伝承園から遠野市立博物館へ 遠野をめぐる旅(完結)
遠野の旅も、のこり2時間 遠野ふるさと村を出た時点で、時刻は午後3時を少し回ったところだった。閉館までの残りは「あと2時間」。長くはないが短いわけでもない。さて、どうしようか。できれば最後に 遠野市立博物館 へは立ち寄りたい。しかし移動の時間などを考えるとギリギリか・・・などと考えている時間さえもったいないので次の施設へ移動することにする。手間や面倒を惜しまずに「とりあえず行ってみる」ことが、旅先では大切なことのひとつなのだ。たぶん。 伝承園でオシラサマと対面 そんなわけで、次に向かったのは「 伝承園 」。 入口で入場券を求めた際に、受付の人が後ろを指差し「よろしければ、ご利用ください」とひとこと。おおっ。さきほど、かっぱ淵で見かけた 観光客がかぶっていた不思議な麦わら帽子 (頭の上にカッパのお皿がついている。写真を撮るのを忘れました)はここにあったのか。 このカッパコスプレ帽子(正式名称は「河童の皿」らしい)をかぶれば、強い日射しの下でも遠野の町をカッパ気分で歩けるというわけだ。少し迷ったが、結局カッパに変身することは止め、人間のままで観光を続けることにする。 ここ伝承園での見所のひとつは「 御蚕神堂 」である。このお堂には 「オシラサマ」が千体展示 されているという。案内板を見ながら、曲がり屋の薄暗く細い建物の廊下を歩き、右に折れ、おそるおそる覗き込んだ部屋の壁一面に、たくさんの人達が願いをかけた「オシラサマ」の姿があった。 ここにこうやって立っていると、人の祈りが集結すると独特の気配が生まれてくるのだ、ということを実感する。誰もいないのに、誰かがいるような感じがする。軽口を叩くことは許されないような、神妙な祈りの念が色濃く詰まっている空間。その力に上から押さえつけられているような感覚がして、部屋の中が実際よりも狭いようにも感じられる。もしも入口付近に「座敷わらし」が立っていたとしても「ああ、座敷わらしか・・・」と普通に受け入れてしまうような雰囲気の場所でした。そんな余韻を残しながら施設の外へ出る。ここで残り時間は1時間を切ったところ。まだ間に合うぞ。さあ締めくくりの遠野市立博物館へ向かおう。ゆっくり急げ。 締めくくりは、 遠野市立博物館 遠野市立博物館 へは閉館の30分前に到着した。受付で入場券を求めると「閉館まで30分ほ