【文学】芥川賞の季節になるといつも太宰治を思ひ出す。(佐藤春夫)

「芥川賞」と聞くと、思い出すこと


本日は、芥川賞の発表がありますね。どのような作品が受賞するのか、毎回楽しみにしてる方もいらっしゃると思います。芥川賞の選考委員を務めていた佐藤春雄は、

芥川賞の季節になるといつも太宰治を思ひ出す。彼が執念深く賞を貰ひたがつたのが忘れられないからである。(稀有の文才 佐藤春夫)

と書いていますが、私も個人的に「芥川賞」と聞くと太宰治のエピソードが頭に浮かびます。

芥川龍之介に、あこがれた太宰

別の所でも書いていますけれども、太宰治は芥川龍之介が憧れの存在でした。「芥川龍之介」と何度も書いている学生の頃のノートや、芥川龍之介の真似をしてポーズをとっている写真も残っています。

そのような憧れの存在の名前がついた文学賞ですから、太宰治が熱望したのも当然のことかと思います。そして、どうしても芥川賞が欲しかった太宰は、佐藤春夫に「私に、芥川賞をください」と手紙を送ります。そのうちの一通は4メートル以上もあったそう。手紙には、自分がどれだけ芥川賞を欲しているか、必要なのか。受賞できるかどうかで今後の人生が決まる、というような内容が切々と書かれています。

残念ながら、太宰は芥川賞を受賞することができなかったのですが、もしも太宰が受賞していたらどうなっていたでしょう。 そして、あの世で太宰は、芥川賞の発表をどのような気分で眺めているでしょうか。無関心を装いつつ、しっかりと聞き耳はたてているような気がします。


「津軽」は出版の当時読まないで近年になつて――去年の暮だつたか今年のはじめだつたか中谷孝雄から本を借りて読んで、非常に感心した。あの作品には彼の欠点は全く目立たなくてその長所ばかりが現はれてゐるやうに思はれる。(稀有の文才 佐藤春夫)


週末には、ひさしぶりに「津軽」を読み返してみよう。津軽を読むのは、大寒の今くらいの時期がちょうどいいような気がする。そんなことを考えました。

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