鳥をだく(畦地梅太郎)をみると、思い出すこと


百科事典で、出会った「作品」

小学生の頃の話。自宅に子供向けの百科事典があった。詳しい名前も出版社なども忘れてしまったが、全部で10巻位のシリーズだったと思う。小学生の頃私は、読む本がない時などに繰り返しその百科事典を広げては眺めていたのだった。

そのシリーズに「美術」を扱った巻があった。様々な地域と時代の美術品が、カラー写真と一緒に掲載されていた。とくに、スーラとブリューゲルの作品が気に入っていて、 特にそのページは繰り返し眺めていたような記憶がある。

その中に、一点「ふしぎな作品」が掲載されていた。他の作品は「すごいなあ」と、子供ながらに楽しむことができたのだけれども、その作品だけは「奇妙だ」という印象を受けたのだ。奇妙で、よくわからない。これは一体何なんだろう。それと同時に、よくわからないけれども、なぜか不思議に気になる、強い印象を受けた作品があった。

それが、畦地梅太郎の「鳥をだく」だった。

まっすぐ、で、不思議。

そこに描かれている人物は、目を見開くようにしてまっすぐにこちらを見ている。手には鳥が抱かれているけれども、あまりうれしそうではない(と、小学生の私にはそう感じられた)何かどこかが、不思議なバランスでできているような気がする。小学生の私にはうまく説明できないけれども、妙に心に引っかかる作品だったのだ。

それから数年の時間が過ぎ、この作品が版画という技法で制作されていると知った。そして、この人物が山男であるとわかった。そして畦地梅太郎の、他の作品を眺めたり、書籍などを読んでいくにつれ、ますますこの世界観に魅了されている自分がいた。

今、私の部屋には「畦地梅太郎の鳥をだく」が掛けられている。眺めるたびに、どこかまっすぐな気分になる。以前登った山の風景も思い出したりする。これからも私は、この作品を眺めていくのだろうと思う。そして眺めるたびに、子供の頃の記憶や、山歩きをした時の記憶を振り返りながら、まっすぐで不思議な気持ちになるのだろうと思う。


(補足)別冊太陽「山の版画家 畦地梅太郎」に、竹芳洞による版画の制作工程が解説されているページがある。それを見ると、一見するとシンプルな作品でも、何度も擦りの作業が重ねられていることがわかる。興味がある方はぜひご覧になってみてください。


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