走ること、を始めてみる(その2) 「なにはなくてもシューズは必須」
なぜ自分がシューズ選びに慎重になっているかというと、これには数年前の体験がきっかけになっている。今からかれこれ10年以上も前のことなのだが、某登山メーカー店で登山靴を購入したことがあった。その時は自分も若かった(?)ので「こっちのデザインの方が格好いいですよね?」というように機能よりも見た目重視で選んでしまったのだ。店員さんも「こちらが新製品です!」のように、特に足の大きさを測るでもなく登山の内容を質問するでもなく、なんとなくサイズを確かめて終わりという状況だった。そう、つまりお互いに「若かった」のである。 その登山靴を履き意気揚々と、往復7時間の登山にでかけたところ、下りの半分を過ぎたあたりで親指に激痛が走った。ゆっくり歩くのも苦痛。一歩踏み出す度に、足の指先から脳天まで刺激が走り抜ける。神経はつながっていることを実感する。ぐう、うぉっ、とうめきながらなんとか下山して登山靴を脱いでみると、案の定親指の爪が真っ黒になっていた。靴のサイズが合わずに、親指が圧迫され内出血をしてしまったのだ。夜はズキズキ痛むし、爪はなかなか伸びないし、運動はもちろん普通に歩くのも足を気にするような日々が続く。確か、完全に爪が元通りになるまで半年以上はかかったような気がする。とにかく「2度と体験したくない」できごとだった。 なので今回のジョギングシューズ選びは「ちゃんと知識を持っている店員がいるショップを選ぶこと」を第一に考えることにした。安さも重要だが(重要である!)結果として多少高価なシューズを薦められたとしても、それが本当に自分の足と目的に合っているならば、むしろ安い買い物になるのである。知識や経験が少ない場合は、中途半端に調べた情報を振り回すのではなく、プロの意見に素直にしたがった方が近道なのである。と、思う。 と、いうわけでネットでの口コミなどを参考にして、某スポーツ店にでかけてみた。壁一面にずらりと並べられた色取り取りのシューズを、これだけあれば自分の足にぴったりのシューズがあるだろう、とわくわくしながら眺めて回る。全くの初心者のくせに、わかったような顔をしながらひととおり店内を見て回ったあと、近くにいた店員さんに声をかけて相談することにした。店員さんに、初心者であること、あまり高価なシューズではなく手頃な価格のものがいい、と告げると「では足のサイズを測っ