【東北温泉旅 2泊3日(1)】真冬の瀬見温泉(山形県)で一泊。

12月中旬、妻と旅行に行くことにした。いくつか候補地があったのだが、最終的に「今回は遠出をせず、近場の温泉地でゆっくり過ごそう」ということになった。普段の私達ならば「できるだけ遠くへ、時間ギリギリまで観光」という計画を立てるのだが、今回は妻の体調を回復するための湯治が目的なので「近場の温泉地」ということになったのだった。日程は2泊3日。初日は山形県の瀬見温泉である。

そして結果的に、この選択は正解だった。私たちが出発した当日は「10年に1度クラスの寒波」がやってきていて、強い雪と風で移動には不向きなタイミングだったのだ。旅先で出会った瀬見温泉の方からは「昨日はまでは雪もなく、過ごしやすかった」と挨拶がわりに言われたので、よほど急激に変化したのだろう。実際の陸羽東線「瀬見温泉駅」の様子がこちらである。


真っ白な雪に覆われた無人駅。中央に線路が引かれているのだが、それすらも雪に覆われて見えない状況になっている。「線路が雪に包まれていても大丈夫なのだろうか?」と心配していたのだが、このあと普通に雪をかきわけて電車がやってきた。


駅舎の中に、瀬見温泉の紹介パネルが展示されていた。それによると、瀬見温泉には「義経と弁慶」に関する伝説が数多く残っているとのこと。歴史に興味がある方には魅力的な場所であると思う。旅行中は雪深く移動が困難だったのだが、それでも二箇所ほど訪問することができた。徒歩で観光するならば冬以外の季節がおすすめかと個人的に思う。


一箇所目は「産湯」。湯前神社の前に、手水舎(?)が設置されてある。ここからは、水ではなく「温泉」が流れ出しており、飲泉することが可能だった。手にうけて、少し舐めてみることにする。温かいだけでなく、独特の香りと風味がある。わずかばかり舐めただけなのだが、地球から湧き出る力を身体に取り込み元気になったような気分になる。単純である。


二箇所目は「薬研湯」。弁慶がなぎなたで岩を砕いたところ、温泉が湧き出たとされている場所。目の前を流れる川の流れが厳しくも美しい。雪で霞み、ぼんやりと遠くに見える山々が「遠くまでやってきた」という旅情を誘ってくれた。

三箇所目は「亀割子安観音」。北の方がお産をした際に、御加護のあった観音様を祀っているるとのこと。この場所へ向かうまでの道、強い雪と風に叩かれてしまい、雪道を歩くことに慣れていない私達は目的地に到着後、早々に立ち去ってしまった。その結果、寒さに凍える私たちの情けない表情が写った写真しか残っていなかったため、写真の掲載は控えさせていただく。気になる方は、瀬見温泉の公式サイトに写真が掲載されているので、そちらを御覧いただきたい。


ぐるりと観光を済ませた私たちは、本日の宿である「ゆめみの宿 観松館」へと向かう。カウンターで順番待ちをしていると、海外の方が数名チェックインしている様子が見て取れた。外国人の方に、山形の地はどのように見えたのだろう。おそらく「日本の雪景色」の印象に近い風景を見ることができたのではないか、と想像する。

雪深い地域で生活することは大変なことなのだろうと想像するが、私たちのような観光客には、この雪景色は静寂で美しい景色に感じられる。今朝、仙台を出発した時、空にも地面にも雪はなかった。アスファルトの上を車が走り抜け、駅の中は足早に行き交う人たちで溢れていた。

電車で3時間ほど移動しただけなのに、どこか知らない遠い場所へやってきたような感覚になる。まだ旅の初日なのに、すでに一週間ほど旅を続けているような気分にもなる。冷えた身体を湯船に横たえて空を仰ぎながら、そんなことを考えました。静かなり。(つづき 鳴子温泉で途中下車

・東北温泉旅 1日目「真冬の瀬見温泉で一泊
・東北温泉旅 2日目「鳴子温泉駅で途中下車
・東北温泉旅 2日目「東鳴子温泉 旅館大沼へ宿泊
・東北温泉旅 最終日「旅は家に着くまでが旅である


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