穴あきジーンズを、自分でリペアしてみた。
穴あきジーンズの修理に挑戦する
ジーンズの魅力のひとつが「経年変化を楽しむ」ということだと思う。劣化はできるだけ避けたい現象なのだが、ジーンズにいたっては「それが味!」になるのが面白い。私も何本か「汚れてボロボロ」のジーンズを所有しているのだが、なかなか処分できないでいる。履いていた時の、様々な思い出が蘇ってきて、おいそれと捨てるわけにいかないのだ。
そんな「ボロボロジーンズ」を所有していく時に、直面するのが「穴」である。丈夫な素材といえ、綿は綿だ。やがて崩壊していく運命は避けられない。そして、気に入っているジーンズほど、使用回数が増えるためにダメージが加速度的に積み重なっていくという事実。履きたいけれど、履きたくない。このあたりの微妙な心理戦も、ジーンズを楽しむ時のひとつかもしれない。
ジーンズを「繕って」みよう
先日、所有しているジーンズに穴が空いた。座っている時に「ビリ」という音がしたので、膝のあたりを見ると、みごとに裂けて穴が空いてしまっていた。さて、どうしよう。若い頃ならば、穴が空いたままでも履いていたのだが、最近では「なんとなく気恥ずかしい」気分になってしまう。
そこまで大きな穴でもないし、自分で修理してみようか。そう考えた時に「繕ってみよう」という考えが浮かんだ。昔の人たちが、つぎはぎをして着物を修理して使っていたように、このジーンズも手縫いで繕ってみようと思ったのだった。
思い立ったが吉日という。さっそく連れに「何か当て布になるものはないか?」と聞くと、良さそうなのがある、という。数年前に、青森に旅した時、藍染の作業場を見学させていただいたのだが、そこで買ってきた「藍染のはぎれ」を使ってもよい、ということだった。ジーンズと藍染のはぎれ。これは最高の組み合わせではないか。さっそく、はぎれを分けてもらい、手縫いでチクチクと縫ってみることにした。
縫い物は「根気」と肩こりとの戦い
最初に書いておくと、私は「縫い物」は全く得意ではない。小学校の家庭科の時間に、すこしだけやったことがある程度だ。はっきりいって自信がない。そこで連れに頼んで、最初の全体的なとっかかりを手伝ってもらうことにした。こんな時に、手先の器用な連れがいると大変に助かる。ありがとう。
大まかに当て布を固定してもらい、そこから私が引き継いでチクチクと縫っていくことにした。 やってみるとわかるのだが、大変に肩が凝る。目も疲れる。 亡くなった祖母は、縫いものが上手で、布団や丹前などを、手縫いで作ってくれた。その時は特に何も考えずに「おばあちゃんは縫い物が得意なんだな」程度に考えていたのだが、今考えてみると、大変な労力だったと思う。ありがとうおばあちゃん。昔の人って偉いよなぁ凄いよなあなどと考えながら、粛々と作業進める。
そして既にお気づきの方もいらっしゃると思うが、ここまでの途中経過の写真が1枚もない。チクチク縫うことに集中してしまい、写真を撮ることを忘れたのだ。なのでいきなり完成の写真なってしまうのだが、それがこちらで ある。
いかがだろうか。縫い目はフラフラして、あまり人様に見せられたものでは無いのだが、個人的には「自分で修理した。しかも手縫いで」という気持ちがあるので「これはこれで、ありではないか!」となかなか気にいっている。
実際に履いて見た時の写真がこちら。当て布の「藍色」がアクセントになって、いい雰囲気になっているのではないか。この藍色も、少しずつ色が変化していくだろうから、こちらの変化も楽しめるかもしれない。
このジーンズは自宅用にしようかと思っていたのだが、これなら外でも大丈夫だと思ったので、これからまだまだ活躍してもらうことにした。よろしく頼む。
ちなみに、今回修理したジーンズは、45rpmのデニムである。ポケットのところに洗濯時の注意書きがプリントされているのだが、個人的にこの部分のデザインが好みである。修理している時に目にとまったので、せっかくなので掲載しておく。