メルカリで古本を売ってみて考えたこと(1)

「メルカリ」を始めてみることにした。


2ヶ月ほど前、仕事先の人と雑談をしていると「メルカリから売上金が振り込まれたので、それで新しいコートを買う」という話題が出た。詳しく話を聞いてみると、その人は服を中心に出品していて、そこそこ売り上げがあるとの事だった

「シーズンの初めに買った服を大切に着て、シーズンが終わった時にそれを売って新しい服を買うんです」
「そんなに簡単に売れるんですか?」
「売れますよ。でも一応、メルカリで売れやすいブランドを選んで買ったりしています」

ということだった。つまり服を購入する時に「メルカリで売りやすいブランド」という要素も加えて購入を決めるということらしい。なるほど「服を買う」という行為にも、新しいツールを使用することで、こうやって色々な要素が付加されていくのだなぁ、と思いながら話を聞いていた。
その人は「簡単に売れるから、試してみてください」と薦めてくれた。「本でもいいの?」と聞くと「売れます!」と断言されたので、部屋に山積みになっている蔵書の一部をメルカリに出品してみることにした。

蔵書を売ってみよう。

結論から書いてしまう。メルカリを始めて1ヵ月で20件以上の取引が成立した。印象としては、2日に1件のペースで売れていくという感じだった。中には出品して10分ほどで売れてしまったものも数点あり、タイミングと価格が折り合えば「あっ」というまに売れることも珍しくないようだ(ちなみに値段は、平均よりもやや安めに設定するようにしていた)。
とりわけおどろいたのは、出品完了までのスムーズさ。売りたい本のバーコードをスマートフォンで読み込んで、写真を撮影すると出品完了してしまう。目安の販売価格も提示してくれるので、慣れてしまうと1冊1分もあれば出品することができる。もし、手続きが煩雑だったならば、5件ほど出品して終わりにしたかもしれない。今回、私が20件ほど販売できたのは「売れたら、すぐに追加」という感じで、出品数を簡単に増やせたことにも理由があると思う。
ちなみに、私が出品したのは文学関係の書籍や数年前に購入したまま放置していた書籍が中心で、いわゆる「旬のもの」は、ほとんどなかったのだが、それでも売れた。自分が不要だと感じているものを「それ、読みたいので買います」と手を上げてもらえるのは、悪くない気分だった。古本屋に買取を依頼すると、数十円か値段がつかないような書籍でも「まだまだ価値がありますよ」と、延命させてもらえたような感じがしたのだった。

匿名発送と言うシステム。

もう一つ便利だと感じたのが「匿名配送」が選べることだった。ざっくりと説明すると、販売者の住所を相手に伝えることなく、また相手の住所を聞くこともなく、互いに匿名のまま商品のやり取りを成立させることができる配送システムが用意されているのだった。
初めて「匿名配送」を利用した時は「相手の名前も住所もわからないのに、ちゃんと相手に届くのか?」と心配になるくらいだった(もちろん届いた)。今は、Googleなどのアプリがあれば住所を入力すると、届け先を映像で確認することができる。住所を教える行為が不安要素になっているわけなので、この匿名配送というシステムは現段階で、とてもよくできているシステムだと感じた。

トラブル発生!?「取引完了してくれない」

しかし、気軽に参加できるという事は、トラブルも発生しやすいという事でもある。世の中には色々な人がいる。想定外のことも、簡単に起こってしまう。私の場合も、ちょっとしたトラブルがあった。メルカリの場合は、購入した相手が「商品を受け取った」と通知を送ることで、売却した相手に料金が振り込まれるシステムになっている。という事はつまり「相手が商品を受け取ったこと」を通知をしない限り、売却した側は料金を受け取れないということになる。
私も一件、本を売却した相手が取引完了してくれなくて、そのまま放置されたことがあった。結局のところ一週間ほど経過した段階で、メルカリ事務局が「購入者の対応がなかったため、事務局で取引を完了させました」と対応してくれたので、無事に料金を受け取ることができた。

相手からは最後まで何のコメントもなかったので、詳細が全くわからないままの取引終了となってしまった。ほとんどの人達がスムーズに取り引きを完了してくれたこともあり、モヤモヤ感が残ってしまう取引のひとつとなった。

(追記)私の場合、20件に1件程度の割合で「取引完了」しない人に遭遇している。ある程度「そのような人がいる」と考えて参加した方が、いいかもしれない。

「値引き交渉」は、どうする?

メルカリでは「コメント」の欄で、値引き交渉をすることができる。私も何度か値引き交渉を受けた。たいていは「すぐに購入いただけるなら、お値引きしましょう」と対応できる範囲での交渉だった。
ところが数人ほど、提示している価格の半額程度の値引きを要求する人がいた。「それは難しい」とコメントすると、価格を少し上げて交渉を続けてくる。そうやって相手と押し問答(?)をしていると、別の人が最初に提示した値引きなしの価格で買ってくれることがあった。そんな時は「おお、助けてくれてありがとう!」という気分になった(笑)これもまた、なかなか面白い体験だったように思う。
他にも、値引き交渉をしてきたので、その値段に下げても購入されずに放置されたことも何度かあった。値下げ交渉を見込んで若干高めの値段に設定してみたところ、その価格ですぐに売れてしまった、ということもあった。人生もメルカリも「タイミングが大切」なのだと思う。

これからも、メルカリを続けるか?

私が出品しているような古本だと、メルカリの販売手数料と送料を引くと、手元に残る金額は数百円残れば良い方である。梱包する手間などを考えれば百円を切る場合もあると思う。自分の場合は、利益を追求するのではなく「自宅に寝かせておくよりは、誰かに使ってもらった方がいい」と、楽しめる程度の範囲で、処分したい蔵書が適度に捌けるまでは続けてみようかと考えている。
これまでは「メルカリ=20〜30代向け」という印象が強かったのだが、40代の自分でも、そこそこ参加できる余地があったので、気になっている同世代の方は利用してみるのも面白いかと思います。いろいろと、発見があるかもしれません。


関連:
商品が届かない! メルカリを利用して考えたこと(3)
メルカリで古本を売ってみて考えたこと(その2)
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