【仕事】若手起業家が、はまりやすい「失敗」とは?
自分の「アイデア」に酔っていないか?
これから起業を目指している20代の方や大学生と話をしていると「自分のアイデアに酔ってしまっている」と感じることが少なくありません。「オレのアイデアは凄い!」と「自分に対する自己評価」が高くなりすぎて、見落としてしまう部分が多くなってしまうのです。
もちろん、自己評価を高くして突っ走れるのも「若さ」の特権であります。私自身も20代で起業しましたが、自分の能力を過大評価しすぎていたため力不足に苦しみ、ボコボコに叩きのめされました。そこから「次こそは!」と這い上がれたのも、ありあまる「若さゆえの突進力」のおかげであることは事実です。
しかし、もしも私が起業した20代の頃に戻れるのならば「自分のアイデア(能力)を過信するな。それだけに頼るな!」と100回ほど繰り返すでしょう。「わかったよ。しつこいな!」と言われたとしても、さらに300回ほど繰り返すでしょう。
まずは「基礎」が8割
著名な成功者の自伝などを読むと、みな10代の頃から独自のアイデアを企画し、自由奔放なスタイルでそれを実現してきたことが書かれています。彼らの思考を学び自分に吸収しようとすることは、とても大切ですし積極的に取り込んでいきたいもの。しかし、彼らのように「独自のアイデア」で成功できる人は、全体の数%でしょう。天才的な才能と実践量と運を味方にすることで成し遂げられる世界は、簡単ではないからこそ注目され評価を受け書籍にもなるのです。
私も含め「普通の人間」がゼロから起業し伸ばしていくならば、まずは「基礎」を徹底的に実践していく方が近道です。仕事は「お客様から、支払いをいただいて」はじめて結果になります。どうすれば、お金をいただけるものを提供できるのか。何を扱い、学び、実践していけば、それを手に入れられるのかという「基礎」の部分に8割ほどの時間と労力を、スピードをつけて実践していくことが近道です。
基礎が8割 アイデアが2割
しっかりとした「商売の基本」を実践を通して学び、お客様からの信頼を受けることができるようになってから、少しずつあたためていたアイデアを提供していくと(ほんとうに信頼関係ができているならば)ようやく耳を傾けてもらえるようになります。そこからが、腕の見せ所です。今まで磨いてきた「基礎」に「アイデア」を加えて、自分らしい仕事を展開していくことが見えてきます。
まずは「基礎 = 王道」で評価を受ける。王道で評価を受けられるようになった段階で、磨き続けていたアイデアを加えて世の中に挑戦していく。
一見すると、派手で自分らしく活躍している起業家も、駆け出しの時期は地味で泥臭い「基礎固め」の時期を積み重ねています。そして世の中の人たちは、地道な努力と実践を繰り返してきた人を評価します。基礎力の養成は、若い時ほど吸収力もスピードも早いもの。仕事の本質を見落とさず、恥をおそれず、自分の世界に閉じこもらず、広い場所を目指して邁進してほしいと、先輩風を吹かしつつお話しさせていただきました。