4.7 現実の世界が動く音。


4月7日午後11時32分。

宮城県沖を震源地とした余震が起きた。宮城で震度6強 M7.4。地球にもてあそばれるかのように、体が左右に大きく揺らされる。家全体が、波打っているように感じる。嫌な音が聞こえる。いろいろな音が混じり合った、頭の奥に突き刺さるような音が聞こえる。「またか」と思う。また、3月11日に逆戻りするのか、と思う。
その日の夜(正確には次の日の深夜)。twitterに、以下の文章を書いた。特に、内容のある文章ではない。でも、近い将来、自分自身にとって何かの意味をもたらしてくれるような文章かもしれない、とも感じたので、こちらにも転載し「記録」しておくことにする。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・4月8日 3:03
今回の地震で、五つある本棚のうち、二つが崩壊した。前回の地震で限界だったんだな。長い間、おつかれさん。本の山を壁際に押しやって、外を眺めている。停電で、市内の空が暗くなっている。緊急車輌のサイレンの音。なんだか、少し寒い。今日は眠れそうにないから、考えごとでもしようかと思ってる。
・4月8日 3:18
そして次々に届く、安否を知らせるメール。しばしの安堵。冷えたお茶を飲む。新しいサイレンの音が聞こえる。原付が走り抜ける音も。さっきよりも、風が強くなってきた気がするので、そろそろ部屋に戻ろうと思う。
・4月8日 4:31
只今、午前4時30分。完全に眠るタイミングを外したので、このまま朝まで起きていようかと、考えている。新聞配達と思われる、バイクが走り去る音が聞こえる。それは微かだけど、とても頼もしい音のように感じる。現実の世界が確実に動いているのだ、という証拠のように感じられる。
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実は(と、あらためて強調するほどの事ではないけれど)1回目と2回目の文章の間に途中まで書いたものの、なんとなく違和感を感じて削除してしまった文章がある。 それは、外に出た時に感じた、風の臭いに関する文章で「なにか、ふしぎな臭いがする。海の臭いのような気もする」と、いうような内容のものだ。途中まで書き進めた段階で「海の臭い」という表現に違和感をもってしまい、そうかといって他に適切な言葉を思いつかなかったので、削除してしまった。
2回目の文章を投稿した後、部屋に戻り、トイレに行ってから、もう一度外に出てみた。さきほどの「ふしぎな臭い」は、もうそこにはなかった。いつもの、春の始まりを思わせる、冷たいけれど、どこか柔らかい空気が、そこにはあった。この時期にふさわしい、しかるべき空気がそこにはあった。
あれは、一体何だったのだろう? そもそも、あの臭いは、ほんとうに存在したのだろうか? 自問自答しながら、床一面に散らばった本を壁際に押しやって、ベットの上に横になった。もしかして、そんな臭いは存在しなかったのかもしれない。自分の思い違いだったのかもしれない。そんなことを考えながら、3つ目の文章を書いた。

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