【写経体験】定義如来 西方寺(宮城県仙台市)で、写経をする【定義さん】
定義如来 西方寺で「写経体験」
ネットで「写経体験 仙台市」と検索すると、いくつかヒットしたのだが、開催されるのが平日だったり予約が必要な寺社が中心であった。そのような中で「定義如来 西方寺」では、予約なしで当日参加が可能という情報を目にした。定義如来 西方寺へは、今までに何度か参拝させていただいたことがある。毎回「定義とうふ店の三角あぶらあげ」を食べて満足して帰っていたのだが、写経ができるとは知らなかった。妻を誘ってみたところ「ぜひ行きたい」ということだったので連れ立って出かけることにした。
今回は車ではなく仙台市内から「電車とバス」で移動した。仙台駅から仙山線に乗車し「愛子」で下車。そこから市バスに乗り換えて終点の「定義」まで合計1時間30分ほどだった。今回は事前に乗り継ぎを確認して行ったのでスムーズに移動できたのだが、バスの本数が1時間に1本程度で、2時間ほど間隔が空いてしまう時間帯もあるので確認しておくことをおすすめしたい。
バス停で降り、参拝客で賑わう参道をまっすぐに歩いていくと、見事な彫刻が施された「山門」に到着する。入り口左右に並んでいる金剛力士の前に立つと「定義さんへ到着した!」という気分になる。妙な高揚感がある。門を通り「さて、写経はどこでできるのだろう?」と周囲を見渡しながら進んだところ、門を真っ直ぐに進んだ正面の「御廟貞能堂」の階段の横に写経に関するお知らせが掲示されていた。
どうやらこちらのようだ。しかし受付はどこだろう? と迷ってしまったので、近くで掃除をされている方に質問すると「ここです。中に進んでください」とのこと。靴を脱いで、おそるおそる階段をあがらせていただくと「御廟貞能堂」の中に写経ができる場が設置されていた。受付などはなく、書かれている説明を確認しながら個人で自由に参加できる流れになっていた。
写経のお手本は数種類用意されていて、その中から自分で選択することができる。今回私たち夫婦は「般若心経」を選ぶことにした。お手本を見た時は「最後まで書き切れるだろうか」と迷いが出たが、何度もできることではないし時間制限もないようなので挑戦してみようと「般若心経」に決めたのだった。
私たち夫婦の他に、5名ほど写経をされていた。他の方の邪魔にならないよう、一番後ろの席に並んで席をとった。机の上には、あらかじめ写経に必要な道具(筆ペンあり)と説明が置かれているので、それを読み確認してから始めることにする。
このようにお手本を置き、1文字ずつ写していくのである。私は習字は得意ではない。筆ペンも人生の中で数回程度しか使ったことがない。上手に書くことはできないだろうけれど、丁寧に書くことを心がけて進めていくことにする。
いざ始めて見ると、予想以上に集中できている自分がいた。何分ほど写経していたのか、感覚が曖昧になっている。40分くらいだったかもしれない。50分は越えていないように思う。とにかく、1文字1文字書き進めていくうちに、想像していたよりも淡々と最後まで写すことができた。これだけ集中して「手書きで、しかも筆で文字を書いた」のは本当に久しぶりだ。最後に名前を書き込んだ時は、達成感よりも「ああ、もうこれでおしまいか……」と、どことなく寂しいような気分もあった。不思議なものである。
写し終えた用紙は正面の指定の場所へ納め、あわせて納経料を納めさせていただく(一巻500円からお気持ちで、とのこと)。のちほど、如来様に奉納していただけるとのこと。私の拙い字が「奉納される」と考えると恐縮の極みであるが、よろしくお願いしますと手を合わせて拝む。これで写経体験は終了である。
はじめての写経体験、ということで躊躇し戸惑った部分もあるのだが、見様見真似ながら無事に納めることができた。寺社という場で、静かに写経をするという時間は(このような表現が適切であるかは、わからないが)一度、体験してみるのもよろしいかと思う。
私たち夫婦は「参加してよかった」と思ったし、また時を見て参加してみたいと感じた。できることならば、旅先でも体験してみたい。写経を通して仏教を学んでみたいとも思う。すこしだけ人生の幅が広がったような、そんなことを感じたのでした。
※今回の情報は2024年10月のものです。詳細は公式サイトでご確認ください。
【参考】定義如来 西方寺 公式サイト
☝筆者:佐藤隆弘のプロフィール