【読書】決して読まないのに多くの本を所有したがるのは……【ヘンリー・ピーチャムの言葉】より
子供のころは「本屋さん」に、なりたかった。
皆さんは、子供の頃になりたかった職業は何でしたか? 小学生の頃の私は「本屋さんになりたい」と思っていました。なぜそう思ったかというと、近所に小さな本屋さんがあったのですが、そこへ行くと店主らしき人がいつもカウンターの横にある椅子に座って本を読んでいたのですね。
その頃の私は「もっと本が読みたい。好きなだけ本を買いたい!」と熱烈に思っていたのですが、小学生のこづかいでは月に一冊買うのがやっと。当時の私は、店内にある本は全部お店の人のだと思っていたので、本をたくさん持っていていいなあ、うらやましい。大人になったら、このような仕事がしたい、と思っていたわけです。
読まない本が、山積みになっていく。
社会人になると、少しだけお金に余裕が出てきました。私は週末になると帰宅時に書店に寄り、気になる本を数冊買って帰るのが習慣になりました。書店に並んでいる表紙を眺めながら「土曜の夜にはこれを読もう」などと考えながら本を選ぶ時間は楽しいものです。しかも、数冊くらいならば購入できる余裕もあります。私は選んだ本を抱えながら、ほくほくした気分で家に向かうのでした。
ところが、本を買ったはいいけれど、実際にはなかなか読む時間がないんですね。気がつくと、私の部屋には未読の本が山積みになっていました。その当時は実家にいたので、親からは床が抜けるからなんとかしなさいと怒られる。それでも本を買う事は止められず、未読の本が壁になっていく。しまいには、同じ本を2冊買ってしまう。そんな時間が続いていたんですね。
ところが、本を買ったはいいけれど、実際にはなかなか読む時間がないんですね。気がつくと、私の部屋には未読の本が山積みになっていました。その当時は実家にいたので、親からは床が抜けるからなんとかしなさいと怒られる。それでも本を買う事は止められず、未読の本が壁になっていく。しまいには、同じ本を2冊買ってしまう。そんな時間が続いていたんですね。
趣味「読書」ではなく「本を買うこと」!?
そして、ある時私は「もしかして自分は、読書が好きなのではなく、本を買うことが好きなのではないか?」と気がつきました。趣味は「読書」ではなく「本を買うこと」ではないのか? ヘンリー・ピーチャムの著作の中に、
決して読まないのに多くの本を所有したがるのは、
寝ている間も蝋燭をつけておきたがる子供のようなものだ
(ヘンリー・ピーチャム「完全なるジェントルマン」より)
という一文があるのですが、まさにこれだ、と。自分は「蝋燭をつけておきたい子供」だ。買うことで満足してしまっている。読みもせず、部屋に帰って山積みにした段階で目的を達した気分になっている。まさにこの状況になってしまっていました。もしかすると、同じような体験をしている人もいらっしゃるかもしれません。その気持ちはよくわかります。
決して読まないのに多くの本を所有したがるのは、
寝ている間も蝋燭をつけておきたがる子供のようなものだ
(ヘンリー・ピーチャム「完全なるジェントルマン」より)
という一文があるのですが、まさにこれだ、と。自分は「蝋燭をつけておきたい子供」だ。買うことで満足してしまっている。読みもせず、部屋に帰って山積みにした段階で目的を達した気分になっている。まさにこの状況になってしまっていました。もしかすると、同じような体験をしている人もいらっしゃるかもしれません。その気持ちはよくわかります。
買った本は、その日のうちに「読む」
さすがにこのままではいけない、と思った私は読書方法を考えてみることにしました。本を買うことは止められない。しかし減らすことはできるだろう。そのように考えて試行錯誤をしてみた結果「本を買ったその日が、その本を読むモチベーションが一番高いタイミング」と気が付きました。つまり、買ったその日のうちに読まないと、モチベーションが下がってしまう。書店では「おもしろそう! 読みたい!」と思って買った本でも、数日放置しただけで読む気が失せてしまう(←個人の感想です)。
それに気がついた私は、本を買ったその日のうちに、ある程度集中して読むようにしました。この方法は、私のように集中力と持続力が乏しい人間には、なかなか効果的でした。私と同じように、本は買うけれどなかなか読めない、という人は、よろしければお試しください。私の失敗談を踏み台にして参考にしていただければと思います。
それにしても「寝ている間も蝋燭をつけておきたがる子供」とは、言い得て妙な一文ですよね。手に入れた「お気に入り」のものを、枕元に置いて眠る瞬間。朝目が覚めた時に、いそいで確認して「あった!」と、ほっとする感じ。あのわくわくした気分を取り戻したいものだ、と、すっかりスレてしまった心で考えたのでした。
【佐藤ゼミ】決して読まないのに多くの本を所有したがるのは……