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夏目漱石「こころ」あらすじ解説

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はじめての文学入門 夏目漱石「こころ」あらすじ解説 今までに、たくさんの人から「こころ」の感想を聞いてきました。「こんなに長い小説を読んだのは初めてです」「さいごまで、夢中になって読みました!」というような感想を耳にする反面「挑戦してみたけれど、難しくて挫折してしまった」「長いので、なかなか手が伸びない」という感想も受けてきました。 個人的に「こころ」は 「読んでおきたい文学作品のひとつ」 だと考えているので、読まずに過ごしてしまうのは「もったいない」と考えてきました。そこで今回は、音声で「こころ」のあらすじを解説してみることにしました。 一度、録音を始めてみると、予定以上に長くなってしまったため「前・後編」の2つに分けて編集してみました。 前編は「上 先生と私 中 両親と私」 までのあらすじ解説。 後編は「下 先生の遺書」 のあらすじ解説になります。 これから読む人はもちろん、もう一度読み返して見たい人も、ぜひご視聴ください。作品を楽しむきっかけになれば、幸い。 「こころ」あらすじ 「上 先生と私 中 両親と私」 「こころ」あらすじ 「下 先生の遺書」 ✏関連 「読書」に関する記事 「夏目漱石」に関する記事 ☝筆者: 佐藤隆弘のプロフィール ⧬筆者: 佐藤のtwitter ☈ 佐藤のYoutubeチャンネル「佐藤ゼミ」 ✂関連: 文章力講座に関する記事一覧

モモ(ミヒャエル・エンデ)あらすじ解説動画

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児童文学の名著 モモ(ミヒャエル・エンデ著) あらすじ解説動画を公開中 です。子供の頃に読んで、もう一度読み返したいと考えている人も、はじめて読む人も、お子さんと一緒に読んでみようと考えている人も、ぜひご覧ください。読書を楽しむ「きっかけ」にしていただけたら、さいわいです。 ・内容「モモ(第2部)までのあらすじ解説」「表紙(岩波文庫 ハードカバー版)を読み解いてみる」他 21分50秒の動画です。あとですぐに確認できるように「チャンネル登録」もお忘れなく。チャンネル登録(無料)はこちら→ 「 佐藤ゼミ 」 ✏関連 「読書」に関する記事 ☝筆者: 佐藤隆弘のプロフィール ⧬筆者: 佐藤のtwitter ☈ 佐藤のYoutubeチャンネル「佐藤ゼミ」 ✂関連: 文章力講座に関する記事一覧

銀河鉄道の夜(宮澤賢治)あらすじ解説動画を公開中

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宮沢賢治「銀河鉄道の夜」解説動画を公開しました。 前半は「銀河鉄道の夜のあらすじ」を解説。後半は「物語を楽しむヒント」 を解説しています。  内容:  ・登場人物の解説  ・銀河鉄道の夜は、3つの場面で構成されている  1)最初の場面のあらすじ解説  2)銀河の場面のあらすじ解説  3)最後の場面のあらすじ解説  ・「牛乳」をキーワードに「銀河鉄道の夜」を読み込んでみる  ・銀河鉄道の夜は「幻想世界(ファンタジー)」の話ではない?? ・作者・宮沢賢治が「表現したかったこと」を想像してみる 他  ひさしぶりに文学作品を読んでみたい社会人の方も、人生について考えてみたい人も、子供にちょっと解説してみたいお父さんも、読書を楽しむきっかけにしてもらえたら幸いです。 ✏関連 「読書」に関する記事 ☝筆者: 佐藤隆弘のプロフィール ⧬筆者: 佐藤のtwitter ☈ 佐藤のYoutubeチャンネル「佐藤ゼミ」 ✂関連: 文章力講座に関する記事一覧

起業家・経営者向け「成功するための読書術」2つのポイント解説

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起業家の教え「成功するための読書術」2つのポイント 今回は 「成長したいなら本を読もう 」というテーマで書いてみたいと思います。 私は独立起業して今年で19年目を迎えようとしていますが、もし誰かに 「続ける秘訣」について質問 されたとしたら 「読書の習慣です」と即答する と思います。 そのくらい「本を読む習慣」は私の発想や判断の根源になってると思います。そこで今回は、私がどのように本を読んできたか? という内容で皆さんに解説してみたいと思います。これから独立起業を目指す人から、経営者、スキルアップを目指す社会人や学生のみなさんに、参考にしてもらえればと思います。 ポイント1「ひとつのテーマを徹底的に掘り下げていく」 私が「読書習慣」について説明する時に、説明するポイントが2つあります。最初のポイントが 「ひとつのテーマを徹底的に掘り下げていく」 ということですね。 例えば「マーケティング」の勉強をしようと考えて書店へ行ったとします。そこで私の場合ですとマーケティングの棚のところに行って、関心を持った本を3〜5冊ほどまとめて購入してきます。 そして、自宅に戻ってから一気に目を通して「この作者は面白いな」とか「わかりやすい」「この人の教え方だと頭に入ってくる」などと自分なりに考察して、その中から 「気になった作者」を一冊選ぶ のです。 読書をする時も 「相性」が重要 だと思います。学校の授業でも「この先生に教えてもらいたい」という先生に教えてもらいたいですよね。本にしても同様で、 この作者に教えてもらいたい、という相性のようなものがある と思うのです。まずはそのような作者(本)を一冊選ぶということが、私の場合は重要でした。 一定の情報量が蓄積するまで、読み込んでいく 一冊選ぶことができたのなら、そこから本格的なスタートになります。どうするかと言いますと、次に書店に行った時などに 「その作者の本」をできるだけ入手 します。そして一気に読み進めていくようにしています。「大切なポイント」は繰り返されますし、複数の本を読み込むことで作者のテーマや考え方などが、わかるようになってきます。 そのような時間を積み重ね、 一定の情報が溜まってきたところで、次のステップ に入ります。次のステップは何かというと、本の巻末にその作者が参考にした書籍や、オススメの本が掲載されていますよね

日本人の読書量「一冊も読まない」が47.3%に!?

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Image by  Pexels  from  Pixabay   日本人の読書量「1ヶ月に読む本 一冊も読まない」が47.3%に 先日、電車に乗っていた時の話。前に座った人が、鞄から文庫本を取り出して読み始めた。スマホを覗き込んでいる乗客が多い中、 本を読んでいる仕草が新鮮に感じられて 、ふと考えた。 「そういえば、電車の中で本を読んでいる人を見かけなくなったな」 気になったので、国民の読書量について調べてみることにした。参照したのは、文化庁の平成30年度 国語に関する世論調査」のデータである。それによると(すでにタイトルに書いてしまっているが) 「1ヶ月に一冊も読まない」と答えた人 47.3% 「1、2冊」と答えた人 37.6% 「3、4冊」と答えた人 8.6% 「5、6冊」と答えた人 3.2% 「7冊以上」と答えた人 3.2% という結果だった。一冊も読まない人が「47.3%」ということは、半数近い人たちが「本を手にしない」ということになる。個人的には、一冊も読まない人は30%くらいかな? と予想していたので、想像以上に読まない人が多いように感じた。みなさんは、どう感じただろうか? ちなみに筆者は、月に7冊は読んでいるので、上位3.2%に入っていることになる。今までの人生の中で(よくもわるくも)上位3.2%に入れることはなかったので、とりあえず素直に喜んでみたいと思う。やったぜ。 「自分の読書量を増やしたいと思うか?」 続いて「自分の読書量を増やしたいと思うか?」という調査データもあったので確認してみる。 ・「そう思う」+「ややそう思う」の「増やしたいと感じている人」の合計が60.4% ・「そうは思わない」+「あまりそうは思わない」の合計が38.9% 増やしたいと感じている人の方が、過半数に達していることがわかった。つまり、読みたいとは思うものの、なかなか手が伸びない。でも読みたいとは思っているんだよ、本当に。と感じている人が、ざっくりと 国民の半数が考えている 、ということになるだろう。 まさに「案ずるよりも産むが易し」である。いや、このことわざは逆の意味だ。使い方が違う。月に7冊読んでも、賢くなれるというわけではないことを証明してしまった。適切なことわざは「言うは易く行うは難し」あたり

Kindleで出版してみて、わかったこと。考えたこと。

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kindleで出版してみて、わかったこと。 拙著「あなたの文章は、読まれていないかもしれない」略して「あな文」をKindleで出版してみて 「表現するということ」に関して、いろいろと再確認 したことがあります。 忘れないうちに記録しておこう、とnoteに記事を書き始めたところ、想像していたよりも長文になりました。自分で実感していたよりも「様々なこと」を感じていたのかもしれません。 これから「何かを表現したい」と考えている人、起業、転職など環境を変えてがんばろうと考えている人は、読んでみてください。 何かヒントを見つけてもらえるかも しれません。 その(1)【ものづくりは「世の中に出しておわり」ではなく、そこからがスタート】 今回は、初めてということもあり、試行錯誤の連続でした。原稿のフォーマット確認から、Kindle出版への登録。不具合の修正や、校正の繰り返しなど。正月休み返上でコツコツ作業してアップロードしても「あ! ここがおかしい!」と、また修正が入る。 何度かサポートに相談したのですが、その度に詳細な返信が届き「ああ、こんなにていねいに返信してもらえたのだから、自分もがんばらなければ」と、変なところでモチベーションを保ちつつ乗り切りました。と、いいますか、 現在進行形でがんばっています。 ここがふんばり時。( Kindleで出版(1)つづきを読む ) その(2)【これが今の自分の役割だから、と自我を守り、そして進め】 以前、大学生に頼まれて講演をした時の話です。内容は「私の仕事」だったか「人生論」だったかな、そんな感じのテーマが与えられて一時間くらい話をしました。ひととおり内容が進んで、質疑応答の時間になりました。女性の受講生が手をあげると、 「 先生は、どうしてそんなに自分に自信があるのですか?  迷ったりしないのですか?」 と質問をしてきたのです。いやはや、おどろきました。なぜって、私は「自分くらい自己評価の低い人間は、そんなに多くないだろう」と思っていたからです。( Kindleで出版(2)つづきを読む ) その(3)【なぜ、あなたは書く? そして、誰に読ませたい?】 私は、仕事で相談を受けた際に「この商品(サービス)は、どのような人が対象ですか?」と質問することがありま

文章力を上げたい人へ! 新刊「あなたの文章は、読まれていないかもしれない」出版しました。

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文章力を磨く!「佐藤式 文章講座31」を解説 拙著「 あなたの文章は、読まれていないかもしれない 」を、 Kindle出版にて販売開始 しました。本書は、私(筆者)が15年ほど前から連載してきたメールマガジン「伝わる文章講座」に掲載していた記事の中から、とくに好評をいただいた記事を中心に「佐藤式 伝わる文章術」のエッセンスを解説したものです。 いわゆる「文章表現のテクニック」ではなく「伝わる文章とは?」から始め、自分らしい文章を書き続けるための「考えるヒント」を31章にわけて収録しました。 さらに、本書の理解を深めてもらうために 「読者限定 音声セミナー(未公開版)」 も無料でプレゼント中です。 本書を読み、セミナーを聞いていただくことで 「伝わる文章力の基盤」が育っていく ことを実感していただける内容に仕上げました。ぜひ読んでみてください。そして、新しいステップへ進むためのヒントを掴んでいただけると嬉しく思います。 (内容紹介より) 数千枚以上の文章を添削してきた文章指導の専門家が「伝わる文章とは何か?」と思考実験を繰り返してきた中で見つけた文章力アップのヒントを解説したものです。掲載された31のエッセイを読み込むことで、あなたの中に「伝わる言葉を探すための土台」が育ち、様々なテクニックを自分自身で発見できるようになるでしょう。経営者、起業家、広報など「仕事で文章を書く」人たちから、趣味や副業などを通して、長く使える本物の文章力を育てたい人におすすめです。本書の理解を深め応用へと発展させる「読者限定セミナー(音声)付」 ご購入はamazonで! 佐藤式「伝わる文章力を高める31のエッセンス」を解説。仕事の文章作成からSNSまで「自分らしい文章」を書きたい人へおすすめの一冊です。

Kindle本を間違って購入。返品手続きの手順は?

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Kindle本を間違って購入。返品手続きの手順は? 先日の深夜に、 Fire7 でKindle本を読んでいた時の事だった。「おすすめ」のページに表示されていた本を見ていた時、手が滑り本体を支えようとした際に 「今すぐ購入」のボタンをタップ してしまった。 あわててキャンセルしようと思ったのだが、すでに購入した本のダウンロードが開始されている。正直、購入してまで読みたい本ではなかった。しかし手が滑ったとはいえ、購入ボタンを押してしまったのは事実である。諦めるしかないかな……と思っていた(注・いつもは「謝って購入してしまいましたか?」というようなメッセージが表示されていたように思う。しかしこの時は、その表示が見当たらなかった。あわてて消してしまったのか、別のところをタップしてしまったのかは、今となってはわからない) しかし、何も調べないでそのままにしておくのは残念な気がしたので、 キャンセル方法の手順を調べて実行してみることにした。 結論から書くと、 無事にキャンセルできた ので、参考にしていただきたい。 (補足)今回の手順は、Fire7からではなく、Macから amazonにログイン して手続きを開始した。ダウンロードされたKindle本は一度も開かず「未読」の状態である。 Amazonのページから「お問い合わせ」開始 1)ヘルプ&カスタマーサービスのページから「アカウントサービス」→「お問い合わせ方法」のページへ進む。 2)重要「お問い合わせフォーム」のボタンがあるので、タップ。 3)問い合わせしたい商品が表示されるので、それを選択。「お問い合わせ内容の選択」→「お問い合わせ方法の選択」と、順番に進む。 自分の場合は深夜だったので「チャット」を選択した。「平均待ち時間 1分未満」と表示されていたが、実際にはすぐにウィンドウが立ち上がりチャットが始まった。 間違って購入してしまったことを入力すると、担当の方が調査を始めすぐに「該当する書名を提示」してくれた。本のタイトルを確認し、そのままキャンセルの手続きをお願いし手続きは終了。たぶん 5分もかからなかった と思う。 確認のためにFire7を見てみると、ダウンロードされていた本が削除されていた。 即座に反映されるんだな 、と感心する。返金処理完了

オヨヨ書林と、ひらみぱん(高速バスで仙台→金沢への旅 No.9)

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旅先で「古本を買う」ということ 旅先での楽しみのひとつが、古本屋をめぐること、である。ずっと探していた本に、ようやく出会えたよろこび。そして「この本は、旅先で寄った古書店で偶然見つけたんだ」と、旅のエピソード付きで楽しむこともできる。 以前、古書について、 「古書には人の手を渡っている物語があり、それをつないでいこうとする想い(のようなもの)が加わっていく。それが「紙」である限り、時間と共に劣化が進み原型を保つことは困難になる。しかし、そこには新しい物語が加わり豊かさを増していく。( 古書を買う、ということ より)」と、書いたことがある。 多くの人にとっては「ボロボロの古い本」でも、自分にとっては「旅先で見つけた思い出の本」になる。時々手にとって、装丁を眺めながら入手した時のことを思い浮かべつつ「あの店は、まだあそこにあるかな?」などと考えたりもする。それは自分にとって、地味だけど豊かな気配に浸れる楽しい時間のひとつだ。 今回の金沢旅でも、ガイドブックに紹介されていた「オヨヨ書林」へ寄ってみることにしていた。掲載されていた店の写真がいい雰囲気だったので、行ってみたいと思っていたのだ。限られた旅先の時間を、趣味の古本屋めぐりに費やすのは気がひけるのだが、幸いなことに連れが、すぐ近くにある「ひらみぱん」に行ってみたいというので、ちょうどよかったのである。 バスへ乗って「せせらぎ通り」へ ひがし茶屋街からバス通りへ戻り、香林坊で下車。「 せせらぎ通り 」を通って目的地まで歩く。せせらぎ通りの名前は道に沿って流れる 鞍月用水に由来するのだそうだ。さらさらと流れる水音を聞きながら、はじめての町を散策するのは楽しい。金沢は雨の日が多い、と聞いていたのだけど、幸いにして二日連続の晴天に恵まれたこともあり、こうやって気持ちよく歩くことができる。ありがたい。 そんなことを考えながら歩くこと数分。交差点のところに人が立っているのが見えた。あのあたりに何かあるのだろう、と検討をつけて近づいていくと「ひらみぱん」があった。店内で食べるために順番待ちをしている人が数人いたので、自分たちはパンを買ってどこかで食べよう、ということになった。店内は、こじんまりとしたスペースだったので、パン選びは連れに任せることにして、自分は「オヨヨ書林

室生犀星記念館(高速バスで仙台→金沢への旅 No.5)

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室生犀星記念館へ 寺をあとにした段階で、時計の針は午後四時を少し回ったところだった。近場ならば、あとひとつは回れそうだ。そう考えて調べてみると、ここから徒歩数分のところに「室生犀星記念館」があることがわかった。室生犀星関連の施設を連続で回ることになるが、行ける時に行っておいた方がいいだろう、と考えて行ってみることにした。 歩き始めて、ものの数分もしないうちに 室生犀星記念館 に到着した。展示されていた資料の説明文を読みながら館内を回っていく。さきほど、 雨宝院 で教えていただいた内容に関連する展示物を見ることで、じっくりと復習することができた。金沢に来るまでは「室生犀星? 代表作が『性に目覚めるころ』で、多くの校歌を作詞した作家」程度の知識しか持ち合わせていなかったのだが、二つの施設を連続で見学したことによって犀星に関する情報が一気に増えた。このような旅もいいものだな、と思う。 館内では、室生犀星が自作を朗読している音声を聞くことができる。個人的に、作品から想像していた声とは印象がだいぶ違うように感じた。先入観を与えないように、どのような印象を受けたかは書かないでおくが、興味がある方はぜひ館内で聞いてみていただきたい。 音声を聞いたり、展示されていた書籍を手にとって眺めたりしているうちに、閉館の時間となった。外に出ると、まだ空は明るい色をしていた。ナビで金沢駅までの距離を調べてみると、2.5kmと表示された。徒歩で約30分。通常ならバスを利用する距離なのだが、周囲はまだ明るいし、せっかくなので散歩気分で駅まで歩いてみることにした。 「知らない場所」を、歩く旅 自分は「歩くこと」が、わりと苦にならない。むしろ、歩いて30分程度の距離ならば、バスや電車を利用するよりも歩きたい方である。それも、特に何も考えずにぼんやりと歩いている時間が好きだ。「目的地は、だいたいあの方向だろう」と、おおまかな見当をつけて、なんとなく歩く。こちらの方が近そうだ、とか、あちらよりも歩きやすそうだ、などと適当にルートを変更しながら歩く。いつまで、このような旅ができるかわからないけれど、できる間はこうやって歩いてみたいと思っている。 そんな風にして犀川を越え、今日のできごとや、目に止まった風景や建物、今日の夕食は何にしようかな

にし茶屋街から雨宝院へ(高速バスで仙台→金沢への旅 No.4)

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白山比咩神社から、金沢へ 白山比咩神社での参拝を終え、さきほど通ってきた道を逆戻り。北陸鉄道石川線に乗って金沢へもどる。最初に乗車した時は「わりと揺れる」と感じた石川線も、二回目になると気にならないのが不思議である。車窓から射し込む春の光を感じながら、電車はゴトゴトと進んでいく。 野町駅から、にし茶屋街へ 終点の「野町駅」で下車。休日で街に遊びに来たと思われる、高校生男子五人組と一緒に改札を出る。さて、これからどこへ行こう? そう実は、 白山比咩神社への参拝 にどれくらい時間が必要なのか読めなかったので、ここからの計画は立てていなかったのだ。ひとまず、近くにある「 にし茶屋街 」を目指して歩いていくことにする。 10分も歩くと、観光客がたくさん歩いていそうな気配のする路地が見えてきた。なんとなく気分を高揚させながら近づいていくと 「中谷とうふ」 店の近くに出た。ここでは「豆乳ソフト」を食べることができる。店の前に設置されていた椅子に座り、見た目は完全にソフトクリームのそれを食べると・・・うん、豆乳ソフトだ。ちょっと、醤油が欲しいところだな、と思っていたところ、ちゃんと醤油が用意されていたので、数滴垂らして食べてみると・・・おお、うまい。やはり豆腐(豆乳)には醤油である。ソイソース イズ ザ ベスト と、なんとなく英語でつぶやいてみた。 にし茶屋街は、百メートルほどの短めの区間なのだけど、連休の混雑でどこの店の前にも人が並んでいた。当初は、もう少しここを散策してみる予定だったのだが、 最終日に立ち寄る ことにして、別の場所へ移動することにした。スマートフォンとガイドブックを見て、この近くにあるスポットを探す。ここから数分歩いたところに、 室生犀星が子供のころに過ごした「雨宝院」 があることに気がついた。よし、ここへ行ってみよう。 室生犀星ゆかりの寺 雨宝院へ ゆるやかに下っている細い道を、ナビを見ながら進む。にし茶屋街と比べて、こちらにはほとんど人通りがない。近所を散歩しているようなのんびりとした気分で歩いていくと、数分で雨宝院に到着した。 敷地内は、ひっそりとした雰囲気だった。さて、どこから見ればいいのだろう? と思っていたところ、インターフォンがあったので押してみることにした。「見学させていただきたい

【日本文学テスト】この冒頭文の作品名は何?(夏目漱石編)

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【文学テスト】夏目漱石 冒頭文を読んで作品名を答えよ Googleフォームを利用して、文学テストを作ってみました。今回は夏目漱石(全15問)です。 冒頭文を読んで、作品名を答えて みてください。全問正解しても、特に何もありませんが楽しんでいただけると幸いです。 読み込んでいます... ※「送信」をクリック後、画面が真っ白になる場合は、上にスクロールすると「答え合わせ」のページに進めます。本テストは無料です。

文学作品を「マンガ」で読むのは「あり」なのか?

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「文学作品をマンガで読むことに反対!?」 私は読書が趣味なので、時間がある時は文学作品を読んでいることが多い。同時に、マンガも読むし映画も見るし音楽も聞く。山に登ってキャンプもする。 以前、文学作品を原作にしたマンガを読んでいたところ「意外ですね!」と言われたことがあった。くわしく話を聞いてみると「(サトウさんは) 文学作品をマンガで読むことに反対している人 だと思っていた」とのこと。 とくに反対運動をしたこともなく、その人の勝手なイメージなのだが、そのように思われていたことが意外だった。とりあえず自分は「文学作品をマンガで読むこと」も少なくないし、どちらかというと推奨したい方である。その理由を、今から考えながら書いてみたい。 ストーリーを把握してから、原作を読む とはいえ、そこまで深い考察をする訳ではないので、結論から書いてしまう。未読作品の中に「興味はあるけれど、ちょっと手が出ない」という作品があると思う。難しそう、とか、長いから、とか、理由は色々だと思うけれど、あなたにもたぶんあると思う。 そんな時、もしマンガ版があるならば、 私ならば先にそちらを読んでみる。 マンガで全体のストーリーを把握してから、原作を手にとる わけだ。このようなことを書くと「ストーリーがわかっていたら、読んでいてつまらないのでは?」と感じるかもしれない。 いやいや、 優れた文学作品は「ストーリーを知っていても、面白みが色あせることはない」 と私は考える。例えば、気に入った映画は「1回目はストーリーを楽しみ」「2回目は詳細な部分を掘り下げながら楽しむ」そして、さらに興味が続くなら3回・4回と繰り返し見るわけだけど、それでも面白みが色あせることはない。私は数年前に、 ストーリーを追う「読書」から、自分自身を映す「読書」 という記事を書いたことがあるのだが、つまりそういうことである。もちろん、 最初から原作を読むにこしたことはない 。 マンガは「絵」で表現されるため、作家の解釈が大きく反映される。 原作とは異なった印象を受けてしまうことは避けられない。この点は意識しておく必要がある。 しかし「未読のまま放置」しておくよりも「一度触れてみる」方が得られることが多いだろう。そこから「よし、原作を読んでみよう」という気持ちになれたのなら

青森土産に「太宰弁当」を、いただいた話。

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おみやげに「太宰弁当」を 先日、連れが仕事で青森に出張へ行ってきた。帰り際に「おみやげに 太宰弁当 があるよ!」とメッセージが届いた。「太宰弁当?」そのメッセージを見て、私の頭に浮かんだのは「 桜桃 」だった。しかし桜桃と弁当の組み合わせはメインになりにくいだろう。 他には・・・そういえば、以前 斜陽館へ向かう 途中に 「太宰は根曲り竹が好きだった」 という文章を、どこかで見た記憶がある。根曲り竹なら弁当の具材に最適な気がする。などと、弁当の名前から想像を膨らませつつ連れの帰りを待った。そして、渡されたのが、こちら。 ネーミングは「 太宰弁当 」キャッチコピーは 「 太宰治の好物がたくさん詰まっている 」。パッケージは、コートを着用し、物憂げな表情を浮かべて木の前に立つ太宰の写真。なるほど、と、何がなるほどなのかわからないのだが、蓋を開けて中を見てみる。 「 太宰治の好物がたくさん詰まっている 」 若おいおにぎり、貝焼きみそ、けの汁、馬肉のみそ煮、紫蘇巻き梅干し、紅鮭他と、太宰の好物がしっかりと詰め込まれている。美味しそうである。もちろん「 根曲り竹」も入っていた。 「けの汁」も入っていたのだが、汁がないので煮物になってしまっていた。「やはり『けの汁』は外せませんよね?」「そうだね。でも汁ものだから、どうしようかねえ」「汁を抜いて中身だけにするのはどうでしょう?」「それだと『けの汁』じゃなくて『け』になるねえ」などと、失笑しながら企画会議を進めている様子を想像してみる。 「では、 ひきわり納豆はどうします?」「うーん。『ひきわり納豆』は津軽発祥だから、そういう意味でも入れたいけどね」「でも、弁当に納豆が入ると気になる人は気になるでしょうし」「よし、今回は『けの汁』採用『ひきわり納豆』は却下でいくか」などと、 議論が交わされたりしたのだろうか? そんな舞台裏を勝手に想像しながら食べた。 「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」 ちなみに、数年前に弘前へ旅に行った時、個人的に気に入ったのが「けの汁」だった。帰宅後、青森出身の知人に話したところ「今度作ってみますよ。ちょっと待っていてください!」と言われたまま、数年が過ぎてしまった。 「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」 とりあえず気長に待っているの

文学を勉強しても、意味がない?

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文学を勉強しても、意味がない? 以前、といってもだいぶ昔の話。僕が「大学で日本文学を勉強した」と自己紹介したことに対して 「文学なんて個人が好きに読めばいい。わざわざ大学で勉強するものでもない」 と、批判してきた人がいた。 その時僕は「いや、でもしかし・・・」と、戸惑いつつも言葉を返すことができなかった。今よりもずっと若く、理屈よりも感情の方が強かったし「この人は、どうしてわざわざそんなことを言うのだろう?」と不快感や、人前で批判されたという恥ずかしさもあり、冷静に考えることができなかったのだった。 文学作品を、研究するということは 先日、ある本(文学についての研究書籍)を読んでいて、ふとこの出来事を思い出した。そしてあらためて 「文学作品について研究(考察する)こと」 について考えてみた結果、今私はこんな風に考えている。 作品を読んで「どこかモヤモヤした」感覚になることがある。それは、作品に対して「 自分が把握している言葉では、うまく説明できない感覚 」を抱いたということだろう。そのモヤモヤをモヤモヤのままにして、作品を楽しむ人もいる。同じ作家の別の作品を読んで、モヤモヤの中を進んでいこうとする人もいる。 私は、どちらかというと「どうして自分は、この作品に〇〇を感じたのだろう」と、少し立ち止まって考える事が多い。そして文学(小説)だけでなく、映画や絵画において同じような事を考えてみたりもする。 そんな時、作品や著者について解説された書籍を読み、 新しい情報や見解を得ることで「 そういうことだったのか」と、霧が晴れていくような感覚 になることがある。モヤモヤが言語化され、疑問が晴れていく爽快感(のようなもの)もある。 そして作品を読み返してみる。納得したり、新しい視点が生まれたり、また別のモヤモヤが見つか る。 こうして出会った作品と解説のおかげで「ものごとに対する自分なりの見方」を育てていくことができたと思う。そこに社会に出て実体験を加えることで、今自分が取り組んでいるような仕事の基盤を作ることができている。これは 間違いなく「そうだ」 と言える。 必要とされているならば、そこには存在する意味がある。 文学作品を読む、ということは個人的な行為である。しかし私のように、 読んだ 作品に対して 「わからないこと

移動のパートナーに、最適の一冊は?

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移動のお供に最適の一冊とは? 長時間の移動の時、自分の場合は本を読んで過ごすことが多い。以前は、 はりきって未読の本を数冊持ち歩いていた のだけど、重いし読まないことも多いので、ここ数年は「もう一度読み返したい本」を選ぶようにしていた。そして、実用書ではなく文学作品が中心になっていた。 移動の時は、雑多な用事で集中が途切れることも多い。しかし文学作品ならば「そういえば、あの場面はどうだったかな?」と途中を省略して読んでも、すでにストーリーは把握できているので問題ない。むしろ、そうやって読み返すことで、新しい発見があったりもする。 細切れになりがちな読書には「一度読んだ文学作品」 が、自分の中の定番になっていたのだった。 電子書籍だと、数十冊を持ち歩けるが・・・。 しかし、最近では Kindleを使い電子書籍で読む機会が増えた ため、スマートフォンかタブレットがひとつあれば、数十冊以上の方を持ち歩けるようになった。これは便利だ、重さを気にする必要がない、と大量に 未読の電子書籍を詰め込んで 移動するようになっていた。 ところが。そう、ところが、思ったよりも読み進められないのである。電子書籍だからといって、読書のスピードが上がるわけでもなく「新規」と表紙に帯が貼られた表紙がずらりと並ぶようになっていた。 結局、紙の本と同じように、 一度読んだ本をKindleで再読することが多くなっていた。 やはり自分の場合は、未読の本を読む時は落ち着いた環境で、 ある程度まとまって集中できる時間が確保できないと駄目なのだ ということを確信した。 細切れになりがちな読書には「一度読んだ文学作品」 は、揺るがなかったのである。 Kindleの読み上げ機能を使ってみよう。 昨年、 Fire7を購入した 時、 kindleには「読み上げ機能」 が付いていることに気が付いた。なんとなく使ってみると、若干読み上げがおかしい部分はあるものの、 ある程度知識がある分野の書籍であれば、音声だけで内容を理解できる ことがわかった。 一冊読み終える(聞き終える)のに、実用書だと二時間前後で終了することができるので、読書をするのとそこまで変わらない。さらに速度も変更できる(自分の場合は、通常の速度だとやや遅く感じることが多かった)ので、もう少し短縮することもできる

志賀直哉旧居へ はじめての奈良旅(7)

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志賀直哉旧居へ ほとんどの人が覚えていないと思うのだが、二つ前の投稿に 「今回の奈良旅で、ぜひ行ってみたい場所がある」 と書いた。もったいぶっていたわりには、すでに、この記事のタイトルでバレてしまっているけれど、つまりそこが、今から向かおうとしている 「志賀直哉 旧居」 である。 初めて読んだ志賀直哉の作品は、中学生の時に読んだ「小説の神様」だった。ぐいぐいと作品の世界に引き込まれ、中学生ながら「他の作家とは、どこか違う魅力」を感じたことを覚えている。高校生の時、国語の資料集で志賀直哉が宮城県石巻で生まれたということを知った。宮城県出身の自分としては 「小説の神様と呼ばれる文豪が生まれたのは、宮城県だったのだ」 と、さらに思い入れのある作家の一人になっていた。 そんなわけで、今回の奈良旅を計画している時に眺めていたガイドブックの中に「志賀直哉旧居」という文字を見つけた時、自分の中では 「たとえ東大寺や興福寺に行けなくても、ここには行きたい」 という最優先事項のひとつになったのだった。そして、今回の旅も3日目。いよいよそこへ向かう。 ささやきの小径を通って、高畑町へ 春日大社から志賀直哉旧居へは徒歩で移動する。 春日大社の境内から「ささやきの小道」と呼ばれる小径へ入る。参拝客で賑わう境内とは正反対に、この道を歩いている人の姿はない。あまりにも静かで穏やかなので「この道で大丈夫なのか?」と思いながら進んでいくと「志賀直哉旧居」と書かれた案内板があった。安心して足を先に進めていく。 ちょっとした里山を歩いているような雰囲気の道。木漏れ日が射し込み、高畑町へ向かって 少し下り坂になっている この道を、志賀直哉も歩いた らしい。何を考え、どんなことを話しながら歩いたのだろう。そんなことを想像しながら、道に覆いかぶさるようにして生い茂っている木の下を10 分ほど歩き、小さな橋を渡ると閑静な住宅街の横に出た。そこから、だいたいこのあたりだろう、と検討をつけて先に進んでいくと案内が立っている建物の前に到着した。 志賀直哉旧居へ到着 門をくぐり入場券を買い求める。受付の方に写真を撮っていいかと尋ねると、どうぞという声が返ってきたので、連れにスマートフォン渡して玄関の前で写真を撮ってもらう。普段はあまり自分から写真を撮ってもらおうとは考えないのだけれども

宮沢賢治をめぐる旅(宮沢賢治詩碑 編)

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花巻への旅 自分の場合、旅をする時には移動時間や滞在時間を考慮して「綿密に計画を立てる」場合と、とりあえず現地に行ってみてから決める「なりゆきまかせ」の場合の二種類がある。今年の夏は「なりゆきまかせ」で花巻へ行った。 どうして花巻なのか、というとお盆休みの二日前に予約が取れる宿を検索していたところ、花巻に良さそうな旅館が見つかったからだ。つまり、目的があって花巻に宿をとったのではなく、宿がとれたから花巻に行くことになったのだった。 1日目は、ゆったりと過ぎた。懸念していた渋滞もうまく回避できたし、美味しいものを食べることもできた。なによりも直前に予約した花巻の温泉宿が想像していたよりも、良い感じだったので「今回の旅は、いい感じだなあ」という気分で過ごすことができた。あまりにも、ゆったり充実した時間だったので、宿を出た時には二日間ぐらいここに滞在していたような気分になったくらいだった。 2日目は、宮城の方に向かって南下しつつ、気になったところがあれば立ち寄ってみようと考えていた。ところが、花巻で立ち寄った「まちなかビジターセンター」で「宮沢賢治詩碑へ行ってみては?」と勧められたのだった。当初は全く予定していなかった場所だったのだが、これもまた縁、ということで行ってみることにした。 宮沢賢治詩碑へ 花巻駅から車で約15分。駐車場に車を止め、そこからは徒歩で移動する。自分達の他に観光客らしき人はいない。昨晩はずっと雨が降っていたのに、今日は夏らしい陽射しが地面に降り注ぐ道を、 残りわずかの夏を惜しむかのように盛んに鳴く蝉の声を耳にしながら歩く。 雨が降っている時は「夏なのに雨ではつまらない」と愚痴を言うのに、晴れている時には「暑い。日に焼ける」と文句を言う。実に勝手である。賢治先生ならば、晴れても雨でも変わらず、同じように過ごしているにちがいない。そんなことを考えながら歩いていると五分ほどで、入口に到着した。 そこでふと気がつく。道標には「宮沢賢治詩碑 羅須地人協会跡入口」と記されている。ああ、そうだったのか。ここが一度訪問してみたいと考えていた、羅須地人協会の跡地だったのか。センターの方から「宮沢賢治が住んでいた場所」と説明を受けた時に気がつくべきだった。 さきほどまでは「暑い」「汗が不快だ」などと

「安吾 風の館」へ行く。

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先日新潟へ出かけた際に「 安吾 風の館 」へ立ち寄ってきた。折しも桜が満開の時期だった。前回の 読書ブログ で「桜の森の満開の下」を選んだばかりだったので、まさに誂えたかのようなベストタイミングだった。木の下から、 青い空に淡い桜の花の組み合わせを眺めていると、自然と笑顔になってしまう。 「新潟の冬は曇天が多いから、なんとなく気分が上がらないことがある」と、新潟在住の方から聞いたことがあった。厳しい冬を抜けて迎えた春の桜と青空は、もしかすると私たちが感じている「それ」よりも、ずっと青く桜色に感じられるのかもしれない。待ちわびた分だけ、深くあたたかく心に響いてくるのかもしれない。 春に満開の桜を見ることができるのは、このうえない喜びの時間である。それが旅先ならば、さらにうれしい。そして今回は「桜の森の満開の下」を読み返した直後という絶妙のタイミング。色々なことが重なった「記憶に残る桜」となりました。 関連: 読書の記憶 五十四冊目 「桜の森の満開の下 坂口安吾」