効果的な読書の方法とは? (その3)読んだ内容を効率よく覚えるコツ

佐藤式読書術(読む前に目次を読みこもう)

・前回の続き

さて、気がつくと「その3」まで続いてしまいましたが、さすがに今回でまとめていきたいと思います。思っているだけで、実際はどうなるかわかりませんが、今の段階ですでに「その4」への気配を感じておりますが、まずは3でまとめる方向で書き始めてみたいと思います。それから、ここの記事から目にされた方は「とりあえず、その1から読んだ方がいいかもしれませんよ」と、一応お伝えしておきます。

さて(←2回目)何か本を読もうとする時は「読みたいと思った時に、できるだけ早く最後まで読み通す。読む前に目次に目を通して全体像を把握すると効果的」という流れをお話ししました。ここで注意していただきたい点は、自分はいわゆる速読を進めているわけではないということです。

つまり「早く読むことが目的」ではなく「途中で読むのを止めるくらいなら、多少読み飛ばしてでも最後まで読んだ方がいい」ということです。あくまでも「速読ではなく、速読に似た形式になってしまった」ということです。そんな微妙な違いを強調しなくても、と思われるかもしれませんが、微妙な違いでも積み重ねると、大きな違いになりますので、あらためてここで確認させていただきました。「同じように見える表現でもコンセプトが異なれば、それは異なった表現である」ということですね。そこから生まれ、発生していくものは別の方向へ進む(可能性がある)と、いうことです。

さて(←3回目)本題に戻しますが、有名なエビングハウスの忘却曲線などを見ますと、すでに記憶した1時間後くらいから急速に記憶の質が低下していくというデータがありまして、学生の頃に初めてこのデータを知った時は「こんな急速に? それはおおげさなのではないか?」と感じましたけれども、実際に進学塾で講師をしてきた自分の経験と照らし合わせてみますと、ここまで極端ではないにしても記憶の質と量は急速に損なわれていくものだと感じています。

むしろ「損なわれたことに、気がついていない」だけで、多くの人がこのデータのように、吸収した(つもり)の情報を、わずか数時間で大量に失っているのだと思います。気がついていないだけなんですね。

そのように考えますと「勉強する意欲が失せる」といいますか「読んだそばから忘れるのなら、せっかく本を読んだって、ねえ」という気分にもなりますが、このデータには救いがあります。それは定期的に「復習」することで、急速に定着率が高くなり、さらにその記憶が持続しやすくなる、ということなのです。

「復習しなさい。基本を何度も復習しなさい。繰り返し、何度も!」

と、学校の先生に言われたことは正しかったわけです。自分も生徒に言いました。「ここ、家に帰ったらすぐに復習しとけよ」と言いました。「寝る前に一度確認して、朝起きたら布団の中で、すぐに確認するように」とも言いました。そしてまた次の授業の冒頭で「しつこいようだが、もう一度繰り返すぞ」と、前回の重要ポイントを確認テストなどをして復習させました。

若い時ほど先に進みたくなりますのでね「常に新しいものに触れたい」と思ってしまいますのでね、そこで「まあ、ちょっと待ちなさい」と足を引っ張る・・・、足を引っ張るというと表現が良くないですね、ちょっと肩を叩いてあげるといいますか、椅子に座らせてじっくりと復習させることが大切なわけです。

話が脱線しましたが、社会人向けの読書方法の話に戻しますが、とにもかくにも、あれこれやるよりも、時間を開けずに同じものを何度も復習が重要ということです。で、私の場合は読み終わった後、すぐに「目次を読み返して、全体像の確認。その際に気になった部分だけを読み返して補完」しています。

これは読み終わってすぐ、が効果的です。さらに「これは覚えておきたい」という重要度の高い本は、別のスペースに置いておきまして、1日後くらいに「ぱらぱら」とめくったり、専用のノートに手書きでポイントを書き出したりしていました。「書く」という作業を追加するわけです。最近ではiphoneでevernoteなどのクラウドサービスに、箇条書きしたデータを送信して、家に帰った時にそれを読み返したりしています。本を全部流し読みする時間はなくても、自分が書いたメモならば、ほんの数分で読めますから寝る直前の習慣にしてしまうのも、いいと思います。

自分の場合はベットに入る直前に、その日の記録やメモを確認するのですが、習慣にしてしまえば楽なので、むしろやらないとモヤモヤするようになってきますので、三週間ほどがんばってみてください。

しつこいようですが、この「手書きする」という作業は本当に有効です。
記憶が定着しやすい、という効果もそうですが、後でメモを読み返すことで「なぜ自分は、この部分を書き出したのだろう?」とか「これは、このようなことではないのだろうか?」と自分なりに思考が深まっていく時があります。

様々な角度から検証が始まることがあります。自分の「手書きの文」だからこそ、その思考も深まりやすくなります。その段階まで行きますと、今度は今までに自分が読んだ本との関連付けが始まったり「あの本に書いてあったアレは、そういうことか」という発見も出てきます。

発見、と書くと大げさに聞こえるかもしれませんが「今までわからなかったことがわかる」というのは、その人にとって、すばらしいできごとですから、ある意味「世界の見方が変わるような変化」も起きるわけですから、まさに読書の醍醐味を噛み締めることができる瞬間だと思います。本を読んできてよかった、という気分に浸れる時間です。

さて(←4回目)どうやら本日のお時間になりました。4回目確定です。やはり最初の「3回では終わらなそう」という直感はわりに正確だったようです。なので、よろしければ続きも読んでみてください。では、また次回。

・効果的な読書の方法 その1へ
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