佐渡への旅(最終回)
大野亀を後にして、二ツ亀海水浴場へ向かう。海開きを前にした海水浴場は、自分が訪れた時間が夕刻だったということもあって、どことなく物悲しいような雰囲気を漂わせていた。あと数日もすれば、夏をまちわびた子供達の歓声で賑わうのだろうけど、今はまだ静かなままだ。
二ツ亀海水浴場は引き潮の時だけ、奥の島への道が表れ渡れるようになるのだけど(写真の中央部分の道が、島までつながっていく)自分が到着した時は、潮が満ちていて島へは渡れなかった。なので、海と陸の境目ギリギリまで行って海水に手を浸してきた。ちなみにここは「日本の海水浴場100選」に選ばれているとのこと。目の前に堂々と横たわる山。引き潮の時にだけ表れる道。そして、見る角度で色を変えていく透き通る美しい海水。たしかに、選ばれるにふさわしい海水浴場だと思った。朝一番でここにやってきて、夕方まで風景が変化して行く様子を眺めていたい。ゆったりと時間をかけて、海を楽しみたい。そんな風に感じる場所でした。
愛想の良い宿のおかみさんに見送られながら、帰りは内海府海岸周りで両津港を目指す。「宿から両津港へは、だいたい1時間くらい」と聞いていたので、あせらずのんびりと走ることにする。
目の前に表れてくる海岸はどれも美しかったから、何度も車を止めて眺めていたくなる欲求を抑えるのが大変だった。しかし、レンタカーの返却時間は決まっているわけで、残り時間を確認しながら適度に休憩をおりこみつつ、快適な海岸沿いの道を(すれ違った車は10台以下だったと思う。ほんとうに快適なドライブだった)予定時間前に走り抜け、無事両津港に到着することができた。レンタカーを返却する前にガソリンを満タンにすると、なんと8Lしか入らなかった。これが自分のラシーンだったならば、1.5~2倍くらいにはなったかもしれない。最近のコンパクトカーの燃費の良さを実感しながら、2日間の相棒とお別れをした。ありがとうデミオ。君は優秀だよ。
名残惜しさを感じながら、フェリーに乗り込む。帰りは行きの時よりも2~3割ほどお客さんが多いように感じた。船内には「大変混み合っていますので、横になっているお客様にはご協力いただいて・・・」というようなアナウンスが流れていたから、実際に混んでいたのだろう。それでもみんな、上手に身体を曲げたり丸まったりしながら、スペースを確保して横になっていく。自分は、行きと同様に出航早々船室の外へ出た。
とりわけ、胸のあたりに傷(のような)印がついているウミネコを見つけてからは「あいつはどこへ行っただろう? おっ、戻ってきたぞ」というような感じで、海の友達ができたような気分になった。たぶん、あいつは今日も日本海の空を飛び回っているのだろう。上手に餌をとって、元気に毎日を過ごせたのならいいのだが、と思う。
※フェリーのデッキから撮影したムービー。海の色が「碧い」です。
さて、1泊2日の佐渡への旅。ほんとうは、もっと書いておきたいこともあるのだけれど、今回の旅の記録はこの辺りで止めておこうと思います。佐渡への計画を立てている段階では「佐渡は近いようで、遠い場所」と思っていたけれど、実際にこうやって旅をしてみると「思ったよりも、近い場所。意外と簡単に行けそうな場所」という印象へと変わっていた。フェリーの手続きも、レンタカーの予約も、少しだけ手間がかかるかもしれないけれど、それ以上に得られるものもあるし、手間をかけるだけの価値がある場所だと思う。今回は、ほんとうに「行ってよかった」です。佐渡への移動の時間も合わせて、あっという間の時間でした。たのしかったぜ。
※フェリーのデッキから撮影したムービー。
佐渡への旅 一覧
佐渡への旅(1)フェリーで移動
佐渡への旅(2)尖閣湾を遊覧船で観光
佐渡への旅(3)外海府海岸を車でドライブ
佐渡への旅(4)大野亀から二ツ亀海水浴場へ
佐渡への旅(最終回)二ツ亀海水浴場から両津港へ