【名言】火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。【文豪・夏目漱石の手紙】

夏目漱石の手紙より


「あせっては不可ません。頭を悪くしては不可ません。根気ずくでお出でなさい。世の中は根気の前に頭を下げることを知っていますが、火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです。」


これは、夏目漱石が門下生である「芥川龍之介 久米正雄」に宛てた手紙の一文です。この当時、漱石は時代を代表する作家。のちに文豪になる芥川は大学を卒業したばかりの新人作家。血気盛んに文壇に足を踏みいれようとしている芥川にとって、師匠である漱石先生の「あせっては不可ません」という言葉は、深く心に染み渡ったであろうことは、想像に難くありません。

私(佐藤)が起業した時の話

実際に私(佐藤)も、若い時はせっかちで、考えたことをすぐに行動に移したくて、でも結果につながらなくて、ほんとうに焦りました。周りの同世代の人たちが、家庭を持ち安定した居場所を手にし始めている中、何ももっていない自分の姿を見ると「これでいいのか?」「もっと別の道があるのではないか?」と、夜も眠れず、昼間に居眠りをしながら考えたものです。

そんな時に、この漱石先生の言葉を思い出して「うんうん死ぬまで押すのだ」と、自分を奮い立たせていたことを思い出します。私は、才能がありませんから、芥川のような世界を驚かせるような仕事はできませんが、それでも「うんうん」やってこれたのは、この言葉を知っていたからだと思うのです。

未来をつくる 起業家・社会人・学生のみなさんへ

これから新しい挑戦をする若手の起業家、社会人、学生のみなさんにも、この漱石の言葉を覚えておいていただきたいと思います。19年前の私がそうだったように、いつかどこかで心を奮い立たせる力になると思うからです。

人生は何かを成し遂げるには短すぎます。しかし、それでも私たちは「何か」を作り続けなければいけません。「一瞬の記憶」ではなく、少しでも遠くまで届くものを作っていきたい。そう願い、志す人には、きっと必要な言葉だと思うからです。

漱石はこの手紙を書いた数ヶ月後に亡くなってしまいます。49歳あまりにも早すぎる最期でした。しかし、100年以上も経過した今、この現代でも読み継がれる「言葉」となって生き続けています。あらためて漱石先生のすごさを実感したのでした。



⧬筆者:佐藤のtwitter

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