旅情をそそられてしまう、ということ。

深夜にコツコツとひとりで作業をしていた。あとひと息なのだけど、なかなか先に進まなくて同じところをぐるぐると逡巡していたら、ふと「どこかもっと遠くへ行こう」という台詞が喉の奥から捻り出てきた。そうか、これが旅情をそそられるってやつなのかな、と思った。

集中が途切れたので、おもむろに、本でも読んで軌道修正をしようと考えた。床の上に積んである本に手を伸ばしたところ、志賀直哉の文庫本が手に触れた。「城の崎にて」を読むことにした。名作である。一気に読んだ。そして水を飲んだ。うまい。

読み終わったあと「なんかこう、よくはわからないけれど、正直に生きていこう」と思った。なぜそう思ったのかはわからないけれど、そう思った。普段そんなことを考えることはないので、記録としてここに書いてみた。書いてみたら気が済んだので、また作業に戻ることにする。おわり

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