【夏目漱石の手紙】世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますが・・・。



今回は、これから新しいことに挑戦してみたいと考えている人、何かを表現したいと考えている人に向けて、夏目漱石が芥川龍之介と久米正雄に向けて書いた手紙の一節を紹介してみたいと思います。

 
世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますが、火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです。

夏目漱石が、芥川龍之介 久米正雄に宛てた手紙より(一部抜粋)


暗闇の中に火花が見えた時、私たちはそちらに目を向けますよね。そして「明るいな」とか「綺麗だな」と感想を持つ。感想は持つけれど「記憶」に残ることはない。何かを表現していこう、ものづくりをしていこうと試みるのであれば、大切なことは「根気」なのだと。うんうん押して、地道に積み重ねていくことが大切なのだと、漱石は芥川と久米に伝えているのですね。

確かに、この考え方は現代を生きる私たちにも必要な言葉だと思います。実際に私は、今までに様々な経営者の皆さんと一緒に仕事をさせていただいてきたのですが、10年20年と事業を継続させている人たちは、地道な作業をコツコツと継続していることが共通点のひとつであったと私は感じています。

10年以上一緒に仕事をさせていただいた職人さんがいたのですが、いつ連絡をしても作業場でコツコツと仕事をされていて、時間をかけて丁寧に作業を続けている姿がとても印象的な方でした。残念ながら、その職人さんは亡くなってしまったのですが、本当に亡くなる直前まで、これからも仕事を続けていく、まだまだ頑張らなくてはいけない、という気持ちでいっぱいの方でした。今でも、その職人さんのことを考えると「佐藤さん、この前このような仕事をさせてもらいましてね」と熱っぽく話してくださったことを思い出します。そして、自分ももっと頑張らなくてはいけない、と背筋が伸びるような気持ちになります。

もちろん、起業して仕事を続けていくには、表舞台に立って人目を集めるような仕事も必要です。見てもらえなければ存在しないので、まずは知ってもらうことが大切です。しかしそれと同時並行で、根気よく地道に推し進めていく仕事も必要です。せっかくチャンスがやってきても、実力不足ですぐに息切れしてしまっては意味がありません。そして、そのような人には次のチャンスが与えられないかもしれないからです。

実際に私は、起業したのがの20代だったので「目立たなければいけない」とか「大きな花火を打ち上げたい」というように意識が向きがちで、変化が感じられにくい地道な作業をおろそかにしがちでした。もしも当時の自分に忠告できるとするならば「根気よく。地道な作業を大切に。甘えてはいけない!」と、何度も何度も言って聞かせると思います。表舞台に立ちたい、とあせる気持ちを上手に活用しつつ、しっかりと土台を固めていく。その時間が、10年後、20年後の成長をつくっていくことは間違いないからです。

これから新しい挑戦に向けて準備をしている方は、失敗を恐れずに素早く何度も挑戦を繰り返してほしいと思います。れと同時に、表面的な成功や失敗だけで判断せずに「世の中の人たちは、根気の前に頭を下げるのだ」と漱石先生の言葉を思い出しながら、うんうん押し続けてほしいと思うのです。

佐藤ゼミでは、文学作品を通して「考えるヒント」を提供していきます。夏目漱石・芥川龍之介・太宰治・宮沢賢治など、日本を代表する文豪の作品から海外文学まで、私(佐藤)が読んできた作品を取り上げて解説します。ぜひご視聴ください。そして何か気になる作品がありましたら、チャンネル登録&高評価で応援お願いします。こちら↓

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