カビにまみれた、革ジャンを洗濯する。

クローゼットから、カビまみれの革ジャンを発見

先日、クローゼットの奥の方で「ゴトン」という音が聞こえてきた。そのような音が出るようなものは存在しないはずなので、気になって扉を開けてみると、そこにはハンガーから落下した革ジャンの姿があった。学生のころ(つまり、今から二十年以上も前)にバイクに乗る時に購入したライダースジャケットである。

おお、なつかしいなあ、と取り出して広げてみると・・・それはすっかりと変わり果てた姿になってしまっていた。ジャケットの表面に広がるカビカビカビカビ。なんだこれは、最初からこのような模様だったのではないか、と思うほど一面にカビが広がっていたのだった。確かに、とくにメンテナンスもしていなかったし、ずっと着用する機会もなかったから、このような状況になるのも仕方がない。が、しかし、それにしても酷いありさまだった。記録用に写真を撮っておこうかと思ったものの、あまりの酷さに止めてしまったほどだ。

カビを落とすには、どうすればいいのか?

そっと、床の上におき、まずは濡れたタオルで表面をこすってみる。ある程度は取れたが、全体的に広がっているし、こすっても落ちない汚れもあちらこちらに見受けられる。このライダースジャケットを着用することは、とりあえず当分の間はなさそうだが、そうだとしてもこのまま放置しておくのは気がひける。さて、どうするか?

クリーニングに出す? たしかにそれがベストではあるが、費用もかかりそうだ。うん、そうだ洗濯機で洗ってみようか? バイクで走っている時に、突然の雨でずぶ濡れになったこともある。そもそも外を走り回る時に使っていたジャケットで、ラフに扱っていたものだから、今さら繊細なメンテナンスをしたところで・・・。

革ジャンを、洗濯機で丸洗いしたらどうなる?

などと考えたところで「どうせ駄目なら、まあしかたない」という自己責任で、丸洗いしてみることに決めた。いや、むしろ、丸洗いしたらどうなるのか、ということを知りたくなったのだ。

まず最初に、風呂場へ持っていき、ていねいに水洗いをした。さすがに、このカビまみれのものを洗濯機に入れるのには抵抗があったからだ。この段階で、おおむね綺麗になったので「これでもいいか」という気分になったのだが、予定通り洗濯機に入れてみることにした。そして待つ事40分。水をふくんで重たくなったライダースジャケットを外に出す。おお、きれいになっている。しかも輝きが増しているようにも見える。いい感じである。

洗濯後「四日間」自然乾燥させる

そしてここから、丸一日陰干しをした。夜に取り込んでみると、表面は乾いているが裏地や重なった部分はやや湿っぽく感じられた。ここで中途半端に終わらせてしまっては、またカビの繁殖を促進するだけである。

普段はガサツだが、やる時はやるのである。結果、表で二日。裏返して二日。合計で四日間、外に出して風に当てた。五日目に、表面に革用のオイルを薄く塗り、さらに数日、部屋の中の風通しの良い場所にかけておいた。



その結果が、これである。オイル効果もあり、つやつやしていて、いい感じに仕上がった。まず「成功」と言ってよいだろう。もしかすると一年後にまたカビてしまうかもしれないが、一気に劣化が進んでしまうかもしれないが、ひとまず「この段階では成功」としたい。

手間と時間を考えると、専門のクリーニングに頼んだ方が良かったのかもしれないが、まあ、それはそれこれはこれ、自分の手で青春時代のアイテムをメンテナンスしたということに意味を見いだしたい。と、いうことにしておきたい。

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