2011年7月24日日曜日

青森県立美術館 初夏の青森を巡る旅(4) 

八甲田山から下山し、次に向かったのが「青森県立美術館」。途中、休憩をいれつつも、車で約40分ほどで到着。思ったよりもスムーズに移動できて、ほっとする。
ここには、奈良美智さんの「あおもり犬」が展示されている。以前、何かの雑誌で見た時から「いつか、この作品を、この目で直接見てみたい」と考えていたので、今回の訪問はすごくたのしみにしていた。

美術館に到着して、まず驚いたことは、その敷地の広さ。とにかく広い。駐車場の端から、建物の方を見ると、はるか遠くに霞んでみえるくらいだ(←これは、おおげさ)

今回、青森の施設をいくつか回ってみたけれど、どれもゆったりとスペースを確保していて、すごく気持ちがいい。ここでなら休日の一日をゆったり過ごせそうだ、という気分になる。開放感のなか、駐車場から建物の方へ向かう。

まず最初に感じたのは、建物の構造が「複雑」になっていること。エレベーターで下に降りたり、階段で上にあがったり、右に行ったり左にくねったりと、ワンフロアで完結するのではなく、あちらこちらへ移動するような構造になっている。これが、なかなか楽しい。館内の案内図を見ながら回るのだけど「今、自分はどこにいるのだろう?」「次は、どこへ行けばいいのだろう?」と、ちょっと迷路に迷い込んだ時のような感覚になりながら館内を歩き回る。

待望の「あおもり犬」の展示スペースまでの道のりも「この角の先かな?」「これが正しいルートなのか?」などと考えながら、建物の裏手に回って階段を上がっていく。そして、目の前に表れたのが・・・

あおもり犬
これだ!
作品をとりかこむようにして、たくさんの人達が写真を撮影している(あおもり犬は、撮影可)。カシャッ! ピロリン〜と、あちらこちらからシャッター音が聞こえてくる。

もしかすると作者の奈良さんは、こんな風にして、たくさんの人に囲まれている風景も含めて、この作品を制作されたのではないだろうか。あおもり犬だけだと、なんとなく物思いにふけっているような感じに見えるけれど、みんなに囲まれていると、ちょっと照れているような、わざと知らんぷりをしているような、そんな不思議な表情に見えてきたりもする。

十和田市現代美術館の時も感じたけれど、こうやってアートを目の前にして、はしゃいだり、写真を撮影できたりする空間があるということは、とてもいいことだと思う。目の前で見た印象と後になって写真で見る印象の違いや、どうやったら面白いアングルで撮影できるかとか、見るだけではなくて体感できることがアートを自分の中に取り込むには有効な手段なのではないかと思うからだ。そんなことを考えながら、あおもり犬に別れを告げて館内へと戻ることにする。


訪問した当日は企画展として「光を描く 印象派展ー美術館が解いた謎」が開催されていた。印象派の作品を、顕微鏡や赤外線を使って分析を行い「キャンパスの絵の具の中に、木の実が混ざっていることがわかった。これは、実際に屋外で制作されたことを表している」のように分析することで見つかったことを解説しながら、展示を行っているという企画だったのだけど、制作過程を垣間みることができて、いつもと違った視点から作品を楽しむ事ができた。

ほんとうは、もう少しゆっくりと見ていたかったのだけど、閉館時間が近づいてきたし次の場所へも移動しなければならないので、まさに後ろ髪をひかれるようにして、建物を後にした。それにしても、十和田市現代美術館、青森県立美術館と、ひとつの県の中に、こんなに個性的で魅力のある美術館が2つもあるなんて、青森の人達がうらやましい、と思いつつ閉館間際の駐車場へと戻ったのでした。 初夏の青森を巡る旅(5)へつづく