私とハトの七日間決戦 アイテムは100均のみ!

ハトがベランダにやってきた。

それは5月のゴールデンウィークが終わり、10日ほど過ぎた時のことだった。「ハトがベランダに居る!」連れがスマホで撮影した写真を送ってきた。その時は「ふうん、このあたりにもハトがいるんだ。今まであまり見かけなかったけどな」程度にしか思っていなかった。たまたま移動の途中に、少しベランダで休憩していると考えていたのだった。

それから数日後。私もベランダに鳩がとまっているのを発見した。しかも相手(ハト)は身動きもせずに、部屋の中をじっと覗き込んでいる。あきらかにこちらを「観察」している。私は野生の動物が放つ鋭い視線に、一瞬戸惑ってしまった。まるで鳩がこの家の持ち主で、私が侵入者のようにさえ思えてきた。野生の凄みに恐怖を感じてしまう。

気を取り直して、窓の近くに立つ。鳩は逃げない。少し身体を揺らした程度だ。まさか、飛びかかってこないよな、とおそるおそる慎重に窓を開けると、鳩は向かいの電柱へ飛び移った。そして、またこちらをじっ、と見ている。互いの空間でバチバチと火花が飛び散っているような気さえする。しかし飛びかかってくる様子もないし、まして相手は空中にいるのだからこちらからはどうすることもできない。とりあえずその日は、ベランダの掃除をして様子を見ることにした。


パートナーを連れて、鳩が再訪する

翌日は土曜日だった。私は部屋の中で作業をしていた。ベランダのあたりでごそごそと音がした。鳩の鳴き声も聞こえる。もしや、と思いベランダを覗きこんでみると、いた! 鳩だ! しかもパートナーの鳩と一緒だ!

私は窓に近づいて開けようとした。窓に手をかけた段階で、鳩は近くの電信柱の上に飛んで行き、そこからこちらの様子を伺っている。なんとなく不安を感じたが、とりあえずしばらくはこないだろうと考え、窓を閉めて机に戻って作業を再開した。一時間ほど時間が過ぎてからキッチンへ行きコーヒーを淹れたり、周囲を掃除したりしていた。席をはずしていたのは3〜40分程度だと思う。ベランダの方からガサゴソという音が聞こえてきた。

まさか? と思ってベランダに行ってみると、先程の鳩がベランダに戻ってるではないか! 私は窓を開けた。鳩はまた二羽でそそくさと電信柱に戻っていった。「これは、ちょっと休憩にきたという感じではないな」と、危機感を覚えた私はネットで情報を検索してみることにした。

鳩の習性を調べて、対応開始。

いくつかホームページを見て得られた情報はこんな感じだ。

1)鳩は自分たちの巣作りの場所を決める前に調査を行う。

2)調査を行い「ここだ」と決めると、二羽でやってきて巣作りを開始する。

3)鳩の帰巣本能と場所へのこだわりはかなり強い。一度巣を作ってしまうと、その場所に執着する。そこで卵を産み子供を育てる。こうなってしまうと追い払うのは困難

今の状況から観察すると、調査を終え、巣作りを開始する段階に思えた。しかも一度巣を作ってしまうと「鳥獣保護管理法」によってむやみに駆除等ができなくなるという記載もある。少しでも早く「ここは巣作りに適している場所ではない」と思わせ諦めさせるしかない。おそらくここ数日が勝負どころになるだろう。


百均アイテムで勝負を挑む

とはいえ、大掛かりな対策はできないし、乱暴に追い払うわけにもいかない。まずはネットでも紹介されていた「100均アイテム(今回はダイソー)」で鳩対策をしてみることにした。

今回用意したのは、こちら。



鳩を寄せ付けない臭いを出す固形物。「酷い臭いだったら設置に困るな」と思っていたのだが、人間にはさほど「嫌な臭い」ではなかった。雨にも強いらしい。

ベランダの柵の下の隙間から出入りしているのが見えたので、そこにはこちらを設置してみた。棘で侵入できないようにするアイテム。

個人的におもしろかったのが、こちら。ぶら下げておいて追い払うらしい。「おっ、先客がいるな」と思わせるわけだ。田んぼの案山子のようなものかな。

ネットを見ていて「磁石を置くと、鳩の方向感覚を乱す効果云々」という情報が目にとまったので、磁石も用意してみた。とりあえず「よさそうというものは試してみよう」というわけである。手すりが鉄だったので、等間隔に並べて設置した。


この他に「鳥よけネット」があったので、それも購入した(写真は撮り忘れた)。今回はこの「5つの百均アイテム」で勝負を挑むことにした。それにしても、これだけの「鳩対策アイテム」が販売されているということは需要があるということだろう。それほど鳩に悩まされている人が多いということか。とにもかくにも、百均アイテムで対策を開始する。さあ、結果は・・・。

対策開始から数日経過

結論から書くと、アイテムを設置した日から鳩がベランダにやってきた気配はない。この記事を書いている段階で、2週間ほど経過したが戻ってくる様子はないので「対策成功」と考えてもよいかと思う。すべて同時に設置したので「どれが効果的」だったのかわからないのだが、とりあえず「複数設置したことによる相乗効果」で効果を発揮したのだと考えることにする(アイテムは、そのまま設置しておく予定)

そして、ベランダに洗濯物を干そうと思う度に「鳥よけイーグル」には「おっ!」と一瞬驚いてしまう。なかなか慣れない。このアイテムは鳥よりも人間に効果があるのかもしれない。


後日談(1)

設置から約一ヶ月後、朝に「ポーポー」と例の鳴き声が聞こえてきたので、外を見てみるとベランダの向かい側の電信柱の上に、鳩がこちらを向いてとまっているのを発見。そして、私が窓を開けると同時に飛び去っていった。同じ鳩かどうかはわからないが、こちらの様子を観察されていたのかもしれない。やはり、一度狙われるとしばらくは注意が必要みたいです・・・。

後日談(2)

設置から三ヶ月が経過。今のところ鳩が再来した気配はない。鳩が巣を作る時期のピークは「春から初夏」らしいので、とりあえず今年はピークを乗り越えたと考えていいだろう。投資金額は総額で500円(税別)ひとまず今年の戦いは、こちらの勝利を宣言して終わりとしたい。

後日談(3)

この記事を書いてから、4年の時間が過ぎた。そして、この4年間は「鳩がやってくることはなかった」。そう、この言葉でお気づきだと思うのだが、今年になって鳩がベランダにやってきたのだった。バサバサと羽音が聞こえたのでベランダを見てみると、物干し竿のところに鳩がとまっていたのである。しかも部屋の中を覗き込んでいるようだ。

急いで窓際に行くと、私の姿に気づいた鳩は向かいの電信柱へ移動した。そしてしばらくの間、そこから動かなかった。そういえば、最近鳩の羽がベランダに落ちていた。朝方に、鳩の鳴き声近くに聞こえていたように思う。急いでベランダを掃除して、ダイソーの鳩除けグッズを再設置した。その後、時折マンションの前を横切る鳩を目にしたが、今のところうちのベランダにやってきた様子はない。果たして、今回やってきた鳩が「あの時の鳩」なのかはわからない。しかし、ここが狙われやすい場所なのは間違いないようだ。どうやら、一度狙われると数年間は気を付ける必要がありそうですね。

後日談(4)

最初の記事を書いてから、6年の時間が過ぎた。その後、鳩の被害もなく油断していると、4月の下旬頃から、鳩の羽音と泣き声が聞こえるようになった。調べてみると、なんと同じマンションの上の階のベランダに鳩が出入りしているのを見つけた。

鳩の寿命は10〜15年というから、私たちのところに来ていた鳩の可能性も否定はできない。どちらにせよ、この周辺は鳩に好まれる「何か」があるようなので、一度狙われた場合は数年間は注意が必要のようです。とりあえず今年から、対策を継続することにしました。




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