【読書術】 良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである。(デカルト)






「モーパサンは馬鹿ニ違ナイ。」


今からかれこれ10年以上前のことなのですが、地元の文学館で開かれた「夏目漱石展」で漱石の蔵書を見たことがありました。漱石は本を読みながら、余白に書き込みをする習慣があったのですが、その時展示されていた蔵書には漱石の筆跡で「モーパサンは馬鹿ニ違ナイ。」と書き込まれていたのでした。

批評というよりは、モーパッサンに喧嘩を売っているかのような漱石先生。よほど気に入らなかったのでしょうか。貴重な書籍に、そのようなことを書き込んでしまう漱石先生の様子を想像すると、どこか滑稽にも見えてその資料見ながら思わず笑ってしまったことを覚えています。

哲学者のデカルト曰く、

 良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである。
(ルネ・デカルト 方法序説より) 

という一文があるのですが、まさに漱石先生は、読書をしながら作者と会話をしていたのではないかと想像します。そして「馬鹿ニ違ナイ」と考えていたことを、そのまま書き込んでしまったのではないかと思うのです。

作者と会話をする「読書」

私もこの漱石先生の書き込みを見てから、読書をする時はペンを持って、アンダーラインを引いたり、自分の考えを書き込んだりしながら読んでみるようにしてみました。この方法ですと、読書のスピードは格段に遅くなるのですが、その分じっくりと読み込んだ気分になりますし、作者と会話しているかのような気分にもなります。

さらに、数年後に同じ本を読み返した時、当時の自分の考えなどを思い出したりして「当時のオレは、こんなことを考えていたのか?」などと、懐かしいような恥ずかしいような気分になるのも、なかなか面白いものです。

皆さんも「しっかりと読み込んでみたい」と感じる本と出会えた時は、漱石先生のように書き込みながら読み込んでみると、何か新しい発見があるかもしれません。試してみてください。


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