【人生哲学】質問「私は飽きっぽい性格なので、何をしても続きません。継続するコツを教えてください」
継続するコツを教えてください
以前セミナーの質疑応答の時間に、受講生の方から「私は飽きっぽい性格なので、何をしても続きません。先生のように継続するコツを教えてください」というような質問を受けたことがある。その時私は「自分に継続する力がある」とは思っていなかったので、戸惑いつつも頭の中をフル回転させて「他にできることがなかったので、できることに取り組んできただけです」と回答をした。
これはこれで、正直な回答だったと思う。様々な能力がある人ならば「あれもできるかもしれない、これもできるかもしれない」と豊富な選択肢があるが故に、迷ってしまうと思う。
しかし私の場合は「自分ができることは限られている」ことがわかっていたので、そのことだけをやってきた。その結果として「継続できた」ということなのである。
「続ける事を目標」とする
セミナーが終わってから、あらためて「継続する」ということについて考えてみることにした。そして「続ける事を目標としている」自分がいることに気がついた。
私は何かを始めるときに「1年は続ける」というように、期限を決めてから始めることが多い。そして、一度始めてからは「1年は続けると決めたのだから」と続けることだけに集中して進めていく。
質や内容にこだわると、続けることが難しくなる。もう少し時間をかけて考えて修正してタイミングをみて、などとやっていると何もできないままに時間が過ぎる。しかし「続けていることに意味があるのだ」と考えることができれば、取り組んでいることそのものに意味が感じられる。 女性を口説く時に「そこにいてくれるだけでいいんだ」を決めセリフにしている知人がいたが、つまりそういうことである。
起業して19年続いた理由
たとえば、私は独立起業して19年目になるのだが、これから起業を考えている人からは「どうすればそんなに継続することができるんですか? なにか秘訣があるのですか?」というような質問が来ると思う。
結論から教えてしまうと「事業を継続する」ということを最優先事項にしてきたに過ぎない。何があっても続けるのだ、とすべてを犠牲にし、それに投資してきた結果、なんとか続いてきたにすぎない。
実際のところ、事業を継続するのは地道な時間の連続である。固定費を減らし、日の目を見ない企画を考え続け、外部との交渉もこまめに行っていく。そして、営業を繰り返し「これ、なんとなかならないの?」と、理不尽な変更や要求があっても、事業継続させるために泥臭く粘って交渉していく。それだけである。
正直なところ、他にもっと楽に稼げる仕事があるんじゃないか、と考えることもある。いや、ほとんど毎回考える。 しかし、自分は「続ける」ことを選び、自分で選んだのだからそれをやってみよう、と自己責任で取り組んできた。すると、10年も過ぎたあたりから「その話を、ぜひ聞かせてほしい」と講演の依頼がきて「どうすれば、そのように続けられるのですか?」と質問を受けるようになった。つまりそういうことなのだ。
続けたという体験を積むことを目標にする。
今この文章読んでいる皆さんの前に、たくさんの選択肢が広がっているならば、それは幸いである。逆に、たくさんありすぎることで迷ってしまうのであれば、選択肢が多いと言うことも不幸なことなのかもしれない。
どちらにしても、最初の質問者のように 「何をしても続かない」と悩んでいるのならば「続けること」を目標にし、取り組んでみる体験があっても良いと思う。まずは3ヶ月続けてみる。半年、1年と伸ばしてみる。「続けることがすべての目標」である。
そこから「何かが得られる」という事は期待しない方が良い。続けたという体験を積むだけを目標と目的にする。それを3年も続けてみれば、周りの人たちから「どうすれば3年も続くのですか?」と質問を受けるのではないかと思う。