高速バスで仙台→金沢への旅 No.4(にし茶屋街から雨宝院へ)

白山比咩神社から、金沢へ

白山比咩神社での参拝を終え、さきほど通ってきた道を逆戻り。北陸鉄道石川線に乗って金沢へもどる。最初に乗車した時は「わりと揺れる」と感じた石川線も、二回目になると気にならないのが不思議である。車窓から射し込む春の光を感じながら、電車はゴトゴトと進んでいく。


野町駅から、にし茶屋街へ

終点の「野町駅」で下車。休日で街に遊びに来たと思われる、高校生男子五人組と一緒に改札を出る。さて、これからどこへ行こう? そう実は、白山比咩神社への参拝にどれくらい時間が必要なのか読めなかったので、ここからの計画は立てていなかったのだ。ひとまず、近くにある「にし茶屋街」を目指して歩いていくことにする。



10分も歩くと、観光客がたくさん歩いていそうな気配のする路地が見えてきた。なんとなく気分を高揚させながら近づいていくと「中谷とうふ」店の近くに出た。ここでは「豆乳ソフト」を食べることができる。店の前に設置されていた椅子に座り、見た目は完全にソフトクリームのそれを食べると・・・うん、豆乳ソフトだ。ちょっと、醤油が欲しいところだな、と思っていたところ、ちゃんと醤油が用意されていたので、数滴垂らして食べてみると・・・おお、うまい。やはり豆腐(豆乳)には醤油である。ソイソース イズ ザ ベスト と、なんとなく英語でつぶやいてみた。

にし茶屋街は、百メートルほどの短めの区間なのだけど、連休の混雑でどこの店の前にも人が並んでいた。当初は、もう少しここを散策してみる予定だったのだが、最終日に立ち寄ることにして、別の場所へ移動することにした。スマートフォンとガイドブックを見て、この近くにあるスポットを探す。ここから数分歩いたところに、室生犀星が子供のころに過ごした「雨宝院」があることに気がついた。よし、ここへ行ってみよう。

室生犀星ゆかりの寺 雨宝院へ

ゆるやかに下っている細い道を、ナビを見ながら進む。にし茶屋街と比べて、こちらにはほとんど人通りがない。近所を散歩しているようなのんびりとした気分で歩いていくと、数分で雨宝院に到着した。



敷地内は、ひっそりとした雰囲気だった。さて、どこから見ればいいのだろう? と思っていたところ、インターフォンがあったので押してみることにした。「見学させていただきたいのですが」と話しかけると「どうぞ」との返答。そろそろと玄関を開けると、住職が出迎えてくださった。

「時間はどのくらいありますか?」と質問されたので、とくに急ぎの予定はありません、と答える。すると「それならご説明しましょう」と住職が資料を丁寧に説明して下さった。ひとつひとつの資料について詳しく説明してくださるので、恐縮しながらも勉強させていただく。

「お前御苦労だがゴミのないのを一杯汲んで来ておくれ。」
 私がうるさく思いはせぬかと気をかねるようにして、いつも裏の犀川の水を汲みにやらせた。東京では隅田川ほどあるこの犀川は、瀬に砥がれたきめのこまかな柔らかい質に富んでいて、茶の日には必要欠くことのできないものであった。私はそんなとき、手桶をもって、すぐ磧へ出てゆくのであった。庭から瀬へ出られる石段があって、そこから川へ出られた。(室生犀星 性に目覚める頃より)

水害により、犀星が住んでいた頃とはだいぶ景色が変化している、とのことだったが、それでもこうやって現地に立ち、同じ風景を眺めることができるのは格別の時間である。映画やマンガの舞台になった場所を訪問することを「聖地巡礼」などと呼ぶらしいのだが、その気持ちはよくわかる。たぶん自分がやっていることも、根本は同じ部分なのだろう。そこに行って、少しでも多くの体験(情報)を感じてみたい、という気持ちなのだろうと思う。

ぐるりと資料を拝見してから、塗香をさせていただき、犀星も拝んだという御本尊を拝ませていただいた。

「若いのに、文学に興味がおありなんですね」

と住職。いやいや、全然若くないですけれど、住職からすると若く見えるのだろうな、と恐縮しつつ「大学で日本文学を勉強したので、ぜひここに来たいと思っていました」と答える。おお、そうですか、今日はどちらから? 仙台です。仙台はよいところらしいですね、とお話をさせていただく。旅先では、このようなちょっとした会話もうれしい。そして、ずっとあとになっても記憶に残っている思い出のひとつになっていく。御朱印をいただいたあと、玄関口まで見送って下さった住職に挨拶をし雨宝院をあとにした。



あとで、ひさしぶりに室生犀星の作品を読み返してみよう。旅が終わったあとの楽しみが増えたな、と思いながら雨宝院をあとにした。(つづく

【目次】高速バスで仙台→金沢への旅

高速バスで仙台→金沢への旅 No.1(出発前夜)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.3(白山比咩神社へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.4(雨宝院へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.5(室生犀星記念館へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.6(能美市に宿泊)

関連:佐藤の本棚「室生犀星

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