室生犀星記念館(高速バスで仙台→金沢への旅 No.5)

室生犀星記念館へ

寺をあとにした段階で、時計の針は午後四時を少し回ったところだった。近場ならば、あとひとつは回れそうだ。そう考えて調べてみると、ここから徒歩数分のところに「室生犀星記念館」があることがわかった。室生犀星関連の施設を連続で回ることになるが、行ける時に行っておいた方がいいだろう、と考えて行ってみることにした。



歩き始めて、ものの数分もしないうちに室生犀星記念館に到着した。展示されていた資料の説明文を読みながら館内を回っていく。さきほど、雨宝院で教えていただいた内容に関連する展示物を見ることで、じっくりと復習することができた。金沢に来るまでは「室生犀星? 代表作が『性に目覚めるころ』で、多くの校歌を作詞した作家」程度の知識しか持ち合わせていなかったのだが、二つの施設を連続で見学したことによって犀星に関する情報が一気に増えた。このような旅もいいものだな、と思う。

館内では、室生犀星が自作を朗読している音声を聞くことができる。個人的に、作品から想像していた声とは印象がだいぶ違うように感じた。先入観を与えないように、どのような印象を受けたかは書かないでおくが、興味がある方はぜひ館内で聞いてみていただきたい。

音声を聞いたり、展示されていた書籍を手にとって眺めたりしているうちに、閉館の時間となった。外に出ると、まだ空は明るい色をしていた。ナビで金沢駅までの距離を調べてみると、2.5kmと表示された。徒歩で約30分。通常ならバスを利用する距離なのだが、周囲はまだ明るいし、せっかくなので散歩気分で駅まで歩いてみることにした。

「知らない場所」を、歩く旅


自分は「歩くこと」が、わりと苦にならない。むしろ、歩いて30分程度の距離ならば、バスや電車を利用するよりも歩きたい方である。それも、特に何も考えずにぼんやりと歩いている時間が好きだ。「目的地は、だいたいあの方向だろう」と、おおまかな見当をつけて、なんとなく歩く。こちらの方が近そうだ、とか、あちらよりも歩きやすそうだ、などと適当にルートを変更しながら歩く。いつまで、このような旅ができるかわからないけれど、できる間はこうやって歩いてみたいと思っている。

そんな風にして犀川を越え、今日のできごとや、目に止まった風景や建物、今日の夕食は何にしようかなどと、連れととりとめのない会話をしながら歩いているうちに、金沢駅に到着した。

金沢駅「もてなしドーム」へ到着


金沢駅には、入口全体を覆い尽くすようなドームがある。気になって調べてみたところ「雨や雪の多い金沢で、「駅を降りた人に傘を差し出す、もてなしの心」を表現したドーム。金沢駅にぎわい.comより)」というコンセプトで建設されたということがわかった。

なるほど、これは傘のイメージだったのか。これだけ大きく包み込むような傘があれば、雨や雪の日も安心だ。そんなことを考えながら、空を見上げるようにしてドームの写真を撮った。明日も良い天気になりそうだ。(つづく


【目次】高速バスで仙台→金沢への旅

高速バスで仙台→金沢への旅 No.1(出発前夜)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.3(白山比咩神社へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.4(雨宝院へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.5(室生犀星記念館へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.6(能美市に宿泊)

金沢への旅(一覧)

関連:佐藤の本棚「室生犀星

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