「食べてくれる人がいることが肝心」(檀一雄流 男の家庭料理五箇条より)

以前noteに書いた「 買ってよかったもの『男の料理編』Best3 」という記事が「編集部のおすすめ」に選ばれたので、いつもよりも注目していただくことができた。この記事には、自粛期間中に手に入れた調理道具を3種類ほど書いた。普段料理をしない、全くの「自炊素人」が書いた記事というのが、共感をいただけたのではないかと思う。 そして「 買ってよかったもの『男の料理編』Best3 」には書かなかったことを補足しておくと、私が「男の料理」をするようになったのは 「一緒に食べてくれる人」が、いる からである。もしもこれが自分一人だったならば、それこそ適当にご飯を炊いてチャーハンと味噌汁を作って、程度の食事を続けていたことは想像に難くない。 実際に、大学生のころには「朝:コーヒー 昼:定食屋で食事 夜:弁当」というような感じで生活をしていた。一応健康を考えて、牛乳と飲むヨーグルトを定期的に摂取してはいたが、その程度である。今よりも体重も15kgほど少なく、だいぶ痩せていたのでバイト先の社員から「大丈夫か? ちゃんと飯を食ってるか?」と心配され、飯をごちそうになったくらいである。 その時は「バンドマンは、痩せてないとダメなんですよ」と、わけのわからない理由を口にしていたが、風邪を引いても治りにくかったし、インフルエンザになった時は数日家から出られないほど衰弱したので、確実に栄養は偏っていたと思う。 檀一雄流 男の家庭料理五箇条 しかし、一緒に生活をしている人がいると「誰かのためにつくる」という発想が生まれるので、重い腰を上げて料理をすることができる。「今日は肉料理だから、野菜を多めにしよう」などと、考えたりもする。そして、母親は毎日このような感じで食事を作ってくれたのだな、と感謝の気持ちも芽生えたりする。 作家の檀一雄は 「檀一雄流 男の家庭料理五箇条」のひとつとして「食べてくれる人がいることが肝心」 としている。この気持ちはとてもよくわかる。普段料理をしない人間には、これが一番重要かもしれない。 幸いなことに、私の連れは何をつくっても「おいしいね!」と言いながら食べてくれる。実際にはたいしたことのない料理でも、そう反応を返してくれると「じゃあ、次は何を作ろうか」という気分になる。なので、もしパートナーに「料理をさせたい」のであれば、まずは 一緒に料理を作って「おいしくできたね!」...