乳頭温泉郷キャンプ場 秋田を巡る旅(4)
秋田を巡る旅(4) 乳頭温泉郷キャンプ場で一泊 本日の宿泊地は、乳頭温泉郷キャンプ場。 夏休みの真っ最中ということで混雑を覚悟していたのだけれど、思っていたよりもテントの数は少なかった。サイト利用料が若干高めの設定だからなのか、それともたまたま空いていたのかはわからない。とにもかくにも、ゆったりとした雰囲気の場所で、キャンプをすることができるのはうれしい。 テントを設置する場所は、空いている区画を 自由に選んでも良いということだったので、端の方の大きな木の下を選んだ。この木の下ならば多少の雨はしのげるだろうし、風が吹いてもテントを守ってくれるだろう。 「一晩、よろしく」と木に挨拶してから、てばやくテントを設置し、周囲がまだ明るいうちに休暇村内にある温泉へ向かう。 休暇村内の温泉は、以前秋田に来た時に 一度利用したことがある。数年前のことだというのに、自分でも驚くほど鮮明に建物の様子や廊下、そして湯船の様子を覚えていた。そうそう、露天風呂からのブナ林はこんな感じだった。湯の色はこのような色合いだった。この前来た時は、もう少し熱かったような気もするけど気のせいかな。 露天風呂で、野ネズミ(?)に遭遇する 露天風呂の淵に座ってぼんやりと過ごしていると、以前ここで 50代くらいの男性に「どちらから?」と話しかけられたことを思い出した。とても歯切れよく、聞き取りやすい発声で話す方だった。「山に登ってきたんです」と答えると「ほお。山登りもいいですねえ」と、やはり聞き取りやすい声でそう相槌を打ってくれた。確か千葉の人だったような気がする。もう少し話をしたような気もするけれど、くわしいことは忘れてしまった。 そんなことを思い出しながら、湯につかる。夕食時だったせいか客足もまばらで、幸運にもしばらくの間露天風呂を独り占めすることができた。手足を伸ばして湯船にふわりと身体を漂わせていると、背後から視線を感じた気がした。誰もいないはずだけど、と後ろを見る。何かがもそっ、と動いた。何だ? と目を凝らす。むこうも、こちらを見ている。じーっ。おぅ、野ネズミか? 薄暗くなりかけた視界の中でははっきりと確認はできなかったけれど、たぶん野ネズミだろう。彼は(もしかしたら彼女は)露天風呂の壁の隙間を2~3回ほど出たり入ったりしたあと、どこかへ行ってしまった。旅先の、ち