白山比咩神社へ(高速バスで仙台→金沢への旅 No.3)

電車に乗って、白山比咩神社へ


最初の目的地は「白山比咩神社」である。今回は、金沢駅から電車を乗り継いで鶴来駅で下車。そこから徒歩で白山比咩神社を目指すルートである。

金沢駅→(北陸本線)→ 西金沢駅 (乗り換え)新西金沢駅→ (北陸鉄道石川線)→ 鶴来駅→(徒歩)→ 白山比咩神社




北陸本線 →  北陸鉄道石川線

混雑している金沢駅から、北陸本線に乗車して数分。西金沢駅で下車。ここから北陸鉄道石川線に乗り換える際に、新西金沢駅で「1日フリーエコきっぷ」を購入する。500円で1日乗り放題になるお得な切符なので、旅行者にはありがたい。(土日祝日限定なので、平日に利用される方は利用できないので注意)


二両編成の車両は、住宅街を抜けて田園風景の中を走っていく。ローカル線の旅、という旅愁を感じさせる雰囲気で、ああこんな風にのんびりした旅はいいなあ、と昨日までの慌ただしかった時間を振り返りながら揺られていると・・・。

あれ? なんだかわりと揺れるぞ。上下左右に振られる感じがする。連結部分もガシャンガシャン鳴っている。連れの方を見ると「結構、揺れるね」と、いうような表情をしている。うん、たしかに揺れる。しかし出発して二駅も過ぎたころには慣れてしまい、ほとんど気にならなくなっていた。むしろこれはこれで、なんとなく楽しい気分になってくるのが不思議である。



上の写真が若干傾いているのは、シャッターを押した瞬間に車両が上下に揺れたからである。車内の臨場感を伝えるために、あえて修正しないでそのまま掲載してみた。「こんな感じで揺れるのだな」と、なんとなく想像しながら眺めていただきたい。

鶴来駅から、徒歩で白山比咩神社へ


電車に身体を揺らして二十五分、終点の鶴来駅に到着した。ここからは徒歩で白山比咩神社へ向かうことになる。まっすぐな開放感のある道を、ゆっくりと歩く。五月の爽やかな気候と、心地よい陽射しの下、徒歩で移動するには最適の季節だな、と考えながら歩く。

ちなみに、鶴来駅から白山比咩神社までは約2.5kmほどの距離があるので、30分ほど歩くことになる。最初は平坦だけど後半は坂になっていくため、重い荷物を持っていたり、歩くのが苦手な方は厳しいかもしれない。レンタサイクルもあるようなので、必要な方は調べてみてください。自分たちは、休み休みゆっくりと歩きました。

あさひ屋さんで、朝食のパン



神社へ向かう道の途中に「あさひ屋」さんというパン屋があることを、事前に調べていた。当初の予定通り、参拝の前に立ち寄りここで朝食にする。まだ午前中の早い時間だというのに、店内にはパンを求めるお客さんで賑わっていた。地元の常連さんと思われる人たちが、次々にパンをトレーに載せていく中に混じって、自分たちもパンを選んでいく。



こちらにはイートインのスペースがあるので、コーヒーを頼んで食べさせてもらうことにした。色違いのシックなコーヒーカップが、おしゃれである。窓から見える庭を眺めながら、一口食べる。うまい。とりわけ蒸しパンがうまい。近所にこの店があれば、定期的に通う。そんな、ほどよい美味しさを楽しみながら、もくもくと食べてコーヒーを飲んだ。

そしてこれが、今回の旅の「最初の食事」であることに気がついた。うん。最初から、いい感じの食事に出会うことができた。滑り出しは上々だ。学生のころは「旅先の食事は、コンビニのパンでOK」とばかりに、食費と時間を削って少しでも遠くへ移動することを考えていたけれど、最近はこうやって「手頃な美味しさ」を楽しみたいと思うようになった。移動の距離よりも、じっくりと立ち止まって周りを見渡す時間が増えてきた。旅のスタイルも、年齢を重ねることで変化していくようである。

白山比咩神社へ到着

食事と休憩をとってから、神社へ向かって移動を再開する。勾配のついた道を歩いていると、横を車がびゅんびゅんと追い越していく。誰か乗せてくれないかな、軽トラの荷台でもいいんだけど、などと思いながら歩いていくと視界の先に鳥居が見えてきた。到着だ。


僕たちの横で、並んで写真を撮影していた三人組のご婦人が「今くらいの時期が、ちょうどいいわね」と会話をしているのが聞こえてきた。ほんとうに、そうですね、と声に出さずに答えてから、鳥居の前に立って空を見上げる。新緑がキラキラと輝いている。その横を、五月の新鮮な空気を含んだ風がそよと吹き抜けていく。

ああ、白山比咩神社に参拝させていただけて、よかった。まだ鳥居さえくぐっていないのに、すでに達成感のようなものがあった。今回の旅は、これで満足だ目的を果たせた、というような充実感もあった。いやいや、まだ旅は始まったばかりだぜ、とリュックを背負い直し参道を進んでいく。

ご祈祷を、お願いする


自分は、旅先の一ノ宮では、可能な限り「ご祈祷」をお願いするようにしている。そこまで信仰深いわけでもなく、パワースポット巡りなどもしないのだが、旅の記念(と、いう表現が適切かどうかは別として)と、ここに来ることができたという感謝の印として、お願いするようにしている。

自分の記憶力はかなり乏しい方なのだが、不思議なもので、そうやって「ご祈祷」を受けた時の風景は、何年経っても覚えていることが多い。それは控え室の風景だったり、巫女さんの舞だったり、神主さんの言葉だったり、断片的なものではあるのだけど、その時に思いを巡らせると、わりと鮮やかに蘇ってくる。たぶん「ご祈祷」の非日常の雰囲気が、そんな風にして記憶にとどまってくれるのだと思う。

今回の白山比咩神社での「ご祈祷」でも、印象的なできごとがあった。それは極めて個人的な内容だし、ここに書くようなことではないと思うので記載することは控えるけれど、何年経っても忘れることなく覚えているだろう、と思うできごとだった。今回の旅を思い出す度に「そういえば・・・」と、しみじみと、そして新鮮な気持ちで思い出すことになるだろう。


ご祈祷を終えてから、境内をぐるりと歩いた。北参道から鳥居をくぐって左に折れた先に、白光苑という庭園があった。森の中に入ったかのような、背の高い木々に囲まれた静かな風情のある場所だった。しばらく空を見上げながら、境内の空気で深呼吸をする。参拝客も少なく、静かな気配を感じられる美しい場所でした。



最後に宝物館に寄ってみると、窓口で「そえぶみ箋」をいただいた。最初は気がつかなかったのだが、よくよく見ると重文の狛犬が印刷されている「しらやまさん」オリジナルのそえぶみ箋だった。「天皇陛下の即位を奉祝した記念展示に合わせて制作された記念品」とのこと。旅の記念にもなるし、うれしいプレゼントだった。

宝物館で展示を拝見させていただいたあと、白山比咩神社をあとにした。鳥居の前にある売店で、笹寿司を買って食べた。昔の旅人も、ここでこうやって笹寿司を食べたのだろうか、と想像しながら食べる。さて、ここからまた駅まで歩く。そして、電車に乗って金沢へ戻る。(つづく



(追記)白山比咩神社へ参拝した際に「御社殿修復の銅板奉納」をさせていただいたのだが、後日神社からお礼のハガキが届いた。今までも何度か銅板奉納をさせていただいた事はあるのだが、お礼のハガキをいただいたのは初めてだった。届いたハガキを読みながら、またいつの日か参拝させていただきたいものだ、と旅愁に浸りつつしみじみと考えたのでした。

【目次】高速バスで仙台→金沢への旅

高速バスで仙台→金沢への旅 No.1(出発前夜)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.2(出発の日)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.3(白山比咩神社へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.4(雨宝院へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.5(室生犀星記念館へ)
高速バスで仙台→金沢への旅 No.6(能美市に宿泊)

金沢への旅(一覧)

人気のある記事

私とハトの七日間決戦 アイテムは100均のみ!

裾上げしたジーンズの裾を、自分で加工してみる。

uniqloジーンズの色落ち(四年経過)

【名言】「日本より頭の中のほうが広いでしょう」夏目漱石 三四郎【名作文学を読む】

【バリ島へ行った話(3)】航空券とwebチェックイン(ガルーダインドネシア航空でバリへ)