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【人生哲学】やりたいことを、見つけるには?

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痛い目に遭って、ようやく理解できる子供だった。 セミナーの質問の時に 「佐藤さんは、どうやって『自分がやりたいこと』を見つけたのですか?」 という質問を受けることがあります。どうやら私が、自分がやりたいことに向かって、迷いなくまっすぐ進んできた人間のように見えるようです。 残念ながら私は、 人一倍試行錯誤繰り返してきた人間 です。ただ、皆さんと少しだけ違う点があるとするならば、私は頭の中で考えるタイプではなく、 考えたことを行動して実践してみないと気が済まない人間だった 、ということだと思います。 大人に「これは危ないから、触ってはいけない」と言われると「どれほど危ないか、触ってみよう」と手を伸ばして、痛い目にあう子供がいますよね?  私はそんな子供でした 。いつも本を読んでいて大人しくて臆病そうな雰囲気のくせに、好奇心は人一倍ある。実行してみて 「たしかにこれは痛い!」と、体験してみないと納得できない 子供だったのです。 私が20代〜30代前半だったころ 20代30代前半ぐらいまでは、この傾向が続いていた と思います。気になることが見つかった場合は、試してみたくて仕方がなくなる。寝食は後回し。もしくは食べながら、居眠りをしながらでも続けたい。 起業した初期の頃は、ワンルームのマンションを借りて事務所にしていたのですけれども、ひとりで作業を始めて「なんだか周囲が静かになったな」と時計を見てみると午前1時を回っていたこともよくありました。 すでに周囲の人たちは寝ている時間 ですから、それは静かになるわけです。 子供は、何か興味があることがあると、 ご飯も食べずに好きなことを繰り返していますよね?  母親に「ご飯食べなさい!」と怒られても、黙々と目の前のことに取り組んでいる。ちょうどあんな感じです。たぶんそうやって、興味があることを調べて、試行錯誤をしている時間が好きだったのだと思います。 最近では「どうすれば少しでも長く休んでいられるだろう」と、考えるようになってきましたから、人間はだいぶ変わるものです。もしかすると、 私のような凡人の場合は「一生のうちに、努力できる量」が決まっている のかもしれません。天才は「一生、努力を止めない人」なのかもしれません。 試行錯誤の中で、わかってくることがある。 さて、そのようにして試行

【読解力】小説を読めば、読解力が身につきますか?

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小説を読めば、読解力が身につきますか? 生徒さんから、よくいただく質問の1つが 「小説を読めば、読解力が身につきますか?」 というものですね。そのような質問を受けた時に、私がどのように答えたかといいますと「たしかに小説を読めば、読解力が身につくとは思います。しかし、 純粋に読解力を身に付けたいのであれば、別の勉強方法を試した方がいい と思いますよ」と答えていたのですね。小説を読んで読解力を身につけるのは、いわゆる「コスパが悪い」というやつだと思うからです。 どうして、このような答えをするかとというと、おそらく質問してくる皆さんが考える「読解力」とは、 文章の中からポイントをつかむ、整理する、分析する、というような能力 のことを「読解力」と定義していると思うのです。しかし、このようなスキルは、小説を読んでもなかなか身に付きにくいんじゃないか、というのが私の考えなのですね。 夏目漱石の「坊っちゃん」を読んでみる たとえば「夏目漱石の坊っちゃん」という作品がありますよね。この小説は 「東京生まれの主人公が、松山に行く。そこで喧嘩をして東京に帰ってくる話」 という説明しても決して間違っていないし、ポイントも抑えている。 ところが、小説を読むという行為は、このようなあらすじを抜き出して説明できる能力だけではないと思うのですね。物語を楽しみながら、赤シャツとか、野だいこみたいな人って、いまでもいるよなあ、とか、 登場人物の視点を通して「体験」 していく。そして、漱石はどうしてこの作品を書いたのだろう、などと 思考を広げたり 、自分は「坊っちゃん」を、このような読み方をした、と 周囲の人と言葉を交わしていく 。 そのような時間が「小説を読む」ということ であり、みなさんが求めている「読解力」とは少し異なるのではないか、と私は考えているからです。 どうすれば「読解力」が身につくのか? そのようなわけで、もしもみなさんが、ここで説明したような「読解力」を身に付けたいのであれば、別の方法を模索してみた方がよいかもしれない。そして 「どうすれば、読解力が身につくだろう?」 と考えてみることが、考える力を養い読解力を身につけることができる一歩だと思うわけです。 この内容を「ラジオ」で聞く ☝筆者: 佐藤隆弘のプロフィール ⧬筆者: 佐藤のtwitter

【ラジオ はじめました】コサエルラジオ・ONAIR!

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stand.fm で、9月からラジオを始めました。 「文学作品を通して、考えるヒントを提供する」 というテーマで、夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治などの作品を読みながら、トークを展開していくという内容です。 通勤通学、移動中のおともに、 リラックスして聞き流してもらえる内容 を目指しています。ぜひ視聴してみてください(無料です) (追記) Apple  Podcastで、配信を開始しました。AppleのPodcastをご利用の方は「コサエル」と検索していただくと【コサエルラジオ】が表示されます。ApplePodcastもStand.fmも配信内容は同じです。使いやすい方でご利用ください。 (視聴回数 No.1 ) 【男の料理部】バナナジュースをつくろう。のもう。 本日の段階で「10回」放送したのですが、一番反響のあった回が「文学解説」の回ではなく、思いつきで語った 「最近ハマっているもの = バナナジュース」 だったというのが、なんとも複雑な気分でしたが・・・。 まあ、それはともかく、しばらくは定期的に放送を続けつつ、様子を見ながら色々と変更を加えていこうと考えています。 リクエストや質問なども受付中 です。いただいた中からピックアップして、放送内でお答えしていきますので、ぜひ参加してみてください。 ( 視聴回数 No.2 ) 【文学入門】銀河鉄道の夜(宮沢賢治)解説 ☺ コサエルラジオ(文学部)今まで放送した内容一覧 はこちら

【文学解説】友情(武者小路実篤)あらすじ解説

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 親友と同じ女性を好きになってしまった。「恋」か「友情」か? その選択の先には何が待っているのか? 今回は武者小路実篤「友情」のあらすじを解説します。恋をしている人も、これからする人も、過去の恋愛に思いをはせる人も、読書を楽しむきっかけにしていただければ幸い。 友情(武者小路実篤)あらすじ解説 ✏関連 「読書」に関する記事 ☝筆者: 佐藤隆弘のプロフィール ⧬筆者: 佐藤のtwitter ☈ 佐藤のYoutubeチャンネル「佐藤ゼミ」 ✂関連: 文章力講座に関する記事一覧

【名言】火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。【文豪・夏目漱石の手紙】

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夏目漱石の手紙より 「あせっては不可ません。頭を悪くしては不可ません。根気ずくでお出でなさい。世の中は根気の前に頭を下げることを知っていますが、火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです。」 これは、 夏目漱石が門下生である「芥川龍之介 久米正雄」に宛てた手紙の一文です。 この当時、漱石は時代を代表する作家。のちに文豪になる芥川は大学を卒業したばかりの新人作家。血気盛んに文壇に足を踏みいれようとしている芥川にとって、師匠である漱石先生の 「あせっては不可ません」という言葉は、深く心に染み渡ったであろう ことは、想像に難くありません。 私(佐藤)が起業した時の話 実際に私(佐藤)も、若い時はせっかちで、考えたことをすぐに行動に移したくて、でも結果につながらなくて、ほんとうに焦りました。周りの同世代の人たちが、家庭を持ち安定した居場所を手にし始めている中、何ももっていない自分の姿を見ると 「これでいいのか?」「もっと別の道があるのではないか?」 と、夜も眠れず、昼間に居眠りをしながら考えたものです。 そんな時に、この漱石先生の言葉を思い出して 「うんうん死ぬまで押すのだ」 と、自分を奮い立たせていたことを思い出します。私は、才能がありませんから、芥川のような世界を驚かせるような仕事はできませんが、それでも「うんうん」やってこれたのは、この言葉を知っていたからだと思うのです。 未来をつくる 起業家・社会人・学生のみなさんへ これから新しい挑戦をする若手の起業家、社会人、学生のみなさんにも、この漱石の言葉を覚えておいていただきたいと思います。19年前の私がそうだったように、 いつかどこかで心を奮い立たせる力 になると思うからです。 人生は何かを成し遂げるには短すぎます。しかし、それでも私たちは「何か」を作り続けなければいけません。 「一瞬の記憶」ではなく、少しでも遠くまで届くものを作っていきたい。 そう願い、志す人には、きっと必要な言葉だと思うからです。 漱石はこの手紙を書いた数ヶ月後に亡くなってしまいます。 49歳あまりにも早すぎる最期でした。しかし、100年以上も経過した今、この現代でも読み継がれる「言葉」となって生き続けています。あらためて漱石先生のすごさを実感したのでした。 関連 「人生哲学」に関する記事 「夏目漱石」に関す

【人生哲学】質問「私は飽きっぽい性格なので、何をしても続きません。継続するコツを教えてください」

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継続するコツを教えてください 以前セミナーの質疑応答の時間に、受講生の方から 「私は飽きっぽい性格なので、何をしても続きません。先生のように継続するコツを教えてください」 というような質問を受けたことがある。  その時私は「自分に継続する力がある」とは思っていなかったので、戸惑いつつも頭の中をフル回転させて 「他にできることがなかったので、できることに取り組んできただけです」 と回答をした。  これはこれで、正直な回答だったと思う。様々な能力がある人ならば「あれもできるかもしれない、これもできるかもしれない」と豊富な選択肢があるが故に、迷ってしまうと思う。 しかし 私の場合は「自分ができることは限られている」ことがわかっていた ので、そのことだけをやってきた。その結果として「継続できた」ということなのである。 「続ける事を目標」とする セミナーが終わってから、あらためて「継続する」ということについて考えてみることにした。そして 「続ける事を目標としている」自分がいる ことに気がついた。 私は何かを始めるときに「1年は続ける」というように、期限を決めてから始めることが多い。そして、一度始めてからは「1年は続けると決めたのだから」と 続けることだけに集中 して進めていく。 質や内容にこだわると、続けることが難しくなる。もう少し時間をかけて考えて修正してタイミングをみて、などとやっていると何もできないままに時間が過ぎる。しかし 「続けていることに意味があるのだ」と考えることができれば、取り組んでいることそのものに意味 が感じられる。 女性を口説く時に「そこにいてくれるだけでいいんだ」を決めセリフにしている知人がいたが、つまりそういうことである。 起業して19年続いた理由 たとえば、私は独立起業して19年目になるのだが、これから起業を考えている人からは「どうすればそんなに継続することができるんですか?  なにか秘訣があるのですか? 」というような質問が来ると思う。 結論から教えてしまうと 「事業を継続する」ということを最優先事項にしてきた に過ぎない。何があっても続けるのだ、とすべてを犠牲にし、それに投資してきた結果、なんとか続いてきたにすぎない。 実際のところ、事業を継続するのは地道な時間の連続である。 固定費を減らし、日の目を見ない企画を考え続け、外部との交渉

【人生哲学】3年の努力で「10年」食える

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ある起業家の「奥様」との会話 今日は「3年の努力で10年食える」といった話をしてみたいと思います。今回お話しする内容は、私が 独立起業して4年目に、ある社長の奥様から伺った話 です。その方は、当時70代だったと思います。仕事の合間といいますか、休憩時間などに時々お話をさせていただいたりしていたんですね。 ある日、いつものように休憩していた時に、なぜそのような話になったのかは忘れてしまったのですが、私が「これから世の中はどのような方向に進むかわからないし、私のような小さなところは、いつどうなるかわかりませんよね。一瞬で吹き飛びますよね」と、いうような話題を口にしたのです。すると奥様は、 「佐藤さんは起業して何年目ですか?」 と、聞いてきたんですね。そこで私が「今年で4年目です」と答えると、即座に 「もう大丈夫ですよ。10年は大丈夫ですよ」 と断言して下さったのです。 「3年乗り越えられたら、10年大丈夫」 もちろん奥様は、私のくわしい状況は全くご存知ありません。どのような生活をして、事業の状況がどうなっているのか、ということは全くわからないんだけれども 「3年乗り越えられたら、もう大丈夫」 と話して下さったのですね。その時私は「ああ、そうか大丈夫なんだ」と。何か具体的な理由や根拠があるわけではないけれど、この調子で精一杯がんばっていけば大丈夫なのかもしれない、と 妙に落ち着いた気分になったこと を覚えています。 そして実際に、今年で起業してから19年になるのですが、奥様の「10年大丈夫」という言葉通り、今日まで仕事を続けていくことができました。事業の方向性の検討や、震災の被害もありましたが、なんとか乗り越えることができました。 実体験を通して、奥様の予言(?)を検証 することができたのです。 10年乗り越えられる「意志力」が育っている 今回、あらためて 「あの時、奥様が私に教えたかったこと」 は何だったのか、と考えてみました。もうご本人に直接は聞けないので、推測になりますけれども、おそらく「3年間、じっくりと下積みの期間を耐え忍んでくることができたのなら、 そこから10年乗り越えられる意志力が育っている 」と、いうことなのではないかと思います。 半年や1年程度の「下積み」では、どうしても 底が浅くなります 。しかし3年かけて継続することができたのなら、それなりに