると写真。かわいらしい女の子が描かれているように見えるけど、しばらく見ていると、妙に不安を感じる作品。やわらかだけど、硬質なトーン。ずっと見ていたいような、すぐに目を逸らしたくなりそうな世界観。そんな、矛盾した雰囲気が同時に存在する、不思議な作品だった。 自分のレベルでは、この作品に、どのような画像処理がほどこされ、仕上げられているのかは、わからない。わからないけれども、とにかく、膨大な時間がかけられ、丹念に仕上げられているということが、ひしひしと伝わってくる。その、絶対的な作業量が、自分が感じた「不思議な感覚」の源泉となっているのかも、しれない。 平日の閉館まぎわの時間帯と、いうこともあり、観客がまばらだったので、作品を独り占めして、じっくりと楽しませてもらった。この2作品を観るだけでも、充分に足を運んだかいがあったと、思った。あまりにも、離れがたくて、閉館ギリギリまで粘ってしまい、あやうく次の予定に、遅れてしまうところだった。 美術館を出て、近くの高校の前を車で通ったところ、校門の近くで、ダンスの練習をしている女子高生の姿が目に飛びこんできた。体を左右にリズミカルに揺らし、飛び跳ね、ニコニコと笑いながら、そばに立って見ている友達と話をしていた。何かのイベントで発表でもするのだろうか。それとも、ただ踊っていただけなのだろうか。美術館と、女子高生のダンスの組み合わせは、自分の中にある、遠い遠い昔の記憶を、呼び起こしてくれるような、 ロレッタ・ラックスの作品を見た時に感じたものと、どこか つながるような、そんな不思議な感じがした。 ロレッタ・ラックスの写し出す子供たちは何を見つめているのかLORETTA LUX  ロレッタ・ラック...

ラシーン発進。

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夏がおわった。 涼しくなってきたので、ラシーンの調子が良くなってきた。オンボロ車(平成7年式)には、今年の猛暑はキツかったはず、おつかれラシーン。 僕は、車やバイクが好きで、16歳の誕生日の一週間後に原付の免許を習得してから、ずっと車やバイクを運転し続けてきた。レストランで皿洗いのバイトをして、コツコツ給料を貯めて(その当時の時給は、580円くらいだった/高校生)ヘルメットを買ったり、グローブを買ったりしながら、バイクを自分好みにアレンジしたりして、少しずつステップアップを、したものだった。 車は、自宅にあった(父親が所有していた)ニッサンのスカイラインが最初で、それから2台スカイラインを乗り継ぎ、今のラシーンに至っている。 どの車も初期登録から10〜12年ほど乗って廃車にしてきたけれど、ラシーンの場合は、今年で16年目。今まで乗ってきた車の中で、最年長となる。 実際のところ、年々パワーも落ち、燃費も悪くなってきているのを感じるのだが、それでもこのスタイル(レトロモダン風)が気に入って、まだしばらくは乗ろうと思っている。高速に乗ると、四角いボデイがものすごい空気抵抗となり、軽自動車にも楽々抜かれることも多いのだけど「これは、速く走る車ではない」と、割り切って、一番左側の車線をトロトロと走るようにしている。 自分が子供の頃には「車は10年で廃車」のような、雰囲気があったけれど、ラシーンに関しては、このままトラブルがなければ、17年目に突入するのも決して夢ではないと思っている。もう一度、車検を通すことができれば(メンテナンス費と、維持費との兼ね合いである)19年目を目指すことになる。はたして、どこまで乗れるものなのか、自分としても、とても興味があるところだ。 たとえば、今から70歳くらいまで車を運転するとすれば、これまでの自分のペースでいくと、生涯で8〜9台の車を乗り継ぐ、といったペースになるかと思う。せいぜい10台と、いったところだろう。どんなに多くても、11台目に乗るか乗らないか、といった範囲に収まると思う。 そう、わずかに10台である。生涯で乗れる(自分がオーナーになれる)車は、そんな程度しかないのだ。 この短い人生の中で、どうせなら、少しでも自分が好きな車に乗りたい。自分の好みに合って、大切にで

山を歩いた日。

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山歩きをしていると、様々な人とすれ違う。 その多くの方とは、「こんにちは」だけで、終わりになってしまうのだけど、水場などで休んでいる時に話しかけられたりすると、ついつい長話に、なることもある。 今日、とある山の水場で出会った方(70代・男性)にも、面白い話を聞かせていただいた。 その方は、単独で登っていたのだけど、70代で単独で登るくらいだから、そうとうの山男で、 若い頃に、会社を一週間休んで、日本アルプスに登った時の話や、当時の整備されていないルートを歩いた時の恐怖体験など、時代背景を感じさせる、興味深い話を聞く事ができた。なかなか話す機会のない年代の方と、共通のテーマでお話しさせていただくことは、とても楽しいし、元気がでる。なるほど、なるほど、と、すっかり聞き役に回って、じっくりと山の話を聞かせていただいた。 15分ほど話しているうちに、急に年齢の話題になっていった。どうやら、その方は、僕のことを、30歳くらいだと思っていたらしくて(いくらなんでも、若過ぎだ!)実年齢を教えると、そうですか、ずいぶん若く見えますね、失礼なことを言ってしまったなぁ、と頭をかくような仕草をされた。そして「でも、若く見られて、損ということはないですよ」と、にっこりとした。 その方によると、僕が若く見えるのは「自由に人生を楽しんでいて」「エネルギーが余って」いるから、なのだそうだ。逆に言えば「人生や仕事を楽しめない人は、すぐにエネルギー切れになり、老け込み、最悪の場合は寿命が短くなってしまうものだ」と、自分の友人を例にあげながら、あの人はこうだった、あいつはこうなった、と「どんなに鍛えていても、死ぬ時はあっさりと死ぬ」と、語ってくださった内容は、とてもリアルで生々しいものがあった。 なかでも、ちょうどこの同じ山に一緒に登っていた友人がいて「じゃあ、また今度!」と、元気に別れた数週間後に、その方が突然亡くなってしまったという話には、思わず息を飲んでしまった。「見た目は、あんなに元気だったのに、寿命が切れると、あっさりと亡くなる」とか「あなたが車を停めていた、ちょうどその横に、その人は車を停めてた」などと言われると、思わず姿勢を正してしまう。水場から聞こえる水が流れる音も、冷気も、ひやりと背中を通り抜けて行くような、気がする。 「それでは、エネルギーを保つには、どうすればいいでしょうか?」と

もしも、18歳に戻れたのなら。

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自分の唯一の自慢といえば「体が頑丈にできている」ということ。今までに、大きな病気もしたことはないし、入院するようなケガをしたことも、ない。せいぜい、部活動で足を痛めて、2〜3回通院したとか、その程度のものだ。 そんな自分でも、年に1度くらいのペースで、体調を崩すことがある。腹が痛いとか、偏頭痛が、ということではなく、「なんだか、体がズシーンと重い」感じになり「ベットに横になっていても、腕を上げるのさえ、おっくうだ」というような、状態になる。上から、重たい鉄の固まりのようなものに、ぎゅーっ、と押さえ込まれているような、体の周りを360度、冷たい鉄で囲まれたような、感じになる。その時は、全く身動きができなくなる。ただじっと、それが通り過ぎていくのを、横になって待つしかない。目を閉じて、眠り続けるしかない。 そして、今日が、ちょうど「それ」の日だった。最初は、夏バテかな、と軽く考えていたのだけど、どうにも体が動かなくなり、何も考えられなくなってしまったので、思い切って3時間ほど、横になって休むことにした。幸いなことに、今日は、夕方のミーティングまで、予定がない。休める時に休む。これも仕事のひとつだ、と考えることにして、よっこらせとベットの上に横になる。 特に眠かった訳ではないので、カーテンを開けて、窓から見える空を眺めていた。真っ青な空と、白い雲が流れていた。窓は閉め切っていたので、外の音は聞こえなかった。とても静かで、いい午後だと思った。じっと、そんな風景を眺めているうちに、ふと、高校生の頃に、学校を休んで(サボッて)空を眺めていた時のことを、思い出した。確か、あの時も、こんな感じの空だったなと思った。同じような季節の同じような時間に、こうやって空を見ていたよな、と思った。 もしも、18歳の頃に戻れたのなら、 と自分に問いかけてみる。自分は、何をするだろう? 答えはすぐに思い浮かんだ。戻ったとしても、同じことをやるだろうし、そもそも戻りたいとも思わない。18歳は一回でいいし、あの18歳が、自分にとってのベストだったような、気がする。 もちろん、18歳の頃の自分が、すばらしい人生だったとか、後悔のない人生だったという訳ではない。あれもすれば良かった、これはこのようにすれば良かった、ということは、たくさんある。思

iphone 発熱

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仕事中、なにげなく机の上に置いてあったiphoneの画面に手を触れてみた。おや。なんとも言えない違和感。あらためて、本体をにぎってみると、ものすごく熱くなっていた。使い捨てのカイロのようだ。冬ならば、ほのぼのとする温かさだが、夏(正確には初秋)にこの温度は、なにやら危険な感じがする。 冷房が聞いた室内だから、直射日光が当たることもない。誰かがお湯をかけたわけでもないし、ふところに入れて温めたわけでもない。当然、手も触れていないし、自然の状態のまま放置し、自然に発熱してしまったわけだ。 一体なにが? と思いつつ、よくよくチェックしてみると、充電が残り10%になっている。つい、30分くらい前に確認した時には、緑のバーになっていたから、最低でも30%くらいは残っていたはず。もしかして、故障か? またソフトバンクショップに持っていくのは、嫌だな、と思いつつ、一旦電源を切って、冷却を試みる。 15分ほどして、常温に戻ったのを確認してから、再起動。アップルマークが表示され、カーソルがグルグルと回っている様子を、じっと見る。じっと見る。じーっと見る。数十秒後、見慣れた画面が表示された。とりあえず、大丈夫そうだ。一通り操作をしてみる。普通に動く。どうやら故障はしていないようだな。データーなども消えた様子はない。ほっ、と文字通り胸をなでおろした。 いまや、iphoneは自分にとって必須のアイテムになっているけれど、定期的(?)にやってくる、この手のトラブルには(一度、交換修理という、痛い目にあっているだけに)本当にヒヤヒヤする。仕事の連絡用に、もう一台携帯電話を用意した方がいいのかなどと、本気で考えたりした、9月の午後でした。

カエルが、旅立った日。

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かれこれ数週間前。 庭に設置していたビニールプール(甥っ子用)に、オタマジャクシが大量に発生していたことが、あった。 いったい、どこから? 庭には池もないし、近場にもないし、鳥の足にでも卵がついていて、それが、うまいこと落下したのでは? とか、通りすがりの人がおもしろがって、投げ入れたのでは? などと考えたりしたのだが、どれもこれも現実味がない。 そんなことを考えながら、ゆらゆらと動いている、オタマジャクシを眺めているうちに、いや、まてよ、もしかすると、これはオタマジャクシに見えるけど、他の生き物なのではないか? 根本的に、別の「何か」なのではないか、という疑問がわいてきた。 そこで、ビニールプールの水を捨てる際に、以前、メダカを飼っていた水槽に「それ」を、入れておくことにした。数週間後、オタマジャクシに足が生えてきたのを確認。やはり、これは、そうだったのか。新種の生き物ではなかったんだな、まあ、それは当然だよな、と思いつつ、水を換えてやったり、時折、氷をいれて冷やしたり、していた。もはや、親心である。 本日、朝。何気なく水槽を見たところ、カエルが水槽の端に立っているのを発見(写真)いつの間に、こんなに大きく・・・しかも、ちゃんとミドリ色になっている。と、驚いていたところ、彼(彼女?)は、飼い主に勇姿を見せたあと、水槽から旅立って行ってしまった。娘を嫁にやる、父親の気持ちが、なんとなく、ものすごく遠回しに、理解できたような気がした。 そんな訳で、あの黒いのは、オタマジャクシであったことを、数週間かけて確認した夏だった。それにしても、彼らはどこからやってきたのだろう。そして、どこへ行くのだろう。なんとなくしんみりとしながら、残暑の朝を過ごしました。

EVERNOTEの使い方。

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iphoneを入手してから、頻繁に使うようになったEvernote。使用頻度が高くなればなるほど、このアプリが手放せなくなってきた。 最初のうちは、Macで編集(または保存)したデーターを、外出先のiphoneで確認&編集できるアプリ、という認識だった。もちろん、それだけでも十分に活用できる。時間をおいて、読み返そうと思っていた原稿などを、空き時間に確認できて、簡単な編集できるというだけでも、ありがたい。ちいさなノートパソコンが一台増えたような感覚で、かなり活用していた。 次に、Evernoteから発行される自分専用のメールアドレスに送信すると、そのまま保存できることを知った。もちろん、画像も添付できる。自分は、備忘録として、携帯のメールから、パソコン用のアドレスに内容を送信することが多かったのだが、今ではEvernoteに送信するようになった。自宅に帰ってから、確認する習慣をつけて、必要なものはタグ付けをして整理をしておくようにしたので、検索も楽になったし、見落としも減った。 さらに、最近また気がついたのが、「位置情報」をオンにした状態で、スナップショットで撮影し保存しておくと、あとから撮影場所のマップを確認することが、できるということだ。これは便利。知らない店に連れて行ってもらい、あとから「確か、この辺りだったよな・・」と、いうことはよくあるが、Evernoteで、その場所で目印となるものを撮影し、保存をしておけば、あとから画像とマップで場所を確認できるということだ。 これで、ますます便利になるな、と思いつつも、よくよく考えてみれば、自分の行動が詳細に記録されるということでもあり、ちょっと恐ろしい感じもしたりする。「ふーん、こんな所に行っているんだ」などということが、ものすごく詳しいマップで明らかになる。他の人が使う可能性があるパソコンを使う場合は、ログアウトしていることを、確認しなければならない。 それはともかく、まっとうな使い方をする分には、かなり「使える」アプリであることは、間違いない。連動できるアプリも増えてきたようなので、いくつか試してみたいと思っている。 EVERNOTE スターターパック