マリンピア松島水族館へ行く。2012

マリンピア松島水族館へ行ってきた。
3月11日の震災後、松島へは何度か足を運んでいたのだけど、マリンピア松島水族館には行く機会がなかった。ニュースなどで、水族館に関する情報を時折目にする度に気になっていたのだが、今回連れが「水族館へ行こう」と誘ってくれたので、いいチャンスだと思い行ってみることにした。


当日は寒波がやってきていて、道を歩いていると、思わず背中が丸くなってしまうような気候だった。今晩は雪が降りそうだな、などと思いながら園内にはいる。メインゲートをくぐって、まず最初に目に飛び込んでくるのがペンギンランドだ。たくさんのペンギン達が、そわそわしながら(実際にそわそわしているわけではないのだが)こちらを見たり、あちらを見たりしている。寒さに丸まっていた背中も、元気なペンギンを見ていると真っ直ぐに伸びてくるようだ。

しばらくペンギン達に癒されたあとは「バックヤードツアー」に参加だ。これは、水族館のバックヤード(裏側)を係員の方が案内してくれるというイベントだ。普段は表側からしか見えない水槽を裏から見ることができるという、めったにないチャンスなので、とても楽しみにしていた。
ツアーの時間は30分ほど。係員の方に連れられて、横の小さい扉(つまりスタッフ専用のドア)から中に入れてもらい、説明を受けながらぐるりとめぐっていく。マリンピア松島水族館の開館は昭和2年で、日本で2番目に長い歴史をもつ水族館なのだそうだ。確かに、この建物自体も歴史を感じる造りになっていて、あちらこちらの設備に「昭和」を感じるのだけど、それがまたノスタルジックな良い雰囲気になっていて個人的にわくわくしてしまった。事務所の本棚に並べられている書籍の背表紙なども、いい感じに日焼けしていて、ここで仕事をしてきた人達の歴史を感じた。


建設当時は最先端のピカピカだった建物も時間を経て、そして今回の震災を越えて、こうやって変化していくのだなあ、と思うとどこか胸のあたりが、しんみりとしてくる。普段は触れることのない、懐かしい記憶の一部に手を触れたような感覚になった。ちなみに自分は、このバックヤードの雰囲気と同じ場所に、子供の頃に立ち入ったような記憶がある。でも、それがいつの記憶なのかは思い出せなかった。それでも、そんな風にしてノスタルジックな気分に浸ることができたことは、とても楽しい体験だった。
しかし、そもそもバックヤードツアーの目的は、このようなノスタルジックな気分になることが目的ではないと思うのだが、そんなところに注目してもらうことが狙いではないと思うのだが、それはともかく、自分にとって貴重な時間を過ごすことができたツアーだった。ありがたい。しみじみ。

バックヤードツアーの次は、アシカショーを見る。3頭(頭でいいのかな?)のアシカ達が、スタッフの方の指示にしたがってコミカルでダイナミックな演技を披露してくれる。前にも何度かこのショーを見たことがあるのだが、見る度に「どれだけ練習すれば、あのように演技ができるのだろう」と、口をポカンと開けるようにしながら眺めてしまう。当日は、観客席の後ろに立ち見が出るほどにぎわっていて、あちらこちらで、わー、とか、すごーいと、大人もちびっ子も歓声をあげたり手を叩いたりしていた。マリンピア松島水族館にやってきたならば、アシカショーは外せないと思うので、ぜひ観光の際にはタイムスケジュールをチェックしてご覧になってみてはいかがでしょうか。知人に「このようなショーの時には、水槽の周りが空くのでじっくりと見られるからいい」と、ショーを見ないで水槽の方へ行く人がいたのだが、個人の価値観なのでそれはそれでいいのだが、やはりこのような時には、ショーを見ておいた方が良いのではないかと思う。
ちなみに、アシカショーの写真が一枚もないのは、撮影禁止というわけではなく、ショーに見入ってしまって写真を撮るのを忘れたということである。つまり、わりと「本気」で見てしまったということの証明になるかと思います。だから何? と言われてしまうと、それまでですけどね(笑)

アシカショーの次は、いよいよメインの水槽巡りだ。
実は(と、いうほどのことでもないのだけど)自分は、このくらいの明るさの雰囲気が、わりと好みである。暗すぎず、明るすぎず。そして、ほんのりと青みがかかった照明。たぶん、男はみんな、わりと好きだと思う。男性の方は自分の心に。女性の方は横にいる男性に聞いてみていただきたい。

それにしても、世界には色々な魚がいるものだ。「魚」と言葉にすると一語だが、種類にすると膨大な「魚」が存在するわけだ。これとあれとそれを、ひとまとめにして「魚」と呼んでもいいのだろうか、と思うほどに異なった魚がいるわけで、どこをどのようにすれば、こんな不思議なデザインになるのだろう、と思うような魚が多種泳いでいるわけで、不思議だなあ、と思いながらガラスに顔を押し付けるようにして、じっくりと見てしまう。ちなみに自分はピラルクが好みだ。あの体型と古代を思わせる顔つきが絶妙だと思う。家にでかい水槽を作って、ピラルクが悠々と泳いでいる姿を眺めることができたなら、かなり壮観だろうと想像してみる。想像するだけですけどね。


水槽の出口付近に「ドクターフィッシュ」の水槽があった。手をいれると、魚達がビビビビ、と手をつついてくれる。皮膚の古い角質を食べているのだそうだが、こちらとしては「魚に遊んでもらっている」気分になれてうれしい。「やあやあ。最近、何かいいことでもあったんじゃないの? 」と手をツンツンされているような気になったりする。フィッシュマニアには、たまらないコーナーである。実は、今回のマリンピア松島水族館巡りの中では、ドクターフィッシュと戯れたことが、ベスト3に入る「楽しかったこと」だったことを、ここに告白しておきたい。



さて、次に参加するのは「ペンギン餌付け体験」だ。写真のような餌が、希望者に配られて、それを直接ペンギンに食べさせてあげられるという、ペンギン好きにはたまらないイベントである。水槽の近く行って餌を見せると、興奮(?)したようなものすごい勢いでペンギン達がやってくる。そして水しぶきをあげて、餌を口にしていく。さきほどまで「何かおもしろいことはないかな」という感じで、ふらふらしていたペンギン達が、野生をむき出しにするようにして、一瞬で餌をついばむ様子は、かわいらしくも見応えがあった。「うおう!」と声にならないような声を出して驚いている父親の姿を見つめる娘の姿も、なかなか微笑ましかった。




そして続くイベントは「オウサマペンギンの散歩」だ。
写真のように、ペンギンがひとりで、館内をひょこひょこと歩いて散歩するというイベントで、ついさきほどまでガラスに区切られたスペースで眺めていたペンギンが目の前を歩いていく姿は、なんだか現実のものを見ているような気がしない錯覚を感じたりする。生き物ではなく、置物が動いているような気分になるのだが、もちろんプラスティックでも陶器でもなく、目の前を歩いていくのは本物のペンギンだ。


この写真など、ぱっ、と見ると「よくできた剥製」にも見えるが、もちろん本物だ。このくらい近くまで寄ってきて、写真を撮らせてくれる。近くで見ると「見ているのではなく、逆にペンギンに観察されている」ような気分になる。実際にそうなのかもしれない。周りの人間達は、わー、といいながら写真を撮っているけれど、本人(?)は「ふん。まあ、仕事だからな」とクールに考えているのかもしれない。



そして最後に、もういちどペンギンランドにもどり、2011年の4月に産まれた、ペンギンの「はるちゃん」の姿を探してみた。来館した時には見つけられなかったのだが、最後の最後で「はるちゃん」を見つけることができた。すくすくと大きくなっているようだ。餌も食べているようだ。よかった。

さて、書き忘れたのだが、ここまで紹介してきたイベントの数々は、すべて無料(入園料のみ)で参加できた。入館料は大人・高校生1400円、小・中学生700円、幼児350円(平成24年12月現在)なのだけど、これだけのイベントに参加できるし、かなり充実した時間を過ごすことができるのでオススメだ。マリンピア松島水族館も、震災の際の津波による被害で、かなりのダメージを受けたという。この歴史ある場所を、これからも続けて盛り上げてほしいし、地元の自分たちも何らかの形で応援していけたのなら、とあらためて思いました。


参考
マリンピア松島水族館のホームページ >>>

人気のある記事

ダイソーで「グロー球(FG-1E)」を購入する。

【ダイソー】腕時計(500円)の電池を交換する【ミリウォッチ】

「ほんとうのさいわいは一体何だろう。」銀河鉄道の夜(宮沢賢治)より

私とハトの七日間決戦 アイテムは100均のみ!