【佐藤の文章力講座】ひらめきは、空から降りてはこない
「ひらめき」は、どこからやってくるのか? 「どうすれば『ひらめく』のですか?」 「アイデアを考えるコツを教えてください」 こちらも定期的に受ける質問のひとつです。おそらく、このような質問をする方の「潜在的な意識」として 「よいアイデアは、空から降ってくるように『ひらめく』 = 無の状態から瞬時に生まれてくる」 と考えているように思います。 とても残念なことなのですが、黙って 待っていても「ひらめき」は降りてきません。 アイデアを捻り出すための方法は存在しますが、あくまでも 「無から有」を産み出すものではなく、脳内の情報を整理し明確化するための手順 である、と私は個人的に考えています。 「でも、あの人は良いアイデアを次々に産み出しているように見えるけど」 そのような疑問が浮かんでくるのも当然です。でも、ここで一度「ひらめく人」と「ひらめかない人」の違いを比較してみてください。おそらくそこに、明確な違いとして確認できるもの。それは 「情報と経験」の差 だと思うのです。 「ひらめき」は情報量と経験値に比例する 様々なところで繰り返していますが、これが私が「ひらめき」に関しての考えです。もちろん純粋に「ひらめく」能力を保有している人もいるでしょう。しかし、それは全体の数%程度。そして、そのような能力を持っている人たちほど 「情報量と経験値」を積み重ねていく努力を惜しみません。 差が開き続けるわけです。 ある一定のレベル(ここでは、仕事として活用できるレベルと定義します)であれば「情報量と経験値」を積み重ねれば到達することができる。3年必要な人もいれば、5年かかる人もいるかもしれない。10年の人もいるでしょう。その人の経験値と、いわゆる「センス」と呼ばれる先天的なものにより、その差は異なるでしょう。 しかし一度「そこ」まで達することができれば、様々な分野で活用することができます。周囲の人たちから「あの人の『ひらめき』は、すごい」と思われるでしょう。その時、たぶんあなたは「 ただ、目の前の仕事に一生懸命に取り組んだだけ」 と感じている自分に気がつくのではないかと思うのです。 まずは「空から降りてくる」ことを期待するのではなく、地道な「情報と経験」を積み重ねていく。その先に「ひらめき(と、周囲からは思えるような)」アイデアが生まれてくるのではないか? 今、私はそんな風に考えていま