宇多須神社から、宝泉寺へ(高速バスで仙台→金沢への旅 No.8)
宇多須神社に参拝する 自分は人が多いところはあまり得意ではない。イベントなどでも、気がつくといつの間にか会場の端のほうに移動してしまっている方である。今回もなるべく人が少ない方にと歩いているうちに気がつくと、 ひがし茶屋街 をはずれ、 宇多須神社 の境内にたどり着いていた。 ちょうどタイミングが良かったのだろうか。境内には自分達の他に一組の参拝者しかいなかった。ほんの百メートルほど離れただけの路地は、肩がぶつかりそうなほど混雑していたのに、ここには静寂さが漂っている。神社の入口に設置されていた案内によると、宇多須神社は金沢城の鬼門の方角に設置されているのだそうだ。この神社が鬼門を封じているのかと考えると、頼もしくそして清々しい空間に感じられてくる。 参拝を済ませ、ふと軒下の物陰に気がついて覗き込むと忍者の姿があった。一瞬、誰かが掃除をしてるのかと思い驚いてしまった。あやうく「あ、すみません」と声を出してしまわなくてよかった。ぼーっとしながら歩いていると、結構驚くので皆さんも気をつけてください。 子来坂をあがって、宝泉寺の眺望スポットへ 参拝を終え、次に向かうのは宝泉寺。そこに金沢市を一望できる眺望スポットがあるということで、行ってみることにした。神社の鳥居を出て左折。そして角をすぐに左折。見上げた先には勾配のきつい坂が見える。ここで汗をかいて体力を削られるとキツイなあ、という考えが一瞬頭をよぎったものの、この先に見事な景色が広がっているような予感にしたがって、せっせと歩いて行くことにした。 子来坂を歩くこと数分。なかなかの勾配ではあったものの、歩きやすい道だったので汗をかくこともなく順調に宝泉寺に到着することができた。そして、息が切れた分を差し引いても十分におつりがくるほどの、素晴らしい風景を見ることができた。 目の前に広がる金沢市の風景。ふと立ち寄った場所でこのような絶景に出会うことができるのが、旅の醍醐味のひとつである。当日は、自分たちの他に二組の観光客がいるだけだったので、鳥のさえずりを耳にしながら落ち着いた空気の中で存分に楽しむことができた。昨日に引き続き、天気もすばらしい。旅に出てよかった、9時間の高速バスを耐え切ってよかった、としみじみする。 芥川も立ち寄った場所? ちなみに「芥川龍之介が金