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ジンギスカンを食べ、カッパ探し。遠野をめぐる旅 その3

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遠野をめぐる旅(3) ジンギスカンを食べよう 遠野の町に来て、まず目についたのは「カッパ」の文字。土産物にはもちろんのこと、 店名にも 「カッパ 〇〇 」のように、カッパの文字が使われているのをとてもよく目にする。まさに「遠野=カッパ伝説」の町といった感じである。そして、カッパの次によく目にしたのが「ジンギスカン」の看板。そう、 遠野市は全国でも上位に位置するほどのジンギスカン消費量の多い町 なのだそうだ。つまり、遠野市に来たならばジンギスカンなのだ。 そんなわけで、今回の昼に立ち寄ったのは「まるまんじんぎす館 羊丸」という店。昼時ということで満席状態。カウンターに置かれていた用紙に名前を書いてしばらく待つ。店内で話している方達の言葉を聞いていると地元の方が多いような印象を受ける。アクセントの違いや、聞いたことがない言葉を耳にすることができるのも旅の醍醐味のひとつだ。 そして仙台市から100km程度北上しただけでも、聞き慣れない言葉を耳にするということは「すごく興味深い」ことなのではないか、と改めて興味が湧いてくる。 学生時代、言語学の授業をもっと掘り下げて勉強しておけばよかった(自分は日本文学科卒)と思ったりもした。 そんなことを考えながら順番待ちで座っていた椅子の正面に、昨日催された「遠野まつり」のポスターが貼ってあった。祭りの衣装を身につけた女性たちが笑顔で写っている写真が使われているポスター。この祭りでは、 遠野の郷土芸能である「しし踊り」 などを見ることができるそうだ。残念ながら今回は日程の都合で見ることができなかったけれど、次回までもう少し民俗学の勉強をして、改めて「遠野まつり」に参加したいとポスターの前で決意を固めました(おおげさ) ポスターを眺めたり、駐車場に車が出入りしている様子を眺めながら20分ほど待った後、席に案内される。ランチセットを注文して、もくもくと食べる。食べる。食べる。肉はもちろん、野菜もうまい。そしてお値段も1000円前後とおとく。普段は、あまり肉料理を大量に食べることは少ないのだけど、今回は黙々と食べてしまった。 前に「ジンギスカンは癖があるので、ちょっと気になる」という知人がいたけれど、自分はわりと好きです。近所にこのような店があれば、時々通ってしまうかもしれない。ひさしぶりにパン

千葉家曲がり家から続き石へ 遠野物語をめぐる旅(2)

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遠野物語をめぐる旅 千葉家曲がり家へ 今回の遠野めぐりは、市内観光共通券(1.050円)を購入して、市内の施設を回ってみることにした。漠然と「遠野を回る」と言ってもイメージがつかめないので、共通券が使える施設を回りつつ、その周辺の観光地にも立ち寄ってみようというわけだ。 そんな訳でまず最初に向かったのが「 千葉家曲がり家 」。遠野市のwebによると「 曲り家の最盛期に建てられ保存状態も良く、上層農民の最高級の曲り家として典型的なものといわれます。「日本十大民家」の一つに数えられます。」とある。「日本十大民家」ときたならば古民家好きの自分にとって、まず最初に押さえておきたい場所だ。 駐車場に到着して見上げた丘の上に、悠然と構えた千葉家の姿が目に飛び込んでくる。すでにこの段階で「見に来てよかった」と思ってしまうほどの存在感があった。「上層農民の最高級の曲り家として典型的なもの(遠野市HPより)」とあるように「資産家」の雰囲気が漂っている。きっと昔の人達も、この場所から丘を見上げるようにして「千葉さんのお宅は立派だねー」と話していたに違いない(←イメージ)。そんなことを想像しながら入口で共通券を購入して、家につづくやや急な坂を上がっていく。 それにしても、古民家を見るとふしぎと心が落ち着いてくるのはなぜなのだろう? 実際に古民家に住んだこともないし、近所に古民家があったわけでもないのに「なつかしい」という気分になってくる。子供のころ「このような場所で遊んだことがあるような気分」にさえなってくる。 そんな不可思議なノスタルジック気分に浸りながら、見事な茅葺きの屋根を眺め写真を撮り展示物に目を凝らし土の感触を楽しんだあとは、早々に次の場所へと移動をしなければいけないのが観光客のつらいところ。次に向かうのは「続石」だ。 遠野物語に登場した、続石に対面する 続石は遠野物語の中にも登場する石 。「さて遠野の町と猿ヶ石川を隔つる向山という山より、綾織村の続石とて珍しき岩のある所の少し上の山に入り、両人別れ別れになり、鳥御前一人はまた少し山を登りしに、あたかも秋の空の日影、西の山の端より四五間ばかりなる時刻なり。ふと大なる岩の陰に赭き顔の男と女とが立ちて何か話をして居るに出逢いたり。(遠野物語)」の「続石とて珍しき岩」

種山高原でキャンプ 遠野をめぐる旅(1)

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遠野をめぐる旅へ 出発の日 現在自分は宮城県仙台市に住んでいる。そして今回の目的地である遠野市は、お隣の岩手県にある。そう「お隣の県」なのである。仙台から遠野までは高速道路を使って片道約2時間30分。高速を使わなくても3時間ちょっとで行ける距離。少し無理をすれば日帰りでも帰ってくることができる距離なのだけど、この「ちょっと頑張れば行ける距離」というのが逆に踏ん切りがつかないものである。高校生の時に遠野物語を読んでから「いつか絶対に行く」と決めてはや幾年。ようやく今回遠野へ出発することになった。 思い入れが深い場所ということで、計画を立てている段階から張り切ってしまい、遠野物語を読み返したり図書館で資料を借りてきて調べてみたりと、出発前から無駄に情熱を燃やしてしまっていた。さらに、初めて遠野物語を読んだ高校生の時のことを思い出したりして、I君は良いお父さんになっていそうだけど、N君はどうだろう。学生のころはちょっとナーバスですぐに落ち込むところがあったけれど、案外大きな会社でバリバリ働いているかもしれないな。と当時の友人達のことを思い出して懐かしい気分に浸ってしまったりもした。もしもこの文章を当時の友人達が見ていたのなら、ぜひ声をかけてみていただきたい。久しぶりに会おうぜ。 星座の森でキャンプ さて、今回の遠野をめぐる旅の日程は、9月の連休を利用した一泊二日。一日目は遠野の近くにある「種山高原」周辺を散策して、そこにある「 星座の森 」でキャンプ。二日目は朝一番で遠野に向かうという内容だ。 なぜ「種山高原」でキャンプをするかというと「種山ヶ原は宮澤賢治作品のモチーフになった場所だからだよ」というのは表向きの理由で、ほんとうのところは、旅の日程を決めたのが10日ほど前だったのでめぼしい宿がほとんど埋まっていて、やけくそ(?)で遠野周辺のキャンプ場を探し偶然に見つけたのが、ここだったというのが真実である。 見つけてから改めて調べてみると、遠野までは車で40分程度のところだから地理的にもちょうどよい。そしてなによりもフリーサイトは「一人200円」という格安設定が魅力的だった。いや、実はこれが最大の決めてといえば決めてだったということは内緒である。なにせガソリン代と高速代だけで1万円札がひらひらっと吹っ飛んでいくので、燃費の悪いオンボ

9月中旬午前4時の冷たい空気。

ようやく予定の制作がおわり、時刻は午前4時過ぎ。椅子から立ち上がり、おもむろに窓を開けてみると、おどろくほど冷たい空気が部屋の中に流れ込んできた。それはもう9月の半ばなのだから当然の冷たさなのだけれど、今年はもう少し夏のままでもよかったんだけど、とひとりでぼんやり考えていた。 (つづき)そしてもう15年くらい前に、母が「(子供達は)私達が過ごしたような時間を体験できるのだろうか」と、テレビを見ながらふと口にしたことを思い出した。何の番組を見ていたのかは忘れてしまった。そのあとに何を話したかも覚えてはいない。たぶん本人もすっかり忘れてしまっているだろう。 (つづき)そんなことを思い出しながら、昼に買った「じゃがりこ」を食べようかと手に取って、さすがにこの時間にそれはないだろう、と机の上にもどして手持ちぶさたになったので連続ツイートしてみた。気が済んだのでもう寝ようと思う。本日の仙台市の天気予報は晴れ。秋日和の一日になりそうだね。

からからせんべい。

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庄内地方の駄菓子、からからせんべい。 せんべいを食べると…。 中から、おもちゃが出てきます。 自分のは「コマ」でした。 子供のころは、お菓子といえば「おまけ付き」で、お菓子そのものよりも「おまけ」の内容で選んでいたような記憶があるけれど、どちらが本来の目的なのかわからないようなところがあったけれど、やはり「おまけ」というのはうれしい。開けるまでのわくわく感と、開けたあとの「期待とはちょっとだけ違ったけれど、・・・まあこれはこれでいいか」というようなちょっとせつない微妙な感覚(笑) からからせんべい、を食べていて、そんな子供のころの記憶がふと蘇りました。 いいね。

山形古竜湖キャンプ場 夏のテント泊(2)

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無事にテントを設置したならば、今晩の買い出しへ出発だ。古竜湖キャンプ場から、近くのスーパーまでは、車で20分も走れば到着する。そこそこ細い山道を走るのだけど、舗装されているので快適に走行することができた。 あれこれと、適当に食材を買い込み、テント場へ戻ったのが午後6時過ぎ。手元をライトで照らしながら、食事の準備を進めていく。今回は、小型のLEDのライト(登山用)を2つ持っていったのだが、これが優秀で、簡単な調理ならば十分にこなすことができた。ランタンの独特の雰囲気や音も好きだけど、手軽さを考えたらLEDライトは快適ですね。電池も長持ちするし。 ちなみに今回活躍したのが、カインズホームで偶然に見つけた「 インスタントコンロ」。使い捨ての豆炭形式のコンロなのだけど、思っていたよりも火力もあったし、普通に肉も野菜も焼くことができた(写真の右側のやつです)。後始末も簡単だし、これは自分の定番になるかもしれません。 左側のロウソクも同じくカインズでみつけた「虫除けキャンドル」。今回は、これと「蚊取り線香」と「虫除けスプレー」を使用して蚊対策をしたのですが、そのおかげで15ヶ所ほど(!)食われただけで済みました・・・。いやはや、アウトドアは虫との戦いでございます。 食事を終えたあとは、静かな夜のはじまり。今回、このキャンプ場を選んだ理由のひとつが 「天の川&流れ星」が見たい、ということ。整備されたキャンプ場だと常夜灯が灯っているし、他のキャンパー達の明るさで星が見えにくいだろう、と考えてここを選んだというわけです。 散歩がてら、近くの展望台(のようなところ)まで歩いていくと、そこには満天の星・・・ではなく、見事な山形市の夜景が広がっていた。そう、夜景と月明かりがセットになって、星は(もちろん、市内で見るよりはたくさん見えるけれど)期待以上には見る事ができなかった。やはり、山奥のキャンプ場へ行かないとイメージ通りの星空は見えないのかもしれません。 とはいうものの、目の前に広がる夜景の鮮やかさと、月明かりの美しさには「はるばるやってきた」だけの価値が十分にあった。芝生の上に寝転がって、夜空を見る。iphoneアプリの「星座表」を使って、見える星を星座にあてはめたりしていると、静かな時間があっという間に過ぎていく。 しばらく夜景と星空を堪能してから

古竜湖キャンプ場へ 夏のテント泊(1)

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古竜湖キャンプ場で、夏のキャンプ 今年の夏はキャンプへ行こう。そう決めてから、実家の物置にあるはずのキャンプグッズを確認してみたところ、これがきれいさっぱり「なくなって」いた。父親に聞いてみると「捨てた」とのこと。彼はとにかく「自分が不要だと考えるもの = 他人もいらないもの =捨てる」という考えの人間なので、物置に置く場合は「捨てられる」ことを覚悟しなければいけない。子供の頃から大切にしていたものも、だいぶ捨てられてしまったが、今でも「あれは保管しておきたかった」と思うものもいくつかあるのだが本人は悪気があるわけではないし、親子といえども価値観は異なるので嘆いても仕方がない。とにもかくにも、新しいグッズを購入することにする。今年のキャンプは、まずはそこからだ。 とはいうものの、あまり多くの道具は持ち歩きたくないので、基本的には登山用の調理器具やライトを使用することにして、テントだけ新規で購入することにした。 今回選んだのは、 ケシュアのテント 。これは、以前山の友人に「簡単に設置できて、なにより安い」とおすすめされた製品。色々な考え方があると思うけれど、山岳用のテントではなく、平地用のテントならば「手軽さとコスト重視」でいきたいと思っていたので、迷わずケシュアにすることにした。 ネットで検索してみたところ、確かに安い。1万円以下でも十分に選択肢がある。その中でも目に止まったのが、 Quechua(ケシュア) T2 2人用 BLUE だ。なんと、2人用で4980円。つまり1泊あたり、2490円/人という安さ。これなら2〜3回使用して壊れたとしても(壊れないと思うけど)十分に安いし、なにより値段以上の価値がある。即座に注文。近所のアウトドアショップで小物を買い込んだら、さあ出発だ。 今回行ったのは、山形県の「 古竜湖キャンプ場 」(なぜ、ここを選んだのかは後述)。いわゆるフリーサイト形式の無料キャンプ場なので「それなりの野営場」だと思っていたのだけど、近場に水場もあるし、簡易トイレもあるので、自分にはちょうどいい環境だと思った。山形市で管理しているようなので、気になった方はホームページなどで確認されると良いかと思います。 キャンプ場の名前になっている「古竜湖」は、一周15〜20分ほどの小さな湖だった。湖というよりは野池、というイメージかもしれない。