映画「THE FIRST SLAM DUNK」を、観てきた話。

映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観た。

筆者は、スラムダンクをリアルタイムで読んでいた世代である。コミックも全巻もっていた。「井上雄彦 最後のマンガ展」も行った。しかし、ガチガチに読み込んでいたわけではなく、バスケ部でもない(サッカー部だった)いわば【普通の読者】である。

そんな私だが「スラムダンクが映画になる、しかも脚本と監督が井上先生」と知った時は、さすがに胸が踊った。それと同時に、公開前から様々な視点から話題(批判?)が出ている様子を目にするにつけ、なんとなく不安要素も芽生えていた。「井上先生が手がけた作品だから、大丈夫に決まっている」という断固たる思いと同時に「いや、しかし、それでも」と情報に振り回される部分もあった。

実際に、私の妻は公開初日に友人3人と観に行ったのだが、妻以外の2人は「思っていたのと違う」という感想をもらしていたという。原作とアニメ版に思い入れが強いあまり、そのような感想になったらしい。うーん、逆に興味が湧いてきた。と、いうわけで、ここからは私の印象を書いていく、一部ネタバレも含まれるので「観に行く」ことを決めている人は、読むのを止めることをおすすめしたい。「観に行こうかな。どうしようかな」と迷っている、私と同世代の方は、個人の感想ということで、さらりと読んでいただきたい。

ここから「内容(ネタバレ)」あり

さて結論である。私は「おもしろかった!」に一票である。私はTOHOシネマズのIMAXで観たのだが、臨場感がすばらしかった。実際にコートでバスケをしているような感覚、というと大げさかもしれないが、それに近いような印象を感じることができた。ボールが地面を跳ねる音、身体がぶつかる鈍い感触、息遣い、部活をしていた時の息苦しい感触(繰り返すが、私はサッカー部である)が蘇るような気さえした。相手チームのディフェンスの圧がすごくて「こんなの、どうやって攻めればいいんだ?」とさえ思った。この表現を映画館のスクリーン(IMAX推奨)で楽しめるだけでも、十分に満足できる作品だと個人的に感じた。

ストーリーは「原作+劇場版オリジナル」という構成なので、原作を映画版で完全再現してほしい、という人たちには「あの場面がない!」と感じる人もいるかもしれない。今回は「宮城リョータ」を軸にストーリーが進んでいくので、他のキャラクターに思い入れがある人はなおさらだろう。一度完結した「物語」は、そのままにしてほしい、と感じる人もいるだろう。妻の友人たちのように「原作派」の人たちには、抵抗を感じる部分があるのかもしれない。

FIRSTの意味は?

ちなみに私は「劇場版オリジナル」を楽しみたい派である。作者の解釈の変化により、表現に変更が生じる場合も「なるほど、作者の中でこのように変化したのか」と、その違いを考察してみたいと感じる方である。私と同様の楽しみ方をする方には「おすすめ」したい作品である。ぜひ映画館で確かめてみてください。

しかしそれにしても、スラムダンクが完結したのは、1996年だからもうすでに26年前の作品ということになる。26年か。当時産まれた子が学校を卒業し、社会で活躍している時間である。どうりで私も歳をとるわけだ。映画館の中を見渡すと、私と同世代と思われる人たちの姿も目についた。みんな、それぞれの人生で26年という時間を過ごし、そしてここでこうやって一緒に映画を観ている。そんなことを考えると、なんだか不思議な気がしますね。


さて、さいごにまとめらしきことを買いておくと「THE FIRST SLAM DUNK」は、私たちのような「リアルタイム世代」が過去を懐かしむノスタルジックな世界観というよりも、現代の風を汲み取って再構築された作品であると感じた。随所から作者・井上雄彦先生の凄みが伝わってきた。つまり「観てよかった!」作品でした。そして付け加えるならば、IMAXでの鑑賞をおすすめしておきたい。

そして本作品のタイトルに記載されている「THE FIRST」の文字。これは、続編がある、という意味なのか? それとも「初めて出会う」という意味でのFIRSTなのか?



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