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秋保温泉のおはぎ さいちへ行ってきた。

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秋保温泉 へ行ってきた。 今回の目的は磊々峡へ紅葉狩りを楽しむこと。で、その様子を書く予定だったのだが、それ以上に興味深いことがあったので、当初の予定を変更して「秋保のおはぎ さいち」について書いてみたいと思う。 秋保に「おいしい、おはぎの店」があることは聞いていた。そして、どうやら凄い人気であることも聞いていた。が、「秋保温泉にまで来て、わざわざおはぎというのもな・・・」と、斜に構えていたので、今まで何度も秋保温泉に来ていたというのに、全く足が向かなかった。 ところが今回は、連れが「さいちで、おはぎを買おう」と言ってきた。「今まで、何度かここ(秋保温泉)に来たけど買えなかった。今回は寄ろう。買おう!」と主張してきたので、昼食の前に寄ってみることにしたという訳だ。 店の前に到着して、驚いた。すごい車。駐車場は満車状態。店の前で係員が3人ほど「満車」のプレートを持って車を誘導している。こんなに混んでいるのか? みんな、おはぎを買うために??? と、とりあえずUターンをして戻ってくると、運良く空きができたので駐車することができた。そして、指定された場所に止めて驚きその2。「ここって、普通のスーパーなのでは?」 自分は「おはぎ専門店」のような店舗をイメージしていて、おはぎだけがカウンターに並んでいるような、こじんまりとした(なにせ、ここは秋保温泉のド真ん中なのだ)店構えを想像していたのだが、目の前にあるのは普通のスーパーだ。いわゆるパパママストアというやつだ。連れが「普通のスーパーなんだよ。スーパーの中で売ってるの」と、説明してくれる。そうだったのか。 よし、それではさっそく、と店内に入ってみると、確かにスーパーだ。普通のスーパーだ。いろいろあれこれ売っているスーパーだ。そして、あるコーナー周辺だけ、異常なまでに人が集中している。そして、手に抱えられた「おはぎ」のパック・・・一人で5〜6パックくらい、まとめ買いしているじゃないか。おはぎって、そんなにたくさん食べるものなのか? いや、まあ、おみやげだよな、と熱気に押され、ぶつかって少しよろけたりしながら、棚の前に辿り着く。 当日は、日曜日の午前中だったのだけど、棚は、ほとんどスカスカ状態だった。そして見ているそばから売れていく。当初は、買わないつもりだったのだけど、つられて家へのおみやげ

夏の八幡平へ(2)八幡平散策からふけの湯

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八幡平を散策する 夏の八幡平へ(1) 2日目は、いよいよ今回のメインイベント。八幡平(標高1.613m) のトレッキングである。 ルートは「八幡平山頂レストハウス」を出発し、八幡沼や湿地帯などを散策しつつ、八幡平頂上を目指す。そして下山。 全行程で90分ほどで一周 で手軽さながら、山の雰囲気を十分に楽しめるという充実のコースである。 当日は夏休みの最中ということもあり、団体客や家族連れでにぎわっていた。さらに、ここに掲載している写真を見ていただければ、おわかりいただけるように、見事な晴天に恵まれて、楽しい時間を過ごすことができた。 今回は、 八幡沼を周遊してガマ沼の横を通り頂上へ向かうコース を選んだのだけど、八幡沼周辺の湿原は非常にすばらしく、ゆるやかな地形の木道をポクポクと歩いていると「ここは、北欧か?」(まだ行ったことないですが…)というような透き通った気分に浸ることができた。 道も整備されているし特に危険な箇所もないので、小学生でも楽しみながら歩けるコースだと思います。 もちろん手軽なコースとはいえ、山は山なので、基本的な装備をしていくことをお忘れなく。 ちなみに、登山口である見返り峠駐車場の利用料金は410円(平成24年8月現在)。この利用料金は、施設の維持管理や清掃などに使われるということでした。 下山後は、レストハウスにて、お土産の購入。そして食事。人気の「源太カレー」を食べて、先ほど歩いて来た八幡平の風景に想いをめぐらせる。たのしいひととき。食事を終えて次に向かうのは下山後の「お約束」である温泉だ。 山のあとは、温泉。ふけの湯へ 八幡平周辺には、魅力的な温泉が多いのだけど、今回選んだのは「 源泉秘湯の宿 ふけの湯 」。ここも 昨日行った「藤七温泉 彩雲荘」 に負けずおとらず、秘湯の雰囲気満載のすばらしい温泉だった。 この写真を見ていただくと、おわかりいただけるかと思うのだが、 山間に温泉が沸き出したので、そこに湯船を設置して露天風呂にした 、という野趣あふれる温泉なのである。写真の右下の方にある岩場に、男女別の露天風呂がひとつずつ。写真には写っていないけれど、左側の方に混浴の露天風呂がひとつ。さらに建物の方に、内風呂と露天風呂が男女それぞれひとつずつ、と複数

夏の八幡平へ行く(1)藤七温泉「彩雲荘」

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夏の八幡平へ行く(1) 夏休みに八幡平へ行ってきた。 目的は、八幡平へ登ることと、周辺の温泉めぐりをすることだ。行程は一泊二日。そこそこゆとりのある日程で、のんびりと過ごすのが目的である。 アスピーテラインへ向かい、 北緯40度を通過 宮城県の泉ICから高速道路にはいって北上。八幡平への最短ルートだと、松尾八幡平ICで高速を降りてアスピーテラインに向かうことになるわけだけど、今回は、 松尾八幡平ICでは降りずに、 さらに北上して秋田の鹿角八幡平ICで高速を降り秋田側からアスピーテラインに入るルートにした。 なぜこのルートにしたかというと、宿泊地が八幡平温泉郷なのでアスピーテラインを往復して戻ってくるのではなく、一旦秋田側に出て八幡平方面に戻ってくる形にしようと思ったからである。さらにつけくわえれば、秋田を少しだけでも走ってみたかったからである。と、文章にするとわかりにくいと思うので、興味がある方は下の地図で確認してみていただきたい。ちなみに、鹿角八幡平ICから秋田側のスピーテラインまでは、車で3〜40分くらいの走りやすい道でした。途中にガソリンスタンドやコンビニ等はほとんどないので、IC付近で給油等を済ませておかれた方が安心かと思います。 そんなわけで、予定通りに秋田側からアスピーテラインに向かう。アスピーテラインの入口付近に「北緯40度」のモニュメントとトイレがあったので、そこで一旦休憩をしてから、アスピーテラインに入っていく。 ここは、いわゆる山岳道路というやつで、ところどころ急な坂が続いたりもするけれど、道幅も広いし(観光バスも走っていた)眺めも良く、とても気持ち良く走ることができる道だった。とりわけ当日は晴天だったので、今まで自分が登ったことがある遠方の山も眺めることができて、うれしかった。こうやって、過去の登山の思い出に浸ってしみじみできるのも、山登りの醍醐味のひとつですね。 後生掛自然研究路で、大地のパワーを見学する 美しい景色を眺め鼻歌を歌いながら、最初に立ち寄ったのが「 後生掛自然研究路 」。ここは、噴湯地をぐるりと巡ることができる、自然研究路。ゆっくりと歩いて、一周3〜40分のコースだ。整備された道を歩いていくと、いたるところで「ポコポコ」と噴泥している様子を間近

初夏の秋保大滝へ

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7月中旬。 梅雨の晴れ間に、秋保大滝へ行ってきた。 前回、ここにやってきたのは、ちょうど6ヶ月ほど前。その時は、雪が深かったため秋保大滝へ向かう道を先へと進むことができず、途中で引き返してしまった。なので、今回改めて、天気の良い日を選んでここにやってきたというわけだ。 休日ということもあり、たくさんの家族連れでにぎわっていた。靴をぬいで川に足をひたす子供たち。足をすべらせて、腰のあたりまで水に浸かって青ざめてしまう子もいれば、水中眼鏡をかけて、深くもぐろうとしている子もいる。そして、その様子を写真におさめようとカメラを構える親の姿。まさに夏休み(実際には、まだ夏休みには早いのだけれど)といった風景だ。 実は、というほどの事ではないかもしれないが、今回この文章を書くにあたって秋保大滝について調べてみたところ、この場所は「宮城県仙台市太白区秋保町」になるのだそうだ。ずっと、宮城県秋保町だと思い込んでいたので、今回確認することができてよかった。つまり秋保大滝は「仙台市内にある、滝」ということになるわけだ。そんなことわかっているよ、という人の方が多いと思うのだが、個人的にはちょっとした気づきだったので、ここに記してみた。ちなみに、秋保大滝は国の名勝にも指定されていて「日本の滝百選」にも選ばれている。これも、ついさきほど確認したばかりの情報なのだが、さも昔から知っているかのように書いてみた。 名勝・秋保大滝で涼しい風を堪能したあとは、秋保温泉にむかってホクホクと身体をあたためる。今回寄ったのは「市太郎の湯」である。ここにはもう、何度かやってきているのだけど、日帰り温泉施設なので気軽に立ち寄れるし、露天風呂の雰囲気もいいので気に入っている。当日は利用時間が18時30分まで(季節によって変動あり)だったので、7月の長い太陽の光を楽しみながら、ギリギリまで入浴してのんびりと過ごしてきた。滝を見て、温泉にはいって、綺麗な景色をながめて、なかなか充実した休日になりました。

小原温泉 岩風呂かつらの湯へ

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小原温泉 岩風呂 かつらの湯へ行ってきた。ここは、以前あるブログに書かれていたレポートを見てから、一度行ってみたいと思っていた温泉。 実は(と、いうことのほどでもないが)本当は、別の温泉へ行こうと思っていたのだが、そこは日帰り温泉ができる旅館が3時で終わってしまっていたため、仕方なく地図を見て辿り着いたところに「かつらの湯」があったといういきさつがある。 駐車場に車を止めて、設置されている看板を見たところ「おっ、こんなところに『かつらの湯』が」といった感じである。偶然というものは、時としてありがたいものだ。もしかしたら今日は、ここの温泉につかるために、最初の温泉で拒否されたのかもしれないな、とさえ思えてくる。目の前のできごとで、いちいち凹んではいけないのである。 ここの温泉の特色は、なんといっても「岩風呂」だ。岩風呂といっても、岩で括った風呂ということではなく、鍾乳洞のように階段で下に降りていった場所に湯船があるという、面白い造りになっている。入口から下の方を覗き込むと、数m下の方にお湯につかっている人の姿が見えるという、なかなか趣深い岩風呂なのである。 わりと急な階段を降りて、簡単に仕切られた脱衣所で服をぬぐ。湯舟はさほど大きくはない。7〜8人もはいれば、かなりきつい感じだ。ここは源泉からの湯をそのまま流しこみ、さらにその湯を川に流していくのだそうだ。なので、洗剤等は一切使えないことになっている。横においてあった桶を使って、じゃぶじゃぶと身体を洗ってから湯船につかる。見上げると、見事な岩肌がずっと上まで続いている。鍾乳洞の中で温泉にはいったら、こんな感じなのだろうなと思う。それでも、圧迫感や威圧感を感じないのは、温泉のあたたかさがあるからなのだろうか。しばらく、上の方を眺めながら、ぼーっとする。 岩の上の方に、植物が生えているのが見えた。少し遠くて形がよくわからなかったけれど、小さな花のようにも見える。よくもまあ、あんなところに、わざわざ、という気もするけれど、花は花で自分の意志であの場所を選んだ訳でもないだろうし、何かの偶然や必然であの場所になったのだろうけど、そのおかげでこうやって色々なことを考えることができたので、あの花の生命力には感謝したい。何を書いているか、よくわからないのは、そのくらいぼーっとした気分でのんびりできる場所だった、

秋保温泉へいく。

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ここ最近、いわゆる「スーパー銭湯」のような施設に行って、大きな浴槽でのんびりと湯を楽しんできたのだけど、やはりこのあたりで「温泉」にはいりたくなってきた。 そんな訳で出かけたのが、秋保温泉。ここは、仙台市内からも車で1時間ほどで到着することができる温泉街。日帰りで温泉を楽しむには、最適の場所だ。 秋保へ向かい、まず最初に向かったのが「秋保大滝」。いきなり温泉にはいるのではなく、周辺を観光して身体を冷やして?から、温泉を堪能しようという考えである。秋保大滝には何度か来たことがあるけれど、真冬(1月)のこの時期に来るのは初めてだ。 わざわざ、このように小雪が待って風が吹いている時期に、さらに冷え込みそうな滝を見に来る人なんて、自分たち以外にはいないのではないか? と思いつつ、すべりやすい雪の階段を下りて行くと、やはり観光客はいない。自分の他には、大型の一眼レフカメラを構えた男性が、一人いるだけだった。 手すりに近寄り、滝を覗き込むと、見事な滝の姿が見えた。冬だから水量が少ないのではないか、と何となく想像していたのだけど、さにあらず。見事な滝がびしっと冷え込んだ空気の中を、滔々と流れ続けていた。今、ここまで書いて「滝が流れる」なのか「滝が落ちる」なのか、どちらなのだろうと思った。「流れる」だと垂直方向よりも川のような印象の方が強くなるような気がするのだけど、とりあえず今回は「流れる」にしておくことにする。機会があれば、調べてみようかと思う。 さて、本来だと「滝壺」まで降りて行き、できるだけ近くで滝を見てみたいところなのだが、今回は雪も多いし道もすべって危険そうだったので、遠巻きに眺めて帰ることにする。今度は、紅葉の時期にでもやってこようと思う。 秋保大滝を後にして、次に向かったのは「太田豆腐店」だ。秋保に来たならば、ここの豆腐を食べておきたいところ。今回は「竹豆腐(写真)」を店内の椅子に座って、もくもくと食べた。 自分は豆腐が好きなのだけど、豆腐料理なら毎日食べても飽きないと、思うくらいなのだけど、ここの豆腐は大豆の味がしっかりとして、ほのかな甘みと舌にまとわりつくような食感が楽しめるので、とてもおいしい。今回は2種類の竹豆腐があったので、それぞれを食べくらべてみた。同じ「豆腐」でも、オレはこちら、わたしはこっち、という感じで違い

月山登山(秋)。

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今年(平成23年)の月山は「 兎 歳御縁年」にあたるそうだ。「 十二年に一度の卯歳御縁年で、なにかすごいご利益があるみたい」と、連れに誘われて月山へ登ることになった。 月山といえば、 深田久弥氏の「日本百名山」にも収録されている有名な山。地元の人ならば、ほぼ全員が知っているし、うちの両親も登ったことがある山だ。そんなに有名な山だというのに、なぜか今まで縁がなく登ることがなかった月山に、今回いよいよ挑戦することになった。 月山へは、地元の仙台市から、車で約2時間ほどで到着した。東北自動車道の仙台宮城ICから入って、山形自動車道へ入り、月山ICで降りる。そこから県道112号に入って、途中の看板を目印に進むと「姥沢駐車所」へと到着する。特にわかりにくい道もなく、スムーズに到着することができた。 途中、山形自動車道の古関PAで休憩をとったのだが、連れが食べた「朝定食」は非常においしかったそうだ。「ワンコインで、あれが食べられれば十分に満足」とのことだったので、気になる方は試していただきたい。「納豆が大粒でうまかった」とも言っていたので、大粒の納豆が好きな方は期待大だと思う。 おいしい食事を済ませた後は、気合いを入れ直して登山口へ向かう。今回は「姥沢ルート」を登る。まず、姥沢駐車所から歩いて「月山ペアリフト」の下駅へ向かう。途中入山協力金の徴収窓口があるので、そこで1人200円(2011.10現在。時期により変動するようなので、ご確認ください)支払いつつ受付の方に「今日は雨は降りますかね?」と質問してみる。その方に「今日は大丈夫でしょう」と即答されたので、雲の隙間から見える青空を眺めつつ意気揚々とリフト乗り口へと向かった。(この時の係の方の台詞が後々、深い意味を・・・(笑)) スキーの時にリフトを利用したことは何度もあるが、登山で利用するのは初めてだ。なんとなくうれしい。15分ほど、時折山から吹き下ろしてくる風に、ゆらゆらと揺られながら高度を上げていく。近くに、遠くに見える紅葉がうつくしい。山々峰々も静かに霞んで見える。リフトからおりて、休憩小屋の前を通り過ぎていよいよ山へ入る。 リフト上駅から「牛首」の分岐点をめざす。整備された木道を、淡々と歩く。とても歩きやすく危ないところもほとんどないので、小さなお子さんと一緒に月山に登る方は、このあたりまで

渋温泉で九湯巡りに挑戦 秋の長野を巡る旅(5)

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上高地を出て、本日の宿へと向かう。今回選んだのは「 渋温泉 」だ。渋温泉は、長野県の東北の方、野尻湖のやや東に位置する温泉街である。 なぜここを選んだかというと、この渋温泉には 「宿泊客しか利用できない外湯が9つあり」そして「それをすべて巡ると、満願成就」という言い伝えがある という情報を知ったからだ。 こんなに面白そうな温泉があるなら、行くしかない。宿泊客しか利用できないというのもいいじゃないか、と決定したのだった。 温泉宿へは午後の5時くらいについた。すでに、浴衣を着た人たちが、下駄の音を響かせながら温泉街を歩いている。石畳の道に響き渡る下駄の音。自分も早く「あの一員」になりたいと、自然と気分が高まっていく。 宿の部屋は2回の角部屋。温泉街のメインに面していて、お客さんたちが道を歩いている姿を眺めることができる。浴衣にカメラを手にして、何度も立ち止まりながら写真を撮影している人。2階の部屋にまで、会話の内容がはっきりと聞こえるほど大きな声で、ゆっくりと歩いて行く人。母親に手をひかれながら、湯屋に入っていく子供。恋人同士と思われる若い2人組。さまざまな人たちが、下駄の音と一緒に道を歩いていく。 いそいそと浴衣に着替えてから、さっそく 「九湯巡り」の計画 を立てる。一度に9つは、さすがにきつい。夕食の前に3つ。夕食後に3つ。朝一番に3つくらいのペースで巡ろうか、とおおまかな計画を立ててから出発。 ここの九湯巡りには「 巡浴祈願手ぬぐい」 というアイテムがある。その名の通り、外湯の名前が縦に書かれた手ぬぐいで、そこの湯につかった証としてスタンプを押していく仕組みになっている。そして、すべてのスタンプが押された手ぬぐいを持って、最後の仕上げに高台にある高薬師さんに詣でるという流れになっているわけだ。 この手ぬぐいが、九湯巡りの面白さを引き立てていて、もはや湯を楽しむというよりも 「すべてのスタンプを押す」ことが目的 になってしまっているような気がするくらいだ。実際に、風呂に入らずにスタンプだけを押して回っている人や、足先だけにお湯をかけてすぐに外に出てしまう人も、何人か目にした。外湯が利用できるのは、夜の10時まで。そして朝は6時から。人によっては、ひとつの湯を数分で巡らないと間に合わない人もいるだろうから、いきおいそのような巡り方にな

蔵王温泉へ行く(2)共同浴場「上湯と下湯」

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( 蔵王温泉へ(1)のつづき )食事を済ませて腹も満たされた後、次に向かったのは、蔵王温泉の中心部にある共同浴場「上湯」。温泉神社を目指して、坂をあがっていくと味のある看板がかけられた上湯の建物に到着する。 ここは無人なので、入口に設置されている料金箱に「200円(子供は100円)」をいれるシステムになっている。昔からずっと、地元の住民に愛されてきたのだろうな、という雰囲気の浴場だ。 中にはいると、硫黄の臭いと檜の香りが、ふわっと香ってくる。先ほどの大露天風呂と同じ、 翡翠色のお湯が湯船になみなみと注がれている。すでに、5人ほどの先客が中にいたのだけど、あまり窮屈に感じさせない、落ち着いた雰囲気のある共同浴場だ。 身体をお湯で流してから、ざぶりと湯にはいる。大露天風呂と比べると、こちらの方が、だいぶ熱いように感じた。すでにさきほどの風呂で、身体は十分に温まっていたので、よく磨かれて手入れがされている建物の中を眺めてから、早めに外に出た。初秋を思わせる風が心地よかった。 上湯を出て、坂を少し下ったところに、もうひとつの共同浴場の「下湯」がある。坂の上と下に建てられているから「上湯と下湯」なわけだ。わかりやすいし、昔ながらの歴史ある温泉街といった感じがする。建物の雰囲気も、いい。 以前、長野の野沢温泉に行った時のことを思い出す。野沢温泉も、温泉街に湯屋が13ほど建てられていて、すべてを無料で巡って楽しむことができた。その時は初冬だったので、一日で3〜4つほど巡ったけれど、今日はさすがに暑くてのぼせそうなので、下湯の方は建物を眺めただけで終わりにした。 小学3年生と1年生くらいの兄弟と思わしき2人組が、風呂からあがってきて、建物の前をはしゃぎながら走り回っていた。母親が名前を呼びながら、あまり遠くへ行ってはダメよ! などと大きな声で呼びかけているけれど、子供たちは全くいうことを聞こうとしない。すぐそばに腰掛けていた老夫婦が、その様子をにこにこしながら目で追っている。たぶん、こうやって、昔からこの場所では同じような風景が繰り返されてきたのだろうな、と考えたりした。 こうやって、湯舟につかるだけではなく、街並を眺めたりしながら歩いているだけで、どんどん心地よい気分になれるのが、昔ながらの温泉街の楽しみのひとつ

蔵王温泉へ行く(1)

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蔵王温泉へ行ってきた。 風呂からあがり、駐車場で玉こんにゃくを食べる。1個100円。うまい。子供のころは、玉こんにゃくを、特に食べたいと思ったことはなかったけれど、最近は無性に食べたくなったりする。大人になったのだろうか(笑)それにしても、うまい。 この温泉宿は、以前、何かの本で「蔵王温泉大露天風呂」の記事を読んだ時から、いつか行ってみたいと考えていた場所。8月の最後の日曜日に、夏の締めくくりとして行くことにした。 蔵王温泉へは、仙台市から高速道路を利用して、1時間45分ほどで到着した。当日は、高速道路の料金所周辺が渋滞していたし、車の量も多かったので、通常ならばもう少し短い時間で到着できるかもしれない。どちらにせよ、日帰りでドライブに行くには、ちょうどいい距離だ。 高速道路をおりてから、山形市内を走り、峠の方へと向かっていく。すごく天気がよくて、青い空に白い雲が力強く盛り上がっている。仙台市内は、もうすでに秋の気配が漂っていたけれど、山形はまだまだ夏真っ盛りといった感じがした。 蔵王温泉は標高900mにある温泉郷だ。整備された道を、周りの景色を楽しみながら、ゆっくりと走っていく。一緒に走る車は、ほとんどない。忘れたころに、数台の車とすれ違う程度だ。すごく気分がいい。 温泉街に入ると、急に道幅が狭くなる。狭くて急な坂の道を走っていると「温泉に来た」という気分になる。硫黄の臭いもわくわく感を高めてくれる。早く車から降りて、温泉に飛び込みたいという気分になる。 まず最初に向かったのは「蔵王温泉大露天風呂」。5〜60台ほど駐車できる駐車場は、ほとんど埋まってしまっている。ツーリングの途中だと思われる、バイクも10台ほど並んでいる。駐車場の端の方に空きスペースを見つけたので、いそいそと車を止めて受付へ向かうことにする。 味のある門(写真)をくぐり抜けて、受付&脱衣所へと向かう。湯船に浸かって話している人の声が聞こえてくる。受付で450円を支払い、脱衣所へ。ここではコインロッカーに脱いだ服をいれておくのだけど、100円が必要になるので忘れずに用意しておきたい。 手早く服を脱ぎ、湯船に向かう。 想像していたよりも大きく、広い。「200人がはいれる」という説明があったけれど、確かに大げさではないかも

真夏の遠刈田温泉へ行く(八月 お盆の頃)

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遠刈田温泉で、立ち寄り温泉を楽しんだ日 ひさしぶりに遠刈田温泉へ行ってきた。 遠刈田温泉は、仙台市内の自宅から片道1~2時間程度で行ける手頃な距離なので、時々遊びに来ていた温泉地。震災後、久しぶりに遠刈田温泉の湯につかりたくなり、でかけてみることにした。 普段は一般道路を通って、ゆっくりと現地に向かうのだけど、今回は夏休み中ということで、途中の道路が混雑しているかもしれないと思い、高速道路を使って行ってみることにした。 一般道路を使うと、仙台市内からだいたい1時間40分ほどで到着する。それが高速を使うと、1時間20分ほどで到着できた。 その差20分。 時間にすると「20分程度?」という印象を受けるけれど、信号待ちもないし、一定の速度で淡々と走ることができるので体感時間よりも、かなり早く到着したように感じた。 ただし途中の道路が震災の影響により、片側通行になっているところもあったので、これから遠刈田温泉へ向かう方は、注意をしていただきたい。途中、片側交互通行の信号機を無視して、こちらに突っ込んできた車が一台あったので対向車が見えにくい場所などは特に注意をした方がいいかもしれません。 松川の遊歩道を散策する 到着後、目的地である 「共同浴場の神の湯」 に行こうかと思ったのだけど、入口周辺にたくさんの観光客の姿が見えたので、後回しにして周辺を散歩してみることにした。 遠刈田温泉の周辺には、 松川という綺麗な川が流れて いて、この川に沿うように遊歩道が整備されている。この遊歩道は、川の流れを眺めながら、遠くに霞んで見える蔵王の山々を拝むことができるので、歩いていると気分がいい。 川の水はとうとうと流れていき、里山が遠くにぼんやりと霞んで見える。当日は、真夏で気温が30度を越えていたのだけど、川の方から流れてくる風のおかげで、さほど暑くは感じない。 遊歩道に設置されていたベンチに寄りかかって写真を撮っていると、地元の方に「こんにちは」と会釈をされた。とても自然で、感じの良い笑顔だったので、僕もつられて笑顔になってしまった。その方は遊歩道の向こう側へと歩いて行く。僕はベンチに留まって、写真を撮ったり川を眺めたりしていた。 しばらくして、その方がまたこちらの方へ戻ってきた。その手には見事な

ランプの宿青荷温泉 初夏の青森を巡る旅(5) 

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ランプの宿 青荷温泉へ 2日目の宿は、秘湯「ランプの宿青荷温泉」だ。この宿を選んだ理由は、偶然に予約サイトで見つけたからなのだけど、予約が完了した後に様々な雑誌で紹介されていることを知り評判が良いことを知り、期待感が高まっていた。 ここの宿の特徴は、その名前の通り照明関係が、すべて「ランプ」であるということ。部屋にコンセントもないからテレビなどもない。昔ながらの秘湯の風情が楽しめる宿ということだ。いわゆる現代の文明の利器が存在しない場所なわけで、そのようなところでどのような時間を過ごせるのか、とても楽しみにしていた。 宿への道は、高速道路の黒石ICから102号線へ向かい、そこから山の中へと入っていく。登山をする時に通るような、細い道を想像していたのだけど、きちんと舗装されていて(急勾配のところはありましたが)回りの風景を楽しみながら走ることができた。 宿に到着したのは午後6時ころ。すでに駐車場は満車状態で、あと2台ほどしかスペースがない。人気がある宿なのだな、と思いながら受付に向かうと「すでに食事が始まっているので、お早めに」と言われる。もう食事? お早めに? と、食事の場所になっている大広間をのぞくと、すごい人の数。100人以上は、いるかもしれない。すでに、ほとんどの方が食事を始めていらっしゃった。ランプのぼんやりとした明かりしかなくて周囲が良く見えないから熱気を強く感じる。修学旅行の時に、大勢で食事をした時のことを思い出す。なんとなく懐かしい気分になる。 ホタルが飛ぶ池へ 食事を済ませた後、宿の人に「午後の8時くらいになると、ホタルが飛ぶ池がある」と教えてもらっていたので、風呂にはいる前に行ってみることにする。少しの間、じっと立っていると、蛍がスーッと横切るのが見えた。そういえば、と思う。自分が住んでいる仙台も、20年以上前には、車で郊外に移動をすれば、蛍を見ることができた。道路に座って静かにしていると、やがてあちらこちらに小さいけれど強いエネルギーがこもった明かりが灯り始める。空中を横切るもの、草の上にとどまるもの、そして、自分達の服の上で輝くもの。目の前で、たくさんの蛍を見ることができたものだ。 もちろん、ここ10年くらいの間に、蛍の姿を見る事はできなくなった。そして先の地震で

新緑の銀山温泉へ

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6月の銀山温泉へ(日帰りの旅) 銀山温泉 へ行ってきた。 銀山温泉は「一度行ってみたい」と思っていたものの、なかなか行く機会がなかった場所のひとつ。なので、行く事が決まってからはとても楽しみにしていた。 地元の 仙台市からは、車で片道100km ほど。国道48号線→国道13号線→国道347号線→県道188号線(銀山温泉着)というルートで、途中休憩(昼食)の時間もいれて約4時間で到着。道も整備されていて走りやすかったし、国道347号線に入ってからは、対向車も後続車もないという、気持ちの良いドライブを楽しむことができた。 事前に 「一般駐車場は狭く、場所がわかりにくいので注意」 という情報を聞いていたのだけど、確かにわかりにくく駐車できる台数も限られているので、初めて行く方は気をつけた方が良いかもしれない。気が付かずに、駐車場の前を通り過ぎてしまい、間違って坂を降りてしまうと、狭い場所をUターンして戻ってこなければなければならないので注意が必要です(実際に何台もの車が、Uターンしていた)。 無事に空きスペースを見つけられたので、車を降りて温泉街を歩き出す。観光案内のパンフレットなどで目にしていた銀山温泉の風景が、目の前に広がっていく。同じような形式の建物が並んでいるのかと想像していたのだけど、実際は ひとつひとつの建物ごとに個性がある 。それぞれに旅館のオーナーの趣味が感じられて、とても面白い。「あそこがこうなら、うちはこれだ」などと、張り合いながら、この風景を作っていったのではないか? などと想像しながら眺めているのも楽しい。 銀山温泉の湯の中で、ふと考える。 温泉街の突き当たりに、白銀の滝がある。午前中に雨が降っていたせいか、水量が多くて迫力がある。近くを通ると、冷たい霧がふんわりと顔や手足にまとわりついてきて、とても気分がいい。滝が流れる様子を横目で見ながら、 日帰り温泉可の瀧見館 というところで、温泉につかる。 露天風呂に行き真っ青な空を眺めながら、しばらくぼんやりとする。手足を伸ばして、ゆっくり深呼吸をする。いったい、どのくらいの人が、ここから空を眺めたのだろうか、と考える。何を考えて、何を思って、空を眺めたのだろうかと考える。 銀山温泉のホームページ によると、銀山の最盛期が寛永8・9年(1631年)で、 温泉

鳴子温泉の共同浴場「滝の湯」へ

鳴子温泉 滝の湯へ 先日、ちょっとした旅の帰りに、鳴子温泉に立ち寄ってみた。もしも自分が、県外から遊びにいらっしゃった方に「宮城県内で、おすすめの温泉は?」と聞かれたならば、 「鳴子がいいと思いますよ」 と答えるだろう。すこしピリッと感じる、熱くて白く濁ったお湯が、とても心地よい。鄙びた雰囲気の温泉街に漂っている、硫黄の臭いも温泉に来たのだという臨場感を、高めてくれる。まさに 自分の中での「温泉」というイメージに、ぴったり の場所だからだ。 駅前から少し離れたところにある、無料駐車場に車を 置く 。車から降りた途端に、あの独特のにおいが、鼻をついてくる。当日は霧雨が降っていたのだけど、それでもしっかりと臭いが漂ってくる。一気に温泉に来たぞ、という気分になる。 いそいそと、タオルを手に持って、目指すは、 共同浴場の「滝の湯」 。個人的に、鳴子に来たならばここは寄っていただきたい。服を脱ごうとすると、肩がぶつかるような狭い脱衣所に、10人も入ったら満員になりそうな、ちいさな湯船。 いやいや、これは批判しているのではない。いかにも「日本の温泉」という雰囲気を直に感じられる貴重な共同浴場という意味である(ホームページによると「 鳴子温泉神社の御神湯として千年の歴史をもつ古湯」とのこと )。木枠から「ザブザブ」と掛け流しになっている、お湯の様子を見るだけでも、気持ちが癒されてくる。これぞ、贅沢と言った感じがする。しかも 入浴料金は150円 だ。お得すぎる(2010年現在) せっけんなどはないので、ケロヨンの黄色い洗面器にお湯をためて、頭や身体を、ざぶざぶと洗う。タオルでごしごしと身体をこすっただけでも、日頃の垢が落ちていくような気分になる。おそるおそる(温泉に入る時は、慎重になるのは、なぜなのだろう?)湯船につかる。 記憶の中にある泉質よりも、心なしか穏やかになったような気がする。少し、湯の温度も下がったかな。 もちろんそれでも、ここの湯が心地よいことは、かわりない。湯の華が漂っている湯船の中に、ゆっくりとつかっていく。思わず、ふーっ、と息が深くなる。天井を見上げる。身体がふわっと、浮き上がるような感覚になる。 当日は、自分以外に7人ほどの、お客さんがいたのだけど、全員、かなりの長風呂で、何をするわ