夏目漱石が教える【英語の学習方法】とは?



これから英語の勉強をしようと考えている皆さんに向けて、夏目漱石が英語の勉強法についてアドバイスしている一節を紹介してみたいと思います。

英語を修むる青年は或る程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山と読むがよい、少し解らない節があつて其処は飛ばして読んで往つてもドシドシと読書して往くと終には解るやうになる、又前後の関係でも了解せられる、其れでも解らないのは滅多に出ない文字である、要するに英語を学ぶ者は日本人がちやうど国語を学ぶやうな状態に自然的慣習によつてやるがよい、即ち幾遍となく繰返へし繰返へしするがよい、チト極端な話のやうだが之も自然の方法であるから手当たり次第読んで往くがよからう

夏目漱石「現代読書法 多読せよ」より一部抜粋


この学習方法には、私も共感するところがあります。私は20年以上、教育の仕事をしてきました。生徒に教える時は、まず最初に「基礎の部分を丁寧に繰り返し」教えていきます。そしてある程度基礎が出来上がったならば、次は「問題演習量を増やす」カリキュラムに変えていくんですね。

基礎を復習することと同時並行で、問題を徹底的に解き続けていく時間を確保していく。受験勉強をしていると、色々と考えてしまって不安になることもあるけれど、まずは問題集を一冊、また一冊と終わらせていくことを目標にする。量をこなすことを優先して問題に触れている時間を増やしていこう、と指導をしていたんですね。

そのようにして学習を進めていくと、6ヶ月とか10ヶ月ぐらい過ぎたあたりで、いつのまにかレベルアップしている自分に気がつく。「なんだか最近、わかる問題が増えてきた」というような生徒が増えていくので、私は現場での指導体験を通してこのような授業をしていたのです。そのようなわけで、漱石先生がこのようなアドバイスをしている、ということを知った時は、すこしだけ自分の指導方法と共通点があるようで嬉しく感じたことを覚えています。

ちなみに「なぜ漱石が、英語の勉強方法について話をしているのか?」と気になった方がいらっしゃるかもしれないので付け加えておきますと、夏目漱石は大学では「英文科」に進学しています。卒業してからは、松山と熊本で英語の先生として教壇に立ちます。その後留学したイギリスでは「英語に関する研究」をして、帰国してからは東京帝国大学の英文科の講師となります。つまり夏目漱石は「英語の専門家」だったのです。そのような背景を持つ漱石先生のアドバイスですから、一度試してみてはいかがでしょうか?



佐藤ゼミでは、文学作品を通して「考えるヒント」を提供していきます。夏目漱石・芥川龍之介・太宰治・宮沢賢治など、日本を代表する文豪の作品から海外文学まで、私(佐藤)が読んできた作品を取り上げて解説します。ぜひご視聴ください。そして何か気になる作品がありましたら、チャンネル登録&高評価で応援お願いします。こちら↓

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