【東北温泉旅 2泊3日(2)】鳴子温泉駅(宮城県)で途中下車。

瀬見温泉から、東鳴子温泉へ

温泉旅2日目は、宮城県の「東鳴子温泉」である。私は仙台市出身なので、鳴子温泉には馴染みがある。今までにも「湯めぐりチケット」を購入し、温泉を梯子して楽しんだりしてきた。しかし、日帰り温泉ばかりで宿泊した体験がなかったので、今回は泊まってみようということになったのだった。



瀬見温泉をあとにし、陸羽東線で「鳴子温泉駅」を目指す。宿の方に送迎していただき、時間通りに駅に到着したまではよかった。ところが、なかなか電車がやってこない。「だいぶ遅れているみたいですよ、風と雪の影響でしょうね」と駅で一緒になった方と話をする。宿の方に「風が強いと電車が止まることがある」と聞かされていたので、運休はしないよなあ、と下に伸びているツララを眺めながら考える。

雪と風の影響? 電車がこない。

一緒に電車を待っていたご夫婦が「もし電車がこなかったら、もう一泊する?」と話している。私たちの場合は、すでに今日の宿を予約しているから、なんとかして移動しなければいけない。しかし電車が止まるような天候で、バスやタクシーでの移動は可能なのだろうか? なにしろ今日は「10年に1度クラスの寒波」なのだ。仮にタクシー移動となれば割高になるし、途中で渋滞するようなことがあれば大変だ。

そんなことを考えつつ、暖房のない駅舎で足踏みをしながら待っていると、踏切の音が聞こえてきた。瀬見温泉駅は無人駅なので、電車の到着を知らせてくれる駅員さんもアナウンスもない。急いでホームへ出ると、遠くから雪をかき分けて走ってくる電車の姿が見えた。ほっ、として暖房の効いた車内へ乗り込む。定刻よりも30分ほど遅れたようだが、30分程度で済んだのなら問題ない。運休せずに走行してくれたことがありがたい。



今回乗車した陸羽東線は、運転手が車掌も兼ねている。無人駅で下車する時は、運転席横の料金箱に乗車券と運賃をいれ、必要に応じて運転手が確認するというスタイルになっている。その様子を眺めていると、想像していたよりも運転手に話しかけている乗客の割合が多いことに気がついた。多くは乗車料金に関する質問のようだが、年配のお客さんが多いせいかスムーズに終わらないことも度々あった。中には乗り換え先の状況を質問している人もいた。

丁寧に対応している様子を見ると、この対応も日常業務のひとつなのだろう。中には数分にわたって話しているお客さんもいたので「これを繰り返していたら、だいぶ遅れるだろうな」と思う。いや、そもそも、ある程度時間が前後することは織り込み済みなのだろうか。

Suicaが使えない!?

ちなみに無人駅で降りる場合、料金の支払いに「Suica」は使用できない。私たちはそれを知らなかったので昨日「瀬見温泉駅」で降りた際、どこで支払いをすれば良いか戸惑ってしまった。運転手さんも、にっこりと会釈をして降ろしてくれたし、駅には何の説明も表示されていなかった。つまり私たちは、Suicaで仙台駅から乗車したが、そのまま降りずに瀬見温泉駅の外に出てしまったのである。

困った私たちは、駅で雪かきをしていた男性の方に(JRの方だと思っていたのだが、あとで確認したところ地元のボランティアの方だった)質問したところ「ここではSuicaが使えないので、降りる時に運転手に画面を見せればいい」という言葉が返ってきた。え? 運転手に見せると自動的に引き落とされるの? と一瞬思ったのだが、そんなわけはない。

旅館の方に質問しても「今まで、Suicaに関するそのような相談を受けたことがない」と答えが返ってきた。旅館の方がJRに問い合わせてくださる、というのでお願いしたところ、土日は相談窓口が休みということ。このままでは、無賃乗車になってしまうのでは? と焦ったが、もはやどうしようもないので、明日の「鳴子温泉駅」は駅員さんがいるので、そこで相談してみては、ということになった。

結論から書いてしまうと、翌日「鳴子温泉駅」で駅員さんに説明したところ「はい、わかりました」とすぐに精算してもらえた。とくに質問も説明もなく、規定の乗車料金がSuicaから引き落とされて終了だった。駅員さんに「このような場合(無人駅で降りる場合)、どう対処すればよかったのですか?」と質問したところ「Suicaではなく切符で乗車してください」とのこと。

つまり、乗車する際に、降りる駅がSuica非対応の場合は切符を購入する必要があるとのこと。これからSuica非対応の無人駅を利用する予定の方は、事前に確認し切符を購入してから乗車していただきたい。見知らぬ土地では、今までとは違った対応が必要になるということである。

鳴子駅へ到着 周辺を散策する。

さて、乗車料金の精算を終えた私たちは無事に「鳴子温泉駅」で下車することができた。本日の宿泊は「東鳴子温泉」なので、次の「鳴子御殿湯駅」まで移動した方が良いのだが、まだ時間にだいぶ余裕があったので途中下車し、少し観光をしていこうと考えたのだった。




改札を抜けて、まず最初に観光案内所へ向かった。周辺の観光マップをもらってから「東鳴子温泉」までの移動手段を相談することにした。今のところ電車は運行しているが、午後からは風と雪が強くなるので遅延が発生する場合があるという。陸羽東線は本数が少なく(1時間〜2時間に一本前後)遅れたり、運休になったりすると大幅に予定が変更になってしまう。そこで別の移動手段を質問すると「バス」での移動をおすすめされた。

バスは今のところ通常運行ということと、時間もちょうどよかったので、ここからは電車ではなくバスでの移動に変更することにした。鳴子も雪と風はあるが、瀬見温泉よりはだいぶ穏やかなので、バスが運休することはないだろう。もし運休しても駅前にタクシーが待機しているので、それで移動すればよい、ということになった。

手から「温泉」を吸収。

観光案内所では「下駄手形」を購入することができる。100円で木札を購入し、対象店でこれを提示すると特典があるのだそう。とりあえず記念になりそうなので、ひとつ購入してみることにした。これとマップを見ながら、周辺を歩いてみることにする。



まず最初に向かったのは「ゑがほ食堂」。少し早い昼飯をここで食べることにする。平日の店内は、私たちの他に客は一人。昭和の雰囲気が漂う店内で食事をしながら、次はどこへ行こうか、とマップを広げて妻と確認をする。

鳴子温泉は、同じ宮城県内なのだが、ここでこうやって食事をしていると、どこか遠いところへやってきたような気分になる。宮城県内で日帰り温泉を利用しようとすると利便性から秋保温泉や作並温泉、そして遠刈田温泉を利用することが多くなってしまうのだが、時々は鳴子まで足を伸ばしてみようかな、と考える。ちなみに「ゑがほ食堂」で先ほど購入した下駄手形を見せると、温泉卵をサービスしてもらえた。ありがたい。これですでに元が取れた(笑)




鳴子温泉といえば「栗だんご」

食事を終え、近くの店で「お土産」を購入してから、次に向かったのは「湯めぐり広場 手湯」である。各地の温泉で足湯は見かけることが多いが、ここは「手湯(手を温泉にひたす)」専用の施設なのである。平日ということもあり、利用客は私たちしかいない。貸し切り状態だな、と思いながら木枠の浴槽に手をひたすと……あったけー、と思わず声が出る。

手をひたしているだけなのだが、身体がほんのりと温まっていくのが感じられる。地熱が全身をめぐっていく。湯気から漂ってくる硫黄の匂いも温泉気分を高めてくれる。温泉ってすごいなあ、と指先から温泉の力を吸収した。



さて、身体が温まったところで、次に向かうのは「餅処 深瀬」。個人的に、鳴子名物といえば「栗だんご」である。次回の記事でも紹介するが私の場合、鳴子へ来たら「餅処 深瀬」か東鳴子温泉の「おみやげの店 なるみ」で栗だんごを購入するのが定番となっている。今回も「餅処 深瀬」に寄って栗団子とお菓子を購入した。

最初にお会計をお願いしたところ、合計で900円だったのだが、1000円以上購入すると「下駄手形」の割引特典が使えるということだったので、せっかくだからと追加で購入した。今日、宿に到着したらこの栗団子を食べよう、と思う。楽しみか増えたね、と妻と話しながら駅に向かった。(東鳴子温泉 旅館大沼へ宿泊するへ つづく

・東北温泉旅 1日目「真冬の瀬見温泉で一泊
・東北温泉旅 2日目「鳴子温泉駅で途中下車
・東北温泉旅 2日目「東鳴子温泉 旅館大沼へ宿泊
・東北温泉旅 最終日「旅は家に着くまでが旅である

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