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【東北温泉旅 2泊3日(4)】旅は、家に着くまでが「旅」である。

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このような「旅日記」を書く度に、ああそうだ、あれも書いてない、これも書いてない、と様々なことが頭に浮かぶ。 文章にする、ということは現実を切り取る、という行為の繰り返し だから必然的に「書かれていない」ことの方が多くなってしまう。書かれていない部分に、読者のみなさんが知りたいことがあったかもしれない。 しかし旅に終わりがあるように、旅日記にも区切りがある。そして今回の「東北温泉旅」はこの記事で終わりとなる。最終日について少し補足を書いて締め括ろうと思う。 最終日、旅館をチェックアウトした私たちは「おみやげの店 なるみ」に寄ることにした。 (2)の日記 に書いた「鳴子温泉に来た時に、栗だんごを買って帰る店」が、この「なるみ」さんなのである。すでに2日目に栗団子を食べているのだが、帰宅してから家でも食べたいと思ったので買って帰ることにしたのだ。つまり私は「栗だんご」がそれほど好きなのである。今回は栗だんごと一緒に「大栗なるまん」と「しそ巻き」も買った。こちらも、とても美味しいので興味がある方はぜひ試していただきたい。 店内を見て回っていると「旅館大沼さんの浴衣の柄」が染められた「てぬぐい」が売られていた。浴衣の柄がそのままデザインされているのが面白かったので、今回の旅の記念に購入することにした。 実は私は「てぬぐい」が好きで、いつか自分でデザインしたものを作ってみたいと思っている。プリントではなく伝統的な技法で、しっとりと染めてみたい。Youtubeの登録者数が今の3倍になったならば、制作してみようかと密かに考えている。密かに、といってもここに書いてしまったら密かではなくなってしまうのだが、とにかくそのような目標があるので、まだ登録していない方はぜひ登録していただきたい。→ Youtubeチャンネル「佐藤ゼミ」はこちら 。 買い物を済ませて店を出る。帰路に利用する「鳴子御殿湯駅」は店から数分の距離だ。昨日のように電車は遅れるのだろうか。こちらの天候は落ち着いているけれど、山形の方はどうかわからない。峠の向こうは 荒れ模様 かもしれない。駅舎に入ると壁に「猫のこけし」がモチーフになった作品が飾られているのが眼を引いた。気になって調べてみたところ、版画家・大野隆司さんの作品だった。今までは車で鳴子に来ていたので、駅に作品が飾られているのを知らなかった。電車で来てよかった。天

【東北温泉旅 2泊3日(3)】東鳴子温泉「旅館大沼」へ宿泊

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鳴子温泉駅からバスで移動 バスは定刻通りにやってきた。正確に書くと「鳴子温泉駅」が始発なので、私たちが駅前に到着した時にはすでにバスが停留所で待機していた。暖房の効いた車内には、私たち夫婦の他には誰も乗っていない。まだ発車までは時間があったので、それまでに誰か乗ってくるだろう、と考えていたのだが、最後まで乗車してくる人の姿はなく、私たち2人だけを乗せたバスは定刻通りに出発した。 バスは渋滞することも雪による遅延もなく、スムーズに目的地へと到着した。料金を支払い外へ出ると、寒さが身体にささってきた。急いでマフラーを首に巻きなおし腕時計を確認する。予定のチェックインまでには、まだ時間があるが周囲に寒さを凌げそうな場所も、カフェなども見当たらない。仕方がないのでこのまま旅館へ向かいチェックインの時間までロビーで待たせてもらえないか聞いてみることにした。 今回の宿泊地は「 東鳴子温泉 旅館大沼 」である。20年前に購入した「日本の秘湯(日本秘湯を守る会)」の書籍に掲載されている宿だったので、一度行ってみたいと思っていたこと。そして、ちょうど私たちの予算に合った部屋が開いていたことが、こちらを選んだ理由である。 ちなみに「日本の秘湯」に掲載されている宿は、それぞれに趣があって私の個人的な趣味に合うところが多いので、長く参考にさせてもらっている。書籍を購入した際に「ここに掲載されている温泉に、いくつ行けるだろう」と楽しみにしていたのだが、実際に訪問できたのはわずかばかりである。人生は想像以上に短く、時間は駆け足で走り抜けていく。この書籍を購入した20年前の私に「いつか行こう、と考えていると、いつまでも行けずに終わってしまうぞ」と諭してやりたい。しかし当時の私にそんなことを言っても「ああ、そうですよね」と軽く流してしまうと思う。それもまた人生なのだろう。 今宵の宿泊地「旅館 大沼」へ そんなことを考えつつ、バス停から旅館へ向かう。まっすぐな道を歩いて行くと「旅館 大沼」という看板と「日本秘湯を守る会」の提灯が見えてきた。玄関の引き戸を開け、受付にいらした女性の方に「本日予約をしたものですが、早く到着してしまって…」と声をかけると、大丈夫です、と快く対応していただけた。旅をしていて、ほっとする瞬間のひとつが、宿のチェックインがスムーズだった時である。よし、これでもう今日は大丈夫だ、

【東北温泉旅 2泊3日(2)】鳴子温泉駅(宮城県)で途中下車。

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瀬見温泉から、東鳴子温泉へ 温泉旅2日目は、宮城県の「東鳴子温泉」である。私は仙台市出身なので、鳴子温泉には馴染みがある。今までにも「 湯めぐりチケット 」を購入し、温泉を梯子して楽しんだりしてきた。しかし、日帰り温泉ばかりで宿泊した体験がなかったので、今回は泊まってみようということになったのだった。 瀬見温泉をあとにし、陸羽東線で「鳴子温泉駅」を目指す。宿の方に送迎していただき、時間通りに駅に到着したまではよかった。ところが、なかなか電車がやってこない。「だいぶ遅れているみたいですよ、風と雪の影響でしょうね」と駅で一緒になった方と話をする。宿の方に「風が強いと電車が止まることがある」と聞かされていたので、運休はしないよなあ、と下に伸びているツララを眺めながら考える。 雪と風の影響? 電車がこない。 一緒に電車を待っていたご夫婦が「もし電車がこなかったら、もう一泊する?」と話している。私たちの場合は、すでに今日の宿を予約しているから、なんとかして移動しなければいけない。しかし電車が止まるような天候で、バスやタクシーでの移動は可能なのだろうか? なにしろ今日は「10年に1度クラスの寒波」なのだ。仮にタクシー移動となれば割高になるし、途中で渋滞するようなことがあれば大変だ。 そんなことを考えつつ、暖房のない駅舎で足踏みをしながら待っていると、踏切の音が聞こえてきた。瀬見温泉駅は無人駅なので、電車の到着を知らせてくれる駅員さんもアナウンスもない。急いでホームへ出ると、遠くから雪をかき分けて走ってくる電車の姿が見えた。ほっ、として暖房の効いた車内へ乗り込む。定刻よりも30分ほど遅れたようだが、30分程度で済んだのなら問題ない。運休せずに走行してくれたことがありがたい。 今回乗車した陸羽東線は、運転手が車掌も兼ねている。無人駅で下車する時は、運転席横の料金箱に乗車券と運賃をいれ、必要に応じて運転手が確認するというスタイルになっている。その様子を眺めていると、想像していたよりも運転手に話しかけている乗客の割合が多いことに気がついた。多くは乗車料金に関する質問のようだが、年配のお客さんが多いせいかスムーズに終わらないことも度々あった。中には乗り換え先の状況を質問している人もいた。 丁寧に対応している様子を見ると、この対応も日常業務のひとつなのだろう。中には数分にわたって話している

【東北温泉旅 2泊3日(1)】真冬の瀬見温泉(山形県)で一泊。

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12月中旬、妻と旅行に行くことにした。いくつか候補地があったのだが、最終的に「今回は遠出をせず、近場の温泉地でゆっくり過ごそう」ということになった。普段の私達ならば「できるだけ遠くへ、時間ギリギリまで観光」という計画を立てるのだが、今回は妻の体調を回復するための湯治が目的なので「近場の温泉地」ということになったのだった。日程は2泊3日。初日は山形県の瀬見温泉である。 そして結果的に、この選択は正解だった。私たちが出発した当日は「10年に1度クラスの寒波」がやってきていて、強い雪と風で移動には不向きなタイミングだったのだ。旅先で出会った瀬見温泉の方からは「昨日はまでは雪もなく、過ごしやすかった」と挨拶がわりに言われたので、よほど急激に変化したのだろう。実際の陸羽東線「瀬見温泉駅」の様子がこちらである。 真っ白な雪に覆われた無人駅。中央に線路が引かれているのだが、それすらも雪に覆われて見えない状況になっている。「線路が雪に包まれていても大丈夫なのだろうか?」と心配していたのだが、このあと普通に雪をかきわけて電車がやってきた。 駅舎の中に、瀬見温泉の紹介パネルが展示されていた。それによると、瀬見温泉には「義経と弁慶」に関する伝説が数多く残っているとのこと。歴史に興味がある方には魅力的な場所であると思う。旅行中は雪深く移動が困難だったのだが、それでも二箇所ほど訪問することができた。徒歩で観光するならば冬以外の季節がおすすめかと個人的に思う。 一箇所目は「産湯」。湯前神社の前に、手水舎(?)が設置されてある。ここからは、水ではなく「温泉」が流れ出しており、飲泉することが可能だった。手にうけて、少し舐めてみることにする。温かいだけでなく、独特の香りと風味がある。わずかばかり舐めただけなのだが、地球から湧き出る力を身体に取り込み元気になったような気分になる。単純である。 二箇所目は「薬研湯」。弁慶がなぎなたで岩を砕いたところ、温泉が湧き出たとされている場所。目の前を流れる川の流れが厳しくも美しい。雪で霞み、ぼんやりと遠くに見える山々が「遠くまでやってきた」という旅情を誘ってくれた。 三箇所目は「亀割子安観音」。北の方がお産をした際に、御加護のあった観音様を祀っているるとのこと。この場所へ向かうまでの道、強い雪と風に叩かれてしまい、雪道を歩くことに慣れていない私達は目的地に到着後、

旅は「準備の時」から始まっている。そして「終わってから」も、おもしろい。

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旅は、実際に現地にいる時間よりも準備をしている時間の方がずっと長い。 海外旅行などは、航空券の手配からパスポートの準備、あれやこれやを確認しつつ、仕事を休む手回しも必要だ。ざっと三ヶ月ほど前から準備を始めるのだが、現地で過ごす時間は一週間程度で終わってしまう。あまりにも準備に費やす時間の方が長い。いわゆる「タイパが悪い」というやつだ。 さらに現在では、ネットで検索すれば現地の詳細な情報が出てくるし、Youtubeを見れば動画で確認することもできる。もはや現地に行く前に大量の情報に触れているので、当日は「ああ、そうそう、ここはこんな感じだよね」と事前に予習した内容の再確認になってしまったりする。限られた予算と休みをフル活用して海外にいくのだから失敗したくはない、と熱心に情報を調べた結果「新鮮さを喪失する」という、なんだか本末転倒なことになってしまう。 しかし現実というものは、旅行ガイドには掲載されていない(省略されている?)ような、地味でやっかいで予想外のトラブルに出会うものだ。飛行機で何時間もかけて移動してきたというのに、なんとなく不機嫌なまま時間を過ごすこともある。わざわざ時間と費用と面倒な手続きをして異国の地でトラブルに巻き込まれているのは、なかなか惨めなものだ。どんなに準備しても避けられないトラブルはある。 そこで私は「事前に旅の下調べをしない」という方法を試すことにした。つまり「宿泊地」だけ決めて出発し、あとは現地で適当に調べながら旅を進めていく、という方法だ。これはこれでなかなか良かったのだが、帰宅してから「あ、ここに〇〇があった。行きたかった!」ということに気がついた時の喪失感。教養がある人ならば、事前に調べなくても良いのだろうが、私のレベルでは見落とすことも多く、残念な気持ちになることも少なくなかった。遠出をしている時などは、なおさらだ。 そのような試行錯誤(?)を繰り返した結果、最近は「準備をしている時も、旅なのだ」と考えるようになってきた。「遠足は家に着くまでが遠足」であるように「旅は準備から家に着くまでが旅」ということである。ちょっと違うかもしれないが、そういうことである。そして旅が終わってから、折につけ「あの時は大変だったよね。でも面白かった!」と、同行した人と繰り返し話をする。一人旅の時は「こんなことがあってね」と、聞いてもらえる人に話をする

【バリ島へ行った話 まとめ】遠くて、近くて、遠い場所。(はじめてのバリ島旅行記)

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旅をする、ということは極めて個人的な体験 である。同じ時間に、同じ場所を旅したとしても、そこに見えるもの感じるもの記憶に残るものは様々である。同じようで、同じではない。ある人にとって「人生を変えるような体験」が得られた場所でも、ある人には「確かに面白いけれど、そうでもない」場所であることあるだろう。同行する人、周囲に居合わせた人、天候、諸々の事象によって、それはつくられていく。 今回の【バリ島へ行った話】も、私の個人的な体験を書き連ねていった。私にとっては「記憶に残った体験」を書いてきたわけだが、あまりにも個人的な体験が中心のため、読んで下さった方に役立てていただける情報はほとんどないだろう。それでも、どこか何かを共感していただける部分があったのなら、筆者としてはほんとうにうれしい。 まだ書こうと思えば続けられそうなのだが、当初の目標だった「10回更新」は達成できたので、予定通りここで終わりにしようと思う。そういえば、バリの伝統舞踊(レゴンダンス)を鑑賞した話や、その時のガムランが素晴らしかったこと、ウブドの夜や、バリアンを訪問したことなどなど、書いていないことがたくさんある。やはりもう少し続けてみようか、と一瞬思ったのだが、やはり初志貫徹で今回で終了することにする。 まとめてみると、 私にとってバリは「遠くて、近くて、遠い場所」だったように思う。 初めて行ったのに、どこか懐かしいような既視感があった。まるで「日本国内を旅している時のようだった」とは、さすがに言い過ぎだと思うのだが、そこまで遠くの国へ来ているような気がしなかった。また来年の夏になったら遊びに来るよ、と祖父の家を訪問する時のような距離感。行こうと思えば行けるけれど、普段はちょっと遠く感じる場所。そんな印象のある国だった。 またいつかバリへ行ってみようと思う。それは数年後か、数十年後か、それはわからない。それでも、少なくとももう一回、二回は、残された人生の中で訪問することになるような気がしている。その時バリは、今回と同じ表情で迎えてくれるのか。それとも大きく変容しているのか。それもまた楽しみにしてみたいと考えている。 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。 【関連】 【バリ島へ行った話(1)】出発前夜 【バリ島へ行った話(2)】パスポート&ビザ申請 【バリ島へ行った話(3)】航空券とweb

【バリ島へ行った話(10)トラブル発生。スマホが使えない!?】

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旅にトラブルはつきものである。今回のバリ旅行でも、いくつかトラブルがあった。ヴィラの回で「 ソケットトラブル 」について書いたが、今回はもうひとつ「ポケットWi-Fi事件」について書いてみようと思う。  海外旅行でスマホは必須アイテムである。店探しから、マップから、ホテルの予約、そして飛行機のチケットまで、ほぼすべてをスマホに頼っているのが現状である。そんなスマホが使えなくなったとしたら…。 ポケットWi-Fi事件 バリ旅2日目のことである。私たち2人はウブドを散策することにした。一旦、ガイドさんと別れ、2人だけでウブドを散策したあと、ガイドさんと合流することになった。ウブドを散策するのは初めてだったが、スマホがあれば集合場所までたどり着けると思ったし、とくに難しいことは起きないだろうと思っていた。 そう、スマホがあればね。 実際に、ウブド散策はスムーズに始まった。行ってみたいと考えていた店に行き、探していたものも見つかった。いい買い物ができたね、近くにこの店があったら定期的に寄りたくなるよなあ、また来たいね、とそんな言葉を交わしながら、店を出てマップを確認しようとスマホを取り出した時に気がついた。 スマホの電波が来ていない! そう、ポケットWi-Fiの端末をガイドさんの車の中に置いてきてしまったのだ。 海外の知らない場所でスマホが使えなくなる瞬間は、想像以上に精神的ダメージが大きい。突然身ぐるみを剥がされて、 無一文で放り出された様な気分 。ガイドに連絡もできないし、マップで約束の場所を検索することもできない。もちろんヴィラに電話もできない。どうしたらいいんだ? さて、どこへ相談すればいいのだろう? とりあえず待ち合わせの場所の近くに行ってみよう、と妻と2人で歩いて行ったのだが、その場所がわからない。フリーWi-Fiがあるかもしれないと周辺を探してみたりしたものの、やはりこれもよくわからない。ガイドさんは、待ち合わせの場所で待っているはずである。仮にこのまま時間が経過してしまったとして、あれ?何かトラブルがあったのだろうか? と探しに来てくれる確率はほとんどないだろう。 さあ、どうする? これから、どこへ行けばいいのだろう? しばらく考えた未来、先ほど買い物した店に戻って 店のWi-Fiを借りるしかないだろう となった。先ほど歩いてきた道を戻りながら、Wi-

【バリ島へ行った話(9)】バリといえば、スパ!?(はじめてのスパ&エステ体験)

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バリといえば「スパ&マッサージ」 個人的に 「バリ =スパ&エステ&マッサージ」というイメージがあった。 なぜそのようなイメージを抱いたのかは忘れてしまったのだが、手頃な料金で気軽にスパ&マッサージを受けられるという印象があった。しかし 私は今までに、スパやマッサージを受けたことがない 。登山で膝を痛めた時に、接骨院で施術された程度である。ましてや エステなどという言葉は、私の辞書には存在していなかった。 さらに「男がエステ? いやいや男の顔なんて、水で洗っておけば十分だ!」と、昭和生まれの男らしい偏見(?)もあった。なので、 妻がエステに行っている時間、他のことをして過ごそうか と考えていたくらいだった。 しかしガイドブックなどを見ていると、どうやら男性も普通に受けているらしい。妻に「男でもスパとかエステなどを申し込んでもいいのだろうか?」と聞いてみると「え? いいと思うよ」と、当然あなたも受けるでしょう? といったような雰囲気だったので、ああそうなのか、じゃあせっかくだから体験してみようか、ということになった。旅の恥は掻き捨て、というやつである。使い方が適切ではないと思うが、まあそういう流れである。 まずは「バリニーズ・マッサージ」を体験 今回は2店舗で施術を受けることができた。最初の店舗はガイドさんに 「バリニーズマッサージを体験してみたい」 と相談したところ、予約をして連れていってもらった店である。妻と2人で個室へ連れていかれ、40分ほどマッサージをしてもらった。日本語は通じず、片言の英語で会話をする店だった。 正直なところ「あまり記憶にのこらない」内容だった。「バリニーズマッサージは、痛いかもしれないので、痛いときは言ってください」と事前に説明されていたのだが、特に痛いこともなく 「やんわり、ほぐされている」という感じで終了してしまった。 「うーん、これは効くなあ!」といった瞬間を期待していたのだが、なんとなくぼんやりとした感じで終了してしまった。料金は4.000円くらいだったと思う。 こうして「はじめてのマッサージ体験」は 「まあこんな感じかな」という印象で終わってしまった。 「もっと強く!」などとリクエストすればよかったのかもしれないが、私の語学力不足とコミュ力不足で、なとなく終わってしまったのだった。つまり、悪い印象はないが、特筆するようなこともなく

【バリ島へ行った話(8)】滝に打たれて、浄化されたい。(ムルカット体験)

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バリで、滝に打たれたい。 妻が「滝に打たれたい」という。 バリでは寺院などで水を浴びて浄化する「沐浴」という習慣があるのだが、滝に打たれて浄化する 「ムルカット」を観光客でも体験する ことができるらしい。 実際のところ、内容をよくわかっていなかった私は「ああ、いいよ」と返事をした。今までの人生で滝に打たれたことはなかったので良い経験になりそうだし、初めての滝行がバリというのも、趣深い体験になると思ったからだ。なによりも、女性(妻)に「〇〇を体験してみたい」と言われたのなら(たとえ、内容がよく理解できていなかったとしても)「ああ、いいよ」と答えるのが、男性(夫)としての適切な振る舞いであろう。その方が、きっと世界はうまく回る、はずで、ある。 そのようにして「ああ、いいよ」と参加した、バリ島での「ムルカット体験」だが、実際には伝統に則った貴重な体験をすることができ、充実した時間を過ごすことができたので、これから感想を記してみたいと思う。 伝統的な「ムルカット」体験 今回の「ムルカット体験」は「ダリ・ハティ・バリ」という、バリのツアー業者さんにガイドお願いした。先導してくださるワヤンさんは、聖職者の資格をお持ちということで、 伝統的な作法に則った体験ができる ということだった。私は「滝へ行って、手順を教えてもらい、滝に打たれる」という簡単なイメージで参加していたのだが、滝に向かう途中から伝統的な手順を踏まえて体験することができるということだった。にわかに気が引き締まってくる。 宿泊しているヴィラから車で移動すること、1時間30分あまり。バリのまっすぐな陽射しと新緑に包まれた渓谷の間に、今回ムルカットを体験する 「スバトゥの滝」 がある。まずは参道への入口で二体の神様にお供えをしてから、滝へとつづく階段を降りていく。私たちの他に、滝を目指す人たちは数名ほど。他の観光地とは異なり静かで落ち着いた、そしてバリらしい熱気がほのかに感じられる場所である。 遠くて、どこか懐かしい場所 階段を降りていると、 日本の里山をトレッキングしているような気分 になった。週末に、近場の山をぐるりと散歩している時のような気分というのだろうか。確かにここは、日本から飛行機にのって5.000km以上も離れた場所だというのに、どこか日本にいる時のような感覚になるのが不思議だ。しかしもちろん、ここはバリだ

【バリ島へ行った話(7)】グヌンカウィ・スバトゥ寺院へ(はじめてのバリ観光日記)

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バリ島には世界遺産を始め、美しい寺院がたくさんある。「色々な場所を見てみたい」と思っていた私たちは2日間かけて 「タマン・アユン寺院」「タナ・ロット寺院」「ティルタ・ウンブル寺院」 など、様々な寺院を見て回った。それぞれの寺院にそれぞれの歴史があり、特色があり「行ってよかった」と感じる場所ばかりだった。 その中でも個人的に(あくまでも個人的に)印象に残った寺院を選ぶとするならば 「グヌンカウィ・スバトゥ寺院」 になると思う。まず最初に特筆すべきは「観光客が少ない」という点である。 他の寺院は多くの人で賑わっており、いかにも「有名な観光スポット」といった雰囲気であった。ところが 「グヌンカウィ・スバトゥ寺院」は驚くほど観光客がいなかった。 私たちの他に数名程度だったと思う。むしろ沐浴する地元の子供達の姿の方が多いくらいで、静かで落ち着いた気配を楽しむことができたのだった。これだけでも十分に訪問する価値がある場所だと思う。 ・バリ島の寺院を訪問する時のマナー バリ島の寺院を訪れる際には、守るべきマナーがある。そのひとつに 「露出を控えた服装をする」 ということ。男女ともに短パンのように足が出ている服装をしている場合は、サロン(サルン)と呼ばれる布を腰に巻いて肌を隠す必要がある。 私は短パンを履くつもりだったので、日本からサロン用に布を持参していた。ガイドさんに「これでも大丈夫ですか?」と確認してもらうと「日本から持ってきたのですか? えらいですね」と褒めて(?)いただけた。とくに色や柄にきまりはなく、好きなものを選べば大丈夫です、とのことだった。 巻き方がわからないので、ガイドさんに布を渡して巻いてもらうことにする。「男性の場合は、こう先の部分を前に垂らして・・・」と、 あっというまにサロンを巻いた男の完成 である。ちょっと巻きスカートを履いているような気分で新鮮だった。その時の写真が、こちらだ。 この時はメッシュのスニーカーを履いていたのだが、ちょっとバランスが悪く見える。現地のガイドさんはサンダルだったので、自分もサンダルに替えた方がよかったかもしれない。マナーを守りつつ、自分らしいコーディネートを楽しんでみるのも楽しいと思う。 ・気に入ったサロンを手に入れて、寺院へいこう ちなみに妻は、 寺院に向かう前にバティック専門店に寄って、サロン用の布を購入 していた。そこ

【バリ島へ行った話(6)】カーチャーターで観光しよう。

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・バリ島でカーチャーターを バリ島には鉄道がないので、交通手段は主に車ということになる。今回私たちは、 主な移動手段として「カーチャーター」を利用 することにした。カーチャーターについて簡単に説明すると 「車貸切サービス(ドライバーとガイド付)」 である。1台ごとに専用のドライバーとガイド(日本語ができる現地の方)がついてくれて、希望する場所へ案内してくれるという、観光客にはありがたいサービスなのである。 「1台ごとにドライバーとガイドがついたら、料金は高いんじゃないの?」 あなたは多分そう考えたと思う。私もそう思っていた。ところが「10時間の契約で、一台あたり一万円前後(拘束時間、移動距離等で異なる)で利用できるのである。つまり「10時間のカーチャーターの利用代金が1万円とする。それを 2名で利用したとするならば、一人当たり5.000円 」になるのだ。専用のドライバーとガイドさんがついてくれるのだから、お手頃なサービスだと思う。 今回、私たちは2日間カーチャーターを利用したのだが、 外国で「ガイド(通訳)」にサポートしてもらえるということが、これほど安心感があるものなのか と実感した。わからないことがあれば日本語で質問し、日本語で答えが返ってくるありがたさ。さらに、 「コピルアック・コーヒーって、美味しいですか?」 「飲んでみますか?」  「飲みたいです」 「では、途中に農園があるので、そこに寄りますか?」 「お願いします」 (20分後) 「ここは今日、おやすみだそうです。近くにもうひとつあるので、そこへ行ってみましょう」      と、こちらの希望を汲み取って予定を変更してもらうこともできた。ツアーでは行かないようなマニアックな場所も、事前に相談してOKであれば連れていってもらうことができる。観光案内はもちろん、買い物の際にもわからないことがあればサポートしてもらえたので、 かぎりなくストレスフリーの時間を過ごす ことができた。今回のバリ旅で充実した時間を過ごせたのは、お世話になったガイドさん達のおかげである。 ・もちろん「相性」はある 私たちは満足したし、サポートに感謝したのだが、ガイドさんによって相性があるのは事実である。文化の異なる方にガイドをお願いするのだから、なおさらである。 たとえば、今回 1日目のガイドを担当していただいたSさん は、

【バリ島へ行った話(5)】ヴィラに泊まりたい。(そもそもヴィラって何?)

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・ところで、ヴィラとは? ここまで「ヴィラ」という言葉を連呼してきたが、 「そもそも、ヴィラって何?」 という人も少なくないと思う。正直、私も明確な定義はわからない。専門家でもない。そんな私なりの解釈を説明すると 「戸建ての宿泊施設」 ということで、おおむね当たっていると思う。日本でいうところの「別荘」に近いかと思う。 「戸建てに宿泊する」となると 「でも、お高いんでしょう?」 という疑問が湧くと思う。もちろん私もそう思っていた。しかしバリ島の物価と、宿泊料は人数ではなく一戸単位(つまり、宿泊料三万円のヴィラを三人で利用すれば、一人一万円ということ)での計算になるため、予算に合わせてお手ごろ料金で宿泊できるのだ。 今回私たちが利用したヴィラは 「ワンベットルーム プライベートプール付」 という平屋だったのだが、 夫婦2人で利用するにはちょうどよいサイズだった。 いわゆる新婚旅行のカップル向けのイメージが近いかと思う。現地のガイドさんの話によると「もっと安いところもある」らしいのだが、設備が整っていなかったり掃除が雑だったりするらしいので、その辺りは当たり外れがあるのだろう。 ・私たちが泊まったヴィラについて 今回宿泊したヴィラは「4つ星」に相当するのだが、掃除も行き届いていたし日本人でも安心して泊まれるヴィラだと感じた。参考までに、私の手書きで恐縮だが見取り図を書いてみた。こちらである。 便宜上「壁」を書いてあるが、実際はスライド式の仕切りとなっていて、すべての部屋から直接プールへ入れるようになっている。つまり、朝起きてそのままプールへドボン、も(やろうと思えば)できる。朝食付きで、レストランで食べることも部屋まで運んでもらうこともできる。 ちなみに、今回の宿泊特典として連泊すると 「フローティングブレックファスト」 のサービスがついた。こちらは、プールに朝食を浮かべて楽しめるという、いわゆる「映える」サービスである。普段の私たちであれば「若い人たち向けですよね? 私たちはいいかな・・・」と申し込まないサービスである。しかしスタッフの方に「フローティングはいつにする?」と聞かれたこともあり、それならせっかくだから、とお願いすることにした。 最初は「食事が運ばれてきて、プールに浮かべるだけ」だと思っていた。ところが実際は、数名のスタッフがやってきて、プールの上のゴミを

【バリ島へ行った話(4)】ヴィラに泊まりたい。

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・バリのヴィラに泊まりたい 今回のバリ旅行では 「ヴィラに泊まってみたい」 と思っていた。いや「ヴィラに泊まる」と決めていた。いつ、どのタイミングでそうなったのか忘れてしまったのだが、私の中では「バリ=ヴィラ」という図式が成立していた。もしもバリへ行くならばヴィラへ泊まりたい。高級なヴィラは無理でも、そこそこ(?)のところに泊まってみたい。一般庶民の目標として、そんなことを考えていたのだった。 旅行代理店で相談すると、オススメのヴィラを提案してくれた。その中で今回予約を取ったのが 「マカ ヴィラズ&スパ ウマラス」 である。1ベットルームで、専用プール付き。写真を見ると、いかにもリゾート地というような、綺麗で整えられた雰囲気に見えた。しかし、年齢を重ねて中途半端に経験を積んでしまい、性格がひねくれた私の頭の中には「この写真はあくまでもイメージだろう。演出された映像だろう。日本のホテルでこの値段だと、このくらいだから、まあそこそこかな。でもヴィラはヴィラだし、予算内だし、ここでいいか」と予想をつけていた。 あまり期待しすぎないでおこう、と期待値にブレーキをかけておいた のだった。 ・バリへ到着 車とバイクの喧騒の町 バリ島初日、私たちがヴィラに到着したのは、午後8時過ぎだったと思う。空港からヴィラまでの道は、想像以上に混雑していて車とバイクのクラクションが響くような騒然とした雰囲気だった。車が停車した瞬間、その周囲をたくさんのバイクが取り囲んでいく。 2人乗り、または3人乗りのバイクがぐいぐいと隙間に割り込んできて、車も対向車線にはみ出して無理な追い抜きをかけてくる。恐怖を通り越して、 よくこれで事故らないものだなぁと感心してしまうような混雑ぶり だ。空港からヴィラまでチャーターした車の運転手さんに「いつもこんな感じですか? これで事故らないんですか?」と質問すると「時々事故ることもあります。でも大丈夫です」と返ってきた。今回お世話になったTさんに「最近のバリは渋滞が酷いので」と聞かされてはいたが、想像以上の混雑と喧騒だった。それが 私のバリの第一印象だった。 ところがヴィラのある場所に近づくと雰囲気は一変した。大通りを曲がり細い道に入ると一気に交通量が減っていく。喧騒が遠のき周囲が暗くなり、逆に ちょっと危ないような気配 になってきた。どこま

【バリ島へ行った話(3)】航空券とwebチェックイン(ガルーダインドネシア航空でバリへ)

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・航空券の予約をしよう。 日本からインドネシアへは飛行機で移動することになる。成田からデンパサール空港まで ガルーダ・インドネシア航空 の直行便が運行していて、今回はこちらを利用した。チケットを予約する際に「席を隣り合わせで予約するためには、 オプションで追加料金が必要になる 」と説明があった。数千円の追加ということなので(正確な金額は忘れてしまいました)さて、どうしようかと1分ほど考えた。 旅の計画をしていて悩ましいのが、追加料金が続いて当初の予定よりも大幅に予算が膨れ上がっていくことである。数千円のオプションが積み重なると、あっというまに数万円になったりする。予算に余裕がたっぷりあるのならば問題ないのだが、そういう状況ではない。限られた資金を活用して 「すこしでも遠くへ、少しでも長く 」の旅が、私たちの基本姿勢である。今回の旅も、もちろんこれが原則である。 さてどうしようか、別に席が並びでなくてもいいかな……、などと考えていたところ、スタッフの方から「 早い者勝ちにはなるけれど、webチェックインの時に席を選べるので、そこで確定する方法がある 」という説明があった。 あぁ、それでいいです。時期的にそこまで混雑していなさそうだし、並びは取れなくても前後の席は大丈夫だろう、と軽く考えてオプションは追加せずに予約申し込みをした。 ところが、このときの判断が甘かったことを知るのは…… と、言うこともなく、後日無事にwebチェックインで並びの席を押さえることができたのだった。  ・webチェックインは、48時間前から webチェックインについて補足説明をしておこう。ガルーダ・インドネシア航空の場合、 48時間前から、webチェックイン (事前チェックイン)をすることができる。ログインすると、その時点で空いてる席が表示されるので、好きな席を選んでチェックインできるシステムになっている。事前にガルーダ・インドネシア航空のアプリをスマホにダウンロードしておくとよろしいかと思う。 英語表記なので、私のように語学力に心配な人は少々戸惑うかと思うのだが、手順を解説しているサイトがあるので、それらを見ながら頑張ってチェックインしていただきたい。意外とこういうのって、気を使いますよね。予約完了、のはずが、最後のボタンをタップするのを忘れて未完了のままになっていたりしてね……いや、今