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秋田を巡る旅。その6(まとめ)

秋田を巡る旅(その6 まとめ) さて、気がついたら今回の記録も「その6」まできてしまった。最初のイメージでは「その3」くらいで終わる予定だったので、倍近くも書いてしまったことになる。 本当はもう少し記録しておきたいこともあるのだが、今回の「秋田への旅」はこのあたりで終わりにしておこうと思う。 ちなみに、乳頭温泉を後にしてからは田沢湖を車でぐるっと回り、神社に参拝し鏡石を拝んで、御座石から湖畔を眺めて、黄金のたつこ像の近くで魚に餌を与えたりして半日過ごした。 田沢湖は水の中をのぞきこむと、魚が群れをつくって泳いでいる姿が見えるほど透き通っていた。水と空気が澄んでいる場所にいることができる喜びを堪能できる場所だった。ところどころで目にした昭和を感じさせる風景も、子供の頃のノスタルジックな気分を思い出させてくれて楽しかった。 帰りの高速道路で大渋滞に巻き込まれて、帰宅が大幅に遅れてしまったことが予想外だったけれど、それもまた夏の風物詩のようなものかもしれない。やはり今年の夏は秋田でよかったと思う。 計画を立てる旅、と、出発してから考える旅 10代、20代のころは「旅に出るまで」が大変だった。あれもこれも準備して、そして次に・・・と計画するだけで、すでに軽く疲労してしまうくらいだった。最近では、出発の前日まで宿が決まらなくても「まあ、なんとかなる」と思うし「とりあえず出発してから考えよう」と考えるようになってきた。今回の秋田への旅も、数日前に決めたこともあって下調べもほとんどせず、テントだけ積んで出発して移動の途中で携帯で調べたりしながら行き先を決めていた。 以前もどこかに書いたような気がするけれど、今は「携帯電話+クレジットカード」があれば、国内旅行なら特に準備なしでも楽しむことができる。ホテルの予約も地図も観光情報も、携帯電話からアクセスすればすべて終了。ガソリン代も宿代もクレジットカードで清算できる。そして次は、海外旅行へも気軽に行けるようになりたいと考えている。その際に最大の難関となるのが「飛行機が苦手」ということなのだけど、これは生涯克服できないような気もしている。慣れれば大丈夫になるのだろうか? (おわり) 秋田をめぐる旅(もくじ) 秋田をめぐる旅(1)高速を降りて「 ニテコ清水」へ 秋田をめぐる旅(2)抱返り渓谷の遊歩道散策

乳頭温泉 鶴の湯 秋田を巡る旅(5)

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秋田を巡る旅(5) 乳頭温泉 鶴の湯 翌朝、テントの外に出ていると朝日が樹々の隙間から射し込んでくるのが見えた。今日はよい天気になるのかな、と思いながら周辺を散歩する。昨日は気がつかなかったのだけど、キャンプ場のすぐ近くを川が流れていたことに気がつく。ずっと聞こえていた水が流れる音は、ここから聞こえてきていたのだ。急斜面を降りていかないと川の側には行けなかったので、残念ながら水に手を触れることはできなかったけれど、遠くから眺めていても綺麗で豊かな水だった。 テントにもどり、湯を沸かしてコーヒーを飲んでいるうちに雲行きが怪しくなってきた。どうやら朝の一時は、山の神様からのご褒美だったようだ。木の神様かもしれない。背後の木に挨拶をしてから、テントを撤収してキャンプ場を後にする。 午前10時に鶴の湯へ到着 すでに混雑! 今日、最初に向かうのは乳頭温泉の鶴の湯だ。ここは乳頭温泉郷の中で最も古い温泉宿なのだそう。前回来た時は日帰り入浴の時間を過ぎてしまっていたので、立ち寄ることができなかったので今日は準備万端で朝一番に向かうことにした。 日帰り入浴が午前10時ということで、周辺を散策したり、鶴の湯へ続く林道の途中にある勘助清水で湧水を汲んでいたりしたところ、次から次へと鶴の湯へ向かうと思われる車が林道を走り抜けていった。 これはもしかするとかなり混雑しているのでは・・・と、10時ちょうどに鶴の湯温泉の駐車場へ着いてみるとすでに多くの観光客でにぎわっていた。湯巡りのマイクロバスが入口付近に止まっていて、入浴を済ませた客を乗せて次の場所へ移動しようとしている。これはかなり混んでいるだろうな、と思いつつもここで尻込みするわけにはいかないので、タオルをつかんで出発する。 藁葺き屋根が続く道を通って、受付へ 藁葺き屋根が続く道を真っ直ぐに歩いていくと「鶴之湯事務所」と書かれた木製の看板がかけられた建物の前に到着する。 入口の横に係の人が座っていて、ここで入浴料金を支払う仕組みになっている。すでに湯からあがった人達が立ち話をしている横を通って、混浴露天風呂の方をのぞいてみる。 突然、大勢の裸(注・男性のみ)がずらりと目に飛び込んでくる。外から丸見えである。おいおい、ちょっと前を隠そうぜと、いう体勢の人もいる

乳頭温泉郷キャンプ場 秋田を巡る旅(4)

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秋田を巡る旅(4) 乳頭温泉郷キャンプ場で一泊 本日の宿泊地は、乳頭温泉郷キャンプ場。 夏休みの真っ最中ということで混雑を覚悟していたのだけれど、思っていたよりもテントの数は少なかった。サイト利用料が若干高めの設定だからなのか、それともたまたま空いていたのかはわからない。とにもかくにも、ゆったりとした雰囲気の場所で、キャンプをすることができるのはうれしい。 テントを設置する場所は、空いている区画を 自由に選んでも良いということだったので、端の方の大きな木の下を選んだ。この木の下ならば多少の雨はしのげるだろうし、風が吹いてもテントを守ってくれるだろう。 「一晩、よろしく」と木に挨拶してから、てばやくテントを設置し、周囲がまだ明るいうちに休暇村内にある温泉へ向かう。 休暇村内の温泉は、以前秋田に来た時に 一度利用したことがある。数年前のことだというのに、自分でも驚くほど鮮明に建物の様子や廊下、そして湯船の様子を覚えていた。そうそう、露天風呂からのブナ林はこんな感じだった。湯の色はこのような色合いだった。この前来た時は、もう少し熱かったような気もするけど気のせいかな。 露天風呂で、野ネズミ(?)に遭遇する 露天風呂の淵に座ってぼんやりと過ごしていると、以前ここで 50代くらいの男性に「どちらから?」と話しかけられたことを思い出した。とても歯切れよく、聞き取りやすい発声で話す方だった。「山に登ってきたんです」と答えると「ほお。山登りもいいですねえ」と、やはり聞き取りやすい声でそう相槌を打ってくれた。確か千葉の人だったような気がする。もう少し話をしたような気もするけれど、くわしいことは忘れてしまった。 そんなことを思い出しながら、湯につかる。夕食時だったせいか客足もまばらで、幸運にもしばらくの間露天風呂を独り占めすることができた。手足を伸ばして湯船にふわりと身体を漂わせていると、背後から視線を感じた気がした。誰もいないはずだけど、と後ろを見る。何かがもそっ、と動いた。何だ? と目を凝らす。むこうも、こちらを見ている。じーっ。おぅ、野ネズミか?  いや、あのシルエットはリスか? 薄暗くなりかけた視界の中でははっきりと確認はできなかったけれど、リスにしておこう。彼は(もしかしたら彼女は)露天風呂の壁の隙間を2~3回ほど出たり入ったりしたあと、どこ

秋田を巡る旅(3)角館で「武家屋敷」をめぐる

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秋田を巡る旅(3)角館へ 抱返り渓谷を後にして、次に向かうのは角館。数年前に秋田へ来た時は、角館の武家屋敷近くの民宿に宿泊した。その時は、なんとなくぐるりと武家屋敷の回りを歩いて、川の流れをみて終わりにしてしまった。残りの時間は、宿の部屋で本を読んで過ごした。 若かりし時の旅は「時間はまだまだ、たっぷりとある」と考えているせいか、ぼんやりと過ごしたり、ここはまた次回でいいか、というような感じで、ざっくりと通り過ぎてしまいがちだった。ところが年齢を重ねて、時間には限りがあるし、すべて一期一会だ、ということに気がついてしまうと、あれもこれもできるだけ見てみたい寄ってみたいと考えるようになってきた。 多くの方は年齢を重ねることで、落ち着いた旅を楽しむようになるのだろうけれど自分の場合は逆のようである。行けるところは行ってみよう、とぐるぐる回るようになってしまった。以前なら「あと30分か。じゃあ、車の中で本でも読むか」と考えていたのだけど、今なら「移動の時間もいれると、観光できるのは実質15分。でもいいや。行ってみよう」という感じになったというわけだ。 昼食は 「御狩場まんま」 そんなことを考えつつ、20分ほどで順調に角館へ到着。ちょうど昼の時間だったので、ガイドブックに掲載されていた「いなほ」へ立ち寄る。 なんとなく腹が減っているようないないような感じだったので、控えめに「御狩場まんま」を注文してみた。これは鶏肉を山椒味噌で煮て、とろろご飯の上に載せた丼ものなのだけど、予想以上に美味しかった。あっという間にぺろりと食べてしまった。 上品な味付けで、旅先の少し疲れた身体にちょうどいい感じ。そしてお値段も700円。安い。うまい。おすすめである。ちなみに連れは「がっこ懐石」という豪華メニューを注文していた。見た目も綺麗だし味付けも上品だし、旅先の気分を盛り上げてくれるメニューだった。自分も味を見せてもらったのだけど、個人的に「がっこの天ぷら」がツボでした。うまい。ちなみに、この「食堂いなほ」は「料亭稲穂」の姉妹店なのだそう。ぜひ一度「稲穂」さんの方へも行ってみたいと思う上品な味付けでございました。 数百年前を想像しながら、武家屋敷を歩く さて、食事を済ませてからいよいよ武家屋敷の観光へと進む。駐車場に車を置いて(1回500円)もらった地図を

抱返り渓谷の遊歩道散策 秋田を巡る旅(2)

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秋田を巡る旅(2)抱返り渓谷へ 美郷町を後にして、次に向かったのは仙北市の「 抱返り渓谷 」。 子供のころに読んだ「釣りキチ三平」に登場した渓谷で、いつか行ってみたいと思っていた場所。 仙北市のパンフレットによると「以前は、人がすれ違う時にお互いを抱きかかえるように返さなければ通れなかったほど狭く険しい山道だったことから「抱返り」と呼ばれるようになったといわれています。」とある。 きっと素晴らしい眺めを楽しむ事ができるのだろう、と 釣りキチ三平 の「抱返し」の場面を思い出しつつ、駐車場に車をおいて散策開始。 雫が落ちる遊歩道を、歩いていく。 遊歩道は整備された歩きやすい道だった。下の方を流れて行く玉川の独特の色合いをした豊かで美しい水の流れを眺めながら、ゆっくりと歩いていく。山から湧き出てくる水が、岩と木々の隙間を伝い、しずくとなって地面に落ちてくる。 真夏でも触れると、きりりと冷たい水。遊歩道の横に柄杓がおいてあったので、それを借りて岩の間を流れ落ちてくる湧き水を一口含んでみる。さきほど飲んだ「ニテコ清水」とはどこか味が違うような印象をうける。 もちろんどちらが優れているというような問題ではなく、ほんの少しだけ風味が異なるような感じがしたということだ。自分のレベルでは、その違いを説明することはできないけれど、わかる人ならば「こちらの水は〇〇が多く含まれているから・・・」と判断することができるのかもしれない。機会があれば、ぜひみなさんも飲み比べてみていただきたい。おいしいですよ。 「これはサバイバルだよ!」 吊り橋を渡り、洞穴を通り抜け、歩く事約25分。途中「これはサバイバルだよ!」とはしゃぐ小学生とすれ違い、わくわく感が存分に高まったあたりで目的地である「回顧の滝」へと到着した。文字通り「勢い良く吹き出してくる」滝の美しさに、何度も振り返ってみとれてしまう。 これほどの水量が山のどこにストックされているのか。枯れることはないのか。この水量を流すとしたら、水道料金が大変なことになるだろうな。などと、どうでもいいことを少しだけ真面目に考えたりしながら、天然のミストを身体いっぱいに取り込もうと深呼吸する。いい気持ちだ。 ほんとうならば、じっくりと腰を据えて滝を眺め

秋田を巡る旅(その1)高速を降りて「ニテコ清水」へ

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秋田をめぐる旅(1)出発 今年(2014)の夏は秋田へ行った。 実は、ほんの数日前までは別の場所へ行こうと計画していて、実際にあれこれと下調べもしていたのだけれども、ちょっとした気持ちの変化があって秋田へ行くことになった。自分の場合「どうにも気になる。今回はこちらにしよう」と直前に変更した時は、わりと良い方向へ進むことが多いので、今回も直感に従う事にした。人生は選択の連続である。迷った時は直感に従うのが吉である(たぶん)。 秋田へ行くのは6~7年ぶりになる。前回は観光ではなく登山が目的だったので、観光地はざっくりとしか歩いていない。宿のおかみさんが話し好きな人で「今日はこれからどこへ? 何時頃帰ってくる? 誰と出かける? そして明日は?」と、大き目の声で話しかけてきたなあ、という印象程度しか残っていない。なので、今回は少し落ち着いてじっくりと観光してみたいと考えていた。 東北自動車道を北上 今回は田沢湖周辺でキャンプをする予定だったので「1)東北自動車道→盛岡IC→田沢湖方面」のルートと「2)東北自動車道→北上JCT→秋田自動車道→横手IC→田沢湖方面」の2つの選択肢があった。ナビによると走行距離も時間も大差がない。少し考えてから、今回は「2」のルートを選択することにした。初日に角館方面を観光して、田沢湖周辺に宿泊。翌日に田沢湖周辺を観光するというイメージだ。1泊2日の日程なので、前半に予定を詰め込んでおき後半で調整しようというわけだ。 このような予定を、出発前日のBigBoyでざっくりと決め、数時間仮眠して、さあ行くぞ。渋滞を避けるため、早朝5時に仙台を出発。夏とは思えないような涼しい気配の中、旅がはじまった。何度旅をしても、出発の時はわくわくする。期待と予感が詰まった瞬間。ある意味、この瞬間のために旅をするのかもしれない。 そんな「わくわく」を乗せた車は順調に北上していく。道はまだ空いている。この調子でどこまで行けるだろう。他の車が動き出す前に少しでも先に進んでおきたいものだ。・・・と、考えながら走り続けたわけなのだけど、思いのほかスイスイと移動ができたので、途中に休憩を挟みつつも3時間30分ほどで横手ICに到着した。秋田自動車道のSAで清掃をしていた方が「今日は車が少ないね」と話していたから、下り方面のピークは昨日までだったの