初秋になると、考えること。
関東の方は、まだまだ暑いだろうし、半袖でも十分に過ごせることでしょう。でも、自分の地元仙台は、朝晩は長袖でないと、少し肌寒く感じる季節になってきた。すっかりと、初秋を思わせる空気になった。
自分は、この季節(夏から秋へと移り変わる時期)が、一年の中で、一番好きだ。部屋の窓から、そよそよと風が流れ込んできて、静かで落ち着いた空気の中で本を読んでいたりすると、何か新しいアイデアやヒントが浮かんでくるような気がする。気がするだけで、実際には何も浮かんでこないですけどね。
そして、この時期になると、なぜかいつも、予備校に通っていた時のことを思い出す。未来に対して、ばくぜんとしているけど、力強い希望があって、不安があって、仲間がいて。自習室にいくと、必ず3〜4人は友人がいて(もしくは、友人の荷物があって)遊び相手には、事欠かなかった。自分の周りの人達は、なぜかみんな親切で、思いやりがあって、にこにこと笑う人達ばかりだった。
その中に、A君(仮名)という、ものすごく努力家で、しゃれが効いている人がいて、いつ自習室に行っても、ウォークマンを聞きながら、同じ姿勢で勉強を続けている人がいた。彼が、怒っている姿を見たこともなかったし、悪口を言っているのを聞いた事も、なかった。今、考えてみると、A君のような控えめで、自己主張は少ないけれど、確実にそこに座っていてくれる人がいたからこそ、あのような仲間が保てたのかもしれないなと、この年齢になって感じることがある。
と、いうようなことが、一気に思い出されるのが、この「夏から秋へ」の時期だ。みんな、年齢をかさねて、どのような生き方をしているのか? 今となっては、全くその様子はわからないけれど、元気で自分らしく、がんばっているのだろうと思う。すくなくとも、一番「いいかげん」な人生を送っているのが、自分だろう。それを考えると、別の意味で、ちょっとせつなくなったりする(笑)
※写真は、智恵子抄でも有名な「阿武隈川」の写真。秋の、傾きかけた太陽の光が、とても心地よい午後でした。